『さよならノワール』の北香那は、メガネ姿と“不器用すぎる心理学者”の芝居が注目され、演技は上手いのか下手なのか評価が大きく分かれています。
僕の結論は、白石絵梨子の「うざい」と感じる部分まで役として設計されており、北香那はその欠点を消さずに成長を見せているため、演技力は高いというものです。
一方で、役柄への不快感をすべて「演技が上手い証拠」と片づけるのも違います。メガネを含むビジュアル、話し方、目線、口元、第1話から第7話までの変化を分けて見ると、評価が割れる理由がかなり見えてきます。
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『さよならノワール』北香那のメガネはどこのブランド?
『さよならノワール』で北香那演じる白石絵梨子を見ていて、まず目に留まるのが上品なメタルフレームのメガネです。
白石は、帝都大学心理学部に所属し、公認心理師と臨床心理士の資格を持つ心理学者。フジテレビ公式でも、専門知識と意欲は十分にあるものの、対人コミュニケーションや人との距離感をつかむことが苦手な人物として紹介されています。フジテレビ+1
つまり、あのメガネは単なる「知的キャラクターだから眼鏡」という記号に見えて、実は白石の人物像とかなり相性がいいんです。
知識はある。
理屈も分かる。
けれど、人の心へ入る方法だけは教科書通りにいかない。
そのアンバランスさを、細いメタルフレームが静かに強調しているように僕には見えます。
北香那着用メガネは999.9「S-781T」と推定
眼鏡を専門に扱うサイトでは、『さよならノワール』で北香那が着用しているモデルについて、999.9(フォーナインズ)の「S-781T」ではないかと紹介されています。
ここは断定しすぎないことが大切です。
フジテレビの公式番組情報で、僕が確認した範囲では「白石絵梨子のメガネはS-781T」とブランド・型番まで公式発表した記載は確認できませんでした。
したがって、現時点では衣装情報サイトによる特定・推定情報として扱うのが安全でしょう。
一方、「S-781T」という製品自体は実在します。
999.9を展開するフォーナインズの「NEW COLLECTION 2025-2026」では、S-780Tシリーズが3型・各5色、税込4万8400円として発表されています。S-781Tも同シリーズに含まれ、ボストン型のデザインです。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+1
確認できる主な仕様は、サイズが50□19-134、フロントに純チタンやβチタンなどを使用した繊細なフレーム。柔らかなラインとリムのカラーリングを特徴とするモデルです。oomiya 公式サイト+1
白石の衣装として見ると、この「派手ではないけれど、妙に記憶に残る」というバランスが面白い。
太い黒縁で「賢そうな心理学者」を分かりやすく作るのではなく、繊細なフレームによって、知性の奥にある危うさまで浮かび上がらせているように感じます。

『全力!脱力タイムズ』でも北香那はメガネ選びにこだわっていた
興味深いのは、北香那自身もメガネにかなり意識を向けていることです。
2026年7月3日放送の『全力!脱力タイムズ』に初出演した際、北香那は、番組出演に向けて普段行く眼鏡店で似合う黒縁メガネを選んできたことを明かしています。番組への出演がうれしく、メガネ選びから気合いを入れてきたというエピソードでした。めざましmedia+1
ただし、ここでの黒縁メガネと『さよならノワール』の白石が着用しているメガネは、同じものだと混同しないよう注意が必要です。
それでも、ドラマの知的なメタルフレームと、バラエティで自ら選んだ黒縁メガネ。
まったく印象の違う2本を自然にかけこなしていることも、「北香那 メガネ」と検索したくなる人が増える理由の一つなのかもしれません。
『さよならノワール』北香那が「うざい」と言われるのはなぜ?
「さよならノワール 北香那 うざい」と検索すると、かなり強い言葉に見えます。
ただ、ここで最初に切り分けなければならないのは、北香那本人が「うざい」と評価されているのか、白石絵梨子という役が「うざい」と感じられているのかという点です。
実は白石については、制作側が最初から“好かれるだけの人物”として設計していません。
脚本の井上由美子は、フジテレビ公式コメントで白石を、共感能力に欠ける部分を持つ「ちょっとうざい心理学者」と表現しています。フジテレビ
これはかなり重要な情報です。
視聴者が、
「なんで今それを言うの?」
「相手が傷ついているのに理屈を説明するの?」
「心理学者なのに人の気持ちが分からないの?」
と引っかかること自体が、白石というキャラクターの初期設定から大きく外れていないからです。
第1話で白石の“うざさ”が一気に出た
2026年7月7日放送の第1話では、夫・小西悠介(柳下大)をラーメン店の火災で亡くした小西さくら(北乃きい)が犯罪被害者支援室の支援対象になります。
白石は専門知識を持っていますが、被害者の心がまだ言葉を受け取れる状態なのかを十分につかめないまま接してしまう。
公式の人物設定でも、白石は学説や事務的な説明を先に出して相手を怒らせてしまうことがある人物とされています。第1話は、その弱点を視聴者にかなり強く刻み込むスタートでした。フジテレビ+1
僕が白石を見ていて苦しくなるのは、彼女に悪意がないからです。
むしろ逆なんですよね。
「役に立ちたい」という善意が強すぎる。
だから沈黙できない。
何か説明したくなる。
何か正解を渡したくなる。
けれど、人が深く傷ついているときに必要なのは、正解ではなく、ただ横に座ってくれる人であることもあります。
正しい知識と、正しいタイミングは別物。
白石の“うざさ”は、まさにそのズレから生まれています。
これは僕自身、人と話していて何度も思い知らされてきたことです。
相手が悩みを話した瞬間、「こうすればいいんじゃない?」と解決策を返したくなる。でも相手が欲しかったのは、答えではなく「それはつらかったね」という一言だった。
白石を見ると、その小さな失敗を少し拡大した鏡を見せられているようで、妙に落ち着かなくなるんです。
視聴者レビューでも「うざい」と「上手い」が同時に出ている
元ネタとして確認したドラマレビューでは、放送開始直後から白石への評価は割れていました。
7月11日には北香那の役を「ちょっとウザい」と感じた感想がある一方、同日には、空気を読めない白石を演じる北香那を高く評価し、小池栄子との凸凹バディが生きているとする声も出ています。
7月15日には、難しいキャラクターのためか芝居が「ぎこちなく感じる」という評価もあり、7月17日には話し方や口元の動きが苦手だというかなり厳しい感想もありました。
つまり、単純に「みんなが上手いと言っている」わけでも、「みんなが下手と言っている」わけでもありません。
むしろ面白いのは、同じ“ぎこちなさ”を見て、ある視聴者は演技力と受け取り、別の視聴者は演技の不自然さと受け取っていることです。

北香那の演技は上手い?下手?第1話と第7話を比較
では、「さよならノワール 北香那 上手い」「北香那 演技上手い」「北香那 下手」と検索している人が一番知りたい部分に入りましょう。
僕は、第1話だけで演技力を判断するより、第7話と並べて見ると北香那の芝居の狙いが分かりやすいと考えています。
ポイントは、白石が成長しても“別人”になっていないことです。
比較ポイント 第1話 第7話
白石の意識 自分が何かしなければと焦る 相手の反応を観察しようとする
人との距離 近づくタイミングを間違える 近づいた後の境界線に悩む
不器用さ 強く表面化する まだしっかり残っている
芝居の見どころ 目線、口元、会話のズレ 沈黙、表情、引くタイミング
成長 知識を使うことが先 関係性そのものを見る
第7話では「人に近づけたこと」が新しい問題になる
2026年8月18日放送の第7話で支援対象になったのは、高校の生物教師・岩田倫太郎(三河悠冴)です。
岩田は、マッチングアプリで知り合った小室朋美(日比美思)と、その知人・八木和樹(小林リュージュ)に約1000万円を脅し取られたうえ、暴行被害にも遭います。事件後は心を閉ざしてしまいました。めざましmedia+1
そこで白石は、岩田の心情に近づき、自分一人で支援を担当したいと申し出ます。
第1話の彼女を思い出すと、これは大きな変化です。
ところが作品は、「白石が成長しました。めでたしめでたし」にはしません。
岩田が白石に特別な感情を抱く可能性が生まれ、室長の田村貴子(戸田恵子)や黒木夏海(小池栄子)は、支援者に特別な感情が向けられる“陽性転移”を心配します。めざましmedia
ここが僕にはとても面白かった。
第1話の白石は、人に近づけないことが問題でした。
第7話の白石は、人に近づけたからこそ、どこで止まるのかが問題になる。
成長とは、問題が全部なくなることではない。
見える問題の深さが変わることなのだと、このエピソードは教えてくれます。
「上手い」と思う最大の理由は、欠点を消していないこと
俳優が人物の成長を見せようとすると、分かりやすく変化させたくなるものです。
声を柔らかくする。
笑顔を増やす。
急に聞き上手になる。
そうすれば視聴者にも「成長した」と伝わりやすいでしょう。
でも北香那の白石は、そうなっていません。
相変わらず少し硬い。
言葉も理屈っぽい。
人との距離に迷っている。
それでも、第1話より相手を見る時間が増えている。
僕はこの数センチの変化を高く評価しています。
ステアリングをほんの数度切っただけでは、その瞬間の景色はほとんど変わりません。
でも、そのまま何十キロも走れば、たどり着く場所はまるで違ってくる。
白石絵梨子の成長は、僕にはそんなふうに見えます。

では「下手」という評価は間違いなのか?
ここも、僕は簡単に否定したくありません。
芝居には相性があります。
白石の少し独特な口の動かし方、硬さのある話し方、間の取り方を「リアルな不器用さ」と感じる人もいれば、「芝居が不自然」と感じる人もいる。
後者を「見る目がない」と切り捨てる必要はありません。
とくに『さよならノワール』は、犯罪被害者や遺族の心の傷を扱います。
題材そのものに心理的な重さがあるうえ、その被害者に寄り添うはずの白石まで最初は空回りするため、視聴者にはストレスが二重にかかる構造です。
だから「北香那の演技を見るのがつらい」「白石が苦手」という反応が出るのも理解できます。
重要なのは、
役が嫌い=演技が下手
とは限らないこと。
同時に、
役が嫌われた=演技が上手すぎる
とも限らないことです。
その間にある細かな芝居を見て初めて、俳優としての評価ができます。
僕自身の結論は、好みが分かれる芝居ではあるものの、白石という人物の設計を踏まえると北香那はかなり意識的に演じ分けているです。
北香那は白石絵梨子をどう演じた?本人と小池栄子の証言
北香那の演技が意図的なのかを考えるうえで、本人や制作陣の言葉は重要です。
北香那はフジテレビ公式で、絵梨子について、人との距離感が苦手で空回りする一方、一生懸命さを失わないように演じていると説明しています。フジテレビ
また、めざましmediaのインタビューでは、白石は正しいと思ったことをまっすぐ突き詰めるものの、間違っていることになかなか気づけない不器用な人物だと語っています。
河毛俊作監督からは、その「間違えてしまう部分」が可愛らしく見えるようにという方向性を示され、北香那自身も少しドジっぽい雰囲気を意識していたそうです。めざましmedia
この証言を知ると、白石の芝居の見え方が変わります。
目線が定まらない。
少し硬い笑い方をする。
必要以上に説明する。
相手の反応を見て、一瞬だけ表情が止まる。
それらを全部「北香那の演技がおかしい」で終わらせるより、距離感を間違える白石をどう立体化しているのかという視点で見るほうが、このドラマは面白くなります。
小池栄子が「想像しない芝居が返ってくる」と評価
さらに注目したいのが、バディ役の小池栄子の言葉です。
フジテレビの座談会で小池は、北香那との芝居について、事前に自分が想像していなかった芝居が返ってくることがあり、それに反応していくことが刺激的だったという趣旨で語っています。フジテレビ
これは俳優同士の芝居を見るうえで、とても興味深い証言だと思います。
黒木夏海と白石絵梨子の会話が面白いのは、単純な「しっかり者の先輩+ドジな後輩」になっていないからです。
夏海が普通ならこう返ってくると思った方向から、白石が少しズレる。
白石が理屈で前へ出たところを、夏海が感情の側から止める。
その小さなズレが積み重なることで、二人の間に独特のリズムが生まれています。
演技は一人だけで完成するものではありません。
相手役から飛んできたボールをどう受け、どの角度で返すか。
そのラリーを見ると、小池栄子と北香那のバディが回を追うごとに自然になっていく理由も分かる気がします。
制作側も北香那の「細かな表情」に注目していた
プロデューサーの狩野雄太も、フジテレビ公式で北香那について、これまで多彩な役を演じてきた演技力を評価したうえで、頭でっかちな白石の可愛らしさや面白さ、小池との掛け合い、細かな表情に注目してほしいとコメントしています。フジテレビ
ここまで制作側の説明を並べると、一つはっきりします。
白石の「ぎこちなさ」は、少なくとも制作意図から大きく外れたものではありません。
だからこそ、評価の軸は「ぎこちないかどうか」ではなく、そのぎこちなさの中で人物が変化しているかどうかに置くべきだと僕は思います。

考察|北香那のメガネと「うざい演技」は同じ方向を向いている
ここからは僕の考察です。
『さよならノワール』で北香那が面白いのは、メガネという外見の記号と、演技の中身が完全には一致していないことだと思っています。
メガネをかけた心理学者。
この情報だけ聞けば、普通なら「冷静」「知的」「人の心を見抜く」「頼れる専門家」という人物を想像するでしょう。
でも白石は違う。
心理学の知識はある。
資格もある。
頭の回転も速い。
なのに、目の前の人が「今は話したくない」と思っていることには気づけない。
このズレこそ白石です。
メガネが彼女を賢そうに見せれば見せるほど、その知識とコミュニケーション能力の落差が目立つ。
僕には、あのメガネが白石の“完成された専門家らしさ”ではなく、知識という鎧のように見える瞬間があります。
人の心は教科書通りには動かない。
白石はそれを、犯罪被害者支援の現場で一話ずつ身体に覚え込ませているのでしょう。
「嫌われない主人公」にしなかったことが、この役の強さ
最近のドラマでは、SNSで嫌われることを恐れて、主人公や主要キャラクターの欠点が早い段階で修正されることがあります。
でも白石は、かなり長く不器用です。
第3話の段階でも、レビューには「成長が見えない」「まだ理屈を早口で話している」といった厳しい評価がありました。
僕は、そこにむしろ意味があると思います。
現実の人間は、1回失敗したくらいで性格が変わらないからです。
距離感を間違える人は、次の日から突然コミュニケーションの達人にはならない。
また失敗する。
少し反省する。
同じようなところでつまずく。
それでも以前より一瞬だけ立ち止まれるようになる。
第7話の白石には、その積み重ねがありました。
人間の成長とは、欠点がなくなることではなく、欠点に気づくまでの時間が少しずつ短くなることなのかもしれない。
僕の胸に残ったのは、そこです。
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