『夫を殺したはずなのに』第4話では、慶太が低用量ピルを見つけてエレナとの不倫へ進む過程と、莉乃を「ママ」と呼ぶ幼い娘がいる4度目の人生が明かされました。
復讐の行方を追っていたはずなのに、見えてきたのは「夫婦が壊れた本当の始まり」です。僕は第4話「償うべき罪」を、本作が不倫復讐劇から“人生の分岐点を探す物語”へ切り替わった重要回だと感じました。
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『夫を殺したはずなのに』第4話で何があった?
第4話「償うべき罪」は、2026年7月27日(月)23時6分からテレビ東京系で放送されました。脚本は伊藤優、監督は棚澤孝義が担当しています。
物語は、莉乃(内田理央)と慶太(渡邊圭祐)の最悪の結婚記念日から3カ月前へさかのぼります。
これまで僕たちは、主に莉乃の目から慶太を見てきました。
妻を大切にしているように見えながら、毎週金曜日にはエレナ(箭内夢菜)との秘密を抱えている夫。公式の人物紹介でも、慶太は莉乃を一途に愛する優しいエリート会社員でありながら、裏ではエレナとの不貞を続ける人物として設定されています。
しかし第4話は、その「裏切った夫」という結果から時間を巻き戻し、なぜ慶太がそこへ向かったのかを描きます。
重要な流れを整理すると、こうです。
- 慶太は莉乃との子どもを望んでいた
- 不妊治療外来で検査を受ける
- 母・真由美からも子どもへの期待を向けられる
- 冷蔵庫の奥から莉乃の低用量ピルを発見する
- 莉乃へ理由を確認できず、不信感を膨らませる
- 道路で困っていたエレナを偶然助ける
- エレナが自分の勤務先の清掃員だと分かり再会する
- 会話を重ねるうちに距離が縮まり、一線を越える
テレビ東京公式も、第4話を「幸せな家庭を望む慶太」が冷蔵庫の薬を発見し、莉乃への疑念を募らせる中でエレナと偶然出会う物語として紹介しています。
ここで大事なのは、低用量ピルを見つけたことと、不倫を選んだことを同じ問題にしないことです。
莉乃には慶太へ話していなかったことがある。
一方、慶太には疑問を直接ぶつけず、家庭の外へ逃げた責任がある。
事情が分かったことは、免罪符にはなりません。
むしろ第4話は、慶太に何度も引き返せる場所があったことを描いたからこそ、「なぜあの選択をしたのか」がより重く残る回でした。

慶太はなぜ低用量ピルに動揺した?不妊治療と母・真由美の存在
第4話を理解するうえで、以前の記事以上に押さえておきたいのが慶太の「子どもが欲しい」という思いの強さです。
慶太は不妊治療外来で検査を受け、自分側に明確な問題が見つからないという結果を受け取ります。
さらに慶太の母・本庄真由美(山下容莉枝)も、息子夫婦に子どもができることを期待していました。公式人物紹介でも、真由美は慶太を人一倍かわいがる母親として設定されています。
こうした背景があるからこそ、冷蔵庫の奥から見つかった低用量ピルは慶太にとって単なる「知らない薬」ではありませんでした。
「莉乃は子どもが欲しいと言っていたはずなのに」
その言葉と、自分に知らされていなかった薬。
慶太の中で二つが結びつき、「本当は僕との子どもを望んでいないのではないか」という疑いへ変わっていきます。第4話を詳しく伝えた報道でも、慶太が薬を低用量ピルだと知り、莉乃の真意を確かめられないまま疑念を深めていく流れが描かれています。
ただし、ここで僕たちまで慶太と同じ早合点をしてはいけないと思います。
第4話時点で重要なのは、「薬がある=莉乃は子どもを望んでいない」と断定することではありません。
重要なのは、莉乃には話せない事情があり、慶太には聞けない恐怖があったことです。
莉乃は親の顔を知らないまま児童養護施設で育った人物です。公式人物紹介でも、慶太との出会いによって幸せな日々を手にした女性として紹介されています。
だから僕は、莉乃が抱える「親になること」への迷いを、慶太を愛していない証拠だとは受け取りませんでした。
愛された記憶がない自分が、本当に誰かの親になれるのか。
家庭を望む慶太にそれを言えば、失望されるのではないか。
そんな恐怖が彼女の沈黙の奥にあるのだとしたら、莉乃が守ろうとしたのもまた「家庭」だったことになります。
ところが、失いたくないから隠した秘密が、相手には「拒絶」に見えてしまった。
冷蔵庫は食卓を支える場所です。
その奥に夫婦の未来を揺らす秘密が置かれていたという演出が、僕にはとても象徴的に映りました。
この夫婦が壊れ始めたのは、不倫が始まった夜ではない。
「怖いから聞かない」「嫌われるのが怖いから言わない」という沈黙が始まった時点で、すでに二人の間には小さな亀裂が入っていたのだと思います。
慶太とエレナはどこで出会った?不倫が始まるまでを整理
ここは事実関係を正確に整理しておきたいところです。
慶太とエレナが最初に接点を持ったのは、児童養護施設の中ではありません。
慶太は道路で清掃用具を広げて困っていたエレナを見かけ、その片付けを手伝います。そして後日、エレナが慶太の勤める会社の清掃を担当していたため、二人は職場で再会しました。
最初の出会いそのものには、恋愛的な意図はありません。
慶太はただ目の前で困っている人を助けただけ。
エレナも、その時点では通りすがりに近い存在です。
だからこそ僕は、この出会いが怖いと思いました。
運命的な誘惑でも、計画された略奪でもない。
人生を大きく変える関係の入口が、どこにでもありそうな小さな親切だったからです。
その後、会社の休憩室で再会した二人は、「よく会いますね」と会話を交わすようになり、何気ない時間を重ねていきます。

やがて残業中、エレナが差し出したおにぎりや他愛ない会話が、慶太にとって居心地のいい時間になっていきます。
ここで重要なのは、「エレナだから家庭より魅力的だった」という単純な話ではありません。
莉乃の前に帰れば、低用量ピルについて聞かなければならない。
自分たちに子どもができないこととも向き合わなければならない。
しかしエレナの前では、その問題をいったん忘れられる。
つまり慶太が求めたのは、恋愛より先に“自分の問題を見なくて済む場所”だったように僕には見えます。
そして残業中、二人は酒を飲みながら距離を縮め、ついに関係を持ってしまいます。
ここまで来ると、「低用量ピルが不倫の原因だった」と一本の線で説明するのは違うでしょう。
薬を見つけたことはきっかけです。
しかし、
「聞かない」
「家に帰らない」
「エレナとの時間を増やす」
「距離を置かない」
という複数の選択を重ねたのは慶太自身です。
偶然出会ったことは選べません。
でも、その偶然を不倫へ変えたのは選択です。
僕はそこに第4話タイトル「償うべき罪」の重さを感じました。

3度目の人生はどう終わった?4度目へ移る条件が見えてきた
第4話の考察で省けないのが、莉乃が4度目の人生へ入る直前に何が起きたのかです。
3度目の人生では、莉乃はエレナを誤って死なせてしまいます。
さらにその事実を知った慶太も自ら命を絶つという、莉乃が望んでいなかった結末を迎えました。
慶太を失った莉乃は、自分が本当に欲しかったものに気づきます。
復讐ではなかった。
エレナを倒すことでもなかった。
慶太と幸せに暮らす未来だった。
ところが、もう慶太はいません。
その後、莉乃自身も留置された状況で自ら命を絶ち、再び人生をやり直すことを選びます。そして目覚めた先が「4度目の人生」でした。
ここはタイムリープの条件を考えるうえで非常に重要です。
慶太が亡くなった瞬間には、ループは起きていません。
エレナが亡くなった瞬間でもない。
莉乃自身の死を経て、再び結婚記念日の朝へ戻っている。
少なくとも第4話までの描写だけを見れば、ループ発動には莉乃自身の死が強く関係していると考えるのが自然でしょう。
ただし4度目では、これまでと決定的に違うことが起きます。
4度目の人生で何が変わった?「ママ」と呼ぶ娘の意味
目を覚ました莉乃の前に、慶太が現れます。
ここまでは今までのループと同じです。
しかし慶太は、幼い女の子を抱いていました。
そしてその子は、莉乃へ「おはようママ」と声をかけます。
莉乃には、娘を産み育てた記憶がありません。
それなのに、この世界では莉乃と慶太に子どもがいる。
この一場面によって、『夫を殺したはずなのに』のタイムリープは一気に性質を変えました。
それまでは、「同じ朝へ戻って別の選択をする」という時間の巻き戻しとして見ることができました。
しかし4度目は、単純な巻き戻しだけでは説明しにくい。
莉乃が知らない過去まで、この世界には存在しているからです。

4度目は「同じ過去」ではなく別の世界線なのか?
第4話時点で考えられるのは、大きく三つです。
一つは、莉乃が戻るたびに過去そのものが書き換わっている可能性。
二つ目は、莉乃の意識だけが異なる人生の世界へ移っている可能性。
三つ目は、これまでの莉乃の選択や願いが、次の人生へ何らかの形で反映されている可能性です。
もちろん、ここは第4話だけでは断定できません。
ただ、「記憶のない娘」の登場によって、少なくとも視聴者がそれまで想像していた単純なループ像が崩れたことは確かです。
SNSでも、娘の登場には驚きの反応が相次ぎ、「世界線が変わったのでは」という趣旨の声も見られました。
莉乃の「願い」が次の人生を決めている?
僕が特に気になったのは、莉乃が3度目の人生の最後に何を望んでいたかです。
最初の莉乃を支配していたのは、慶太への怒りでした。
しかし3度目の結末では違います。
慶太を本当に失ったことで、莉乃は「一緒に幸せになりたかった」という自分の本心へたどり着く。
すると次の人生には、慶太がいる。
しかも、二人の間には子どもまでいる。
僕にはこれが偶然とは思えませんでした。
もちろん現段階では私見ですが、このループは莉乃の死だけではなく、死の直前に彼女が強く抱いた願いや後悔とも連動しているのではないかと考えています。
もしそうなら、タイトルの『夫を殺したはずなのに』の意味まで変わります。
慶太が死んでは生き返っているのではなく、莉乃のほうが「慶太が生きている別の人生」へ移っている可能性も出てくるからです。
第4話「償うべき罪」を考察|復讐より重要な“最初の分岐点”
第4話を見終えて、僕の胸に残ったのは「誰が一番悪いのか」という問いではありません。
この二人は、いつから道を間違えたのだろう。
そこでした。
慶太の不倫は許される行動ではありません。
けれど第4話は、その行動だけを切り取って悪人にするのではなく、そこへ至るまでの心の動きを見せました。
テレビ東京の倉地雄大プロデューサーも、慶太を善と悪の両面を持つ難しい人物として説明しています。また公式人物紹介では、本作について復讐の爽快感だけで終わらず、「復讐は人を救うのか」「愛とは何か」を考えさせる人間ドラマであることが語られています。
僕は、この作品の核心がここにあると思います。
莉乃が低用量ピルを隠した。
慶太は理由を聞かなかった。
疑いながらも普通の夫婦を演じた。
帰宅を遅らせた。
エレナと出会った。
一緒にいる時間が増えた。
そして、一線を越えた。
大事故の原因が事故現場だけにあるとは限りません。
何キロも前の小さな判断が積み重なり、気づいたときには戻れない地点へ来ていることがあります。
慶太と莉乃も同じです。
二人の人生を壊した最大の分岐点は、エレナとの一夜そのものではなく、「怖いことほど二人で話さない夫婦」になってしまった瞬間だったのではないでしょうか。

4度目の人生は「理想の家庭」ではなく新しいテスト
4度目の人生には、慶太がいます。
子どももいます。
一見すれば、莉乃が失ってから初めて気づいた「幸せな家庭」が最初から用意されています。
でも僕は、この世界を単純なご褒美だとは思えません。
むしろ莉乃にとって、今まで以上に難しい人生です。
これまでなら、慶太やエレナへの復讐を選んだ結果、主に傷つくのは大人たちでした。
ところが4度目には娘がいる。
莉乃が怒りに任せて家庭を壊せば、その影響を受ける存在が一人増えています。
しかも皮肉なのは、子どものいる家庭こそ慶太が強く望んでいた未来であり、同時に莉乃が怖がっていた可能性のある未来でもあることです。
慶太が欲しかった未来と、莉乃が向き合えなかった未来が、一つの家庭として現れた。
僕にはそう見えます。
だから4度目で莉乃が試されるのは、「今度こそ夫を殺さない」ことだけではありません。
自分は何を怖がっていたのか。
慶太をまだ愛しているのか。
娘がいる現在を守りたいのか。
そして、夫婦として本当のことを話せるのか。
第4話まで復讐の“方法”を変えてきた莉乃が、これからは自分自身の“選択”を変えなければならない。
そこに物語の次の段階があるのだと思います。
まとめ|第4話は「不倫の原因」と「タイムリープの謎」がつながった回
『夫を殺したはずなのに』第4話「償うべき罪」では、最悪の結婚記念日から3カ月前へ戻り、慶太がエレナとの不倫へ進んだ経緯が描かれました。
慶太は子どもを望み、不妊治療外来で検査を受ける一方、母・真由美からも家庭への期待を向けられていました。
そんな中で冷蔵庫から莉乃の低用量ピルを発見し、真意を聞けないまま疑念を膨らませます。
そして道路で清掃用具を広げて困っていたエレナを助け、勤務先で再会。
何気ない会話や残業中の時間を重ね、家庭で向き合うべき問題から逃げるようにエレナとの距離を縮め、ついには一線を越えてしまいました。
さらに3度目の人生では、エレナを誤って死なせたあと慶太も自ら命を絶ち、莉乃自身も人生をやり直そうと死を選びます。
ところが4度目の人生では、これまで存在しなかった幼い娘が現れ、莉乃を「ママ」と呼びました。
これによって、第4話では二つの大きな疑問が生まれています。
タイムリープは本当に同じ時間の巻き戻しなのか。
そして、莉乃が変えなければならないのは慶太の運命ではなく、夫婦が最初に間違えた選択なのではないか。
僕は後者が、このドラマを読み解く鍵だと考えています。
不倫の始まりとタイムリープの異変は、一見まったく別の謎です。
でも第4話では、その二つに共通する言葉がありました。
「選択」です。
慶太は聞くか、聞かないかを選んだ。
莉乃は話すか、隠すかを選んだ。
二人は愛するか憎むかだけでなく、その前にある無数の小さな分岐を選び続けてきました。
だからこの物語は、夫を何度殺しても終わらない。
変えるべきなのは結末ではなく、そこへ向かう道そのものだからです。
夜更けに第4話を見終えたあと、僕の胸に残ったのは派手な復讐の場面ではありませんでした。
冷蔵庫の前で、慶太が口にできなかった問いでした。
もしあのとき、たった一言を聞けていたら。
もし莉乃も、怖いと正直に言えていたら。
人生にはタイムリープなんてありません。
だからこそ僕たちは、本当は「最初の分岐点」を大切にしなければならないのかもしれません。
『夫を殺したはずなのに』第4話は、その残酷さを静かに突きつけた回でした。
よくある質問
『夫を殺したはずなのに』第4話はいつ放送された?
第4話「償うべき罪」は、2026年7月27日(月)23時6分~23時55分にテレビ東京系で放送されました。
脚本は伊藤優、監督は棚澤孝義です。
慶太とエレナはどこで出会った?
最初の接点は、道路で清掃用具を広げて困っていたエレナを慶太が助けたことです。
その後、エレナが慶太の勤務先で清掃を担当していたため再会し、休憩室での会話などを通して距離を縮めていきました。
第4話ラストの4度目の人生は何が違う?
最大の違いは、莉乃に記憶のない幼い娘が存在し、その子が莉乃を「ママ」と呼ぶことです。
第4話時点では、過去そのものが変化したのか、別の世界線へ移ったのか、莉乃の願いや選択が次の人生へ影響したのかは確定していません。
だからこそ第4話は、「どう復讐するのか」を追う物語から、「そもそも莉乃はどんな人生へ戻っているのか」を追うミステリーへ踏み込んだ大きな転換点だったと僕は感じています。
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