『俺たちの箱根駅伝』に実在の大学は登場する?原監督との関係も調査

横長3:2、1200×800px想定のリアルなスポーツドラマ風イラスト。箱根駅伝を思わせる山道を走る架空の大学ランナーと、沿道で見守る監督、テレビ中継スタッフを描く。背景には大学キャンパスと箱根の山並みを柔らかく配置。ネイビーと白を基調に、実在する大学と架空の大学の関係を表現。中 国内ドラマ

ドラマ『俺たちの箱根駅伝』の明誠学院大学は架空校で、特定の実在大学がモデルだという公式発表は確認されていません。

一方、青山学院大学の原晋監督は本人役で出演し、東洋大学はロケ地、法政大学は競技用品の提供で制作に協力しています。

さらに、原監督には2008年の箱根駅伝で関東学連選抜を率いた経歴があり、山下智久さん演じる甲斐真人との共通点も注目されています。実在校と架空校の違い、原作者・池井戸潤さんの発言を整理します。

  1. 『俺たちの箱根駅伝』のモデル大学は実在?登場校と協力校の違い
    1. 青山学院大学・東洋大学・法政大学はどう関わる?
    2. 実在校の「劇中登場」と「モデル校」は何が違う?
    3. 明誠学院大学はどんな架空の大学?
    4. 明誠学院大学と明治学院大学は同じ?
    5. 学生連合にはどんな架空大学が登場する?
  2. 原晋監督は甲斐真人のモデル?2008年の関東学連選抜との共通点
    1. 原晋監督は本人役で箱根駅伝予選会の解説者を演じる
    2. 甲斐真人と原晋監督の経歴を比較
    3. 2008年の原晋監督は関東学連選抜で総合4位
    4. 池井戸潤は原監督をモデルにしたと認めている?
  3. 東洋大学と法政大学は『俺たちの箱根駅伝』の制作にどう協力した?
    1. 東洋大学の川越キャンパスがメインロケ地
    2. 法政大学はユニフォームやたすきを提供
    3. 東洋大学と法政大学の協力内容を比較
    4. 実在大学が協力してもモデル校とは限らない理由
  4. 池井戸潤はなぜ架空の大学を設定した?原作とドラマの背景
    1. 池井戸潤が実在大学を舞台にしなかった理由
    2. 関東学生連合は実在する制度!正式順位との違い
    3. 第2話の「3位以上」は原監督の2008年と関係する?
    4. 原作とドラマでは描く視点にも違いがある
    5. 制作協力とモデル関係を考えるうえで確認した資料
  5. 『俺たちの箱根駅伝』のモデル校を考察!実在大学との共通点をどう見る?
    1. モデル校を一校に絞れない理由
    2. 原監督の実績は甲斐真人の人物像を考える参考になる
    3. 実在の大学と架空の大学を分けることに意味がある
    4. 2026年10月17日は現実の予選会とドラマ第2話が重なる
  6. よくある質問
    1. 甲斐真人のモデルは原晋監督なの?
    2. 東洋大学は明誠学院大学のモデル校?
    3. 法政大学や青山学院大学の選手はドラマに出演する?
  7. まとめ|『俺たちの箱根駅伝』のモデル大学と実在校の関係
  8. 参考

『俺たちの箱根駅伝』のモデル大学は実在?登場校と協力校の違い

『俺たちの箱根駅伝』に登場する明誠学院大学は架空校です。青山学院大学、東洋大学、法政大学は実在しますが、作品への関わり方が異なります。

2026年10月14日時点で確認できるのは、原晋監督の本人出演、東洋大学の撮影協力、法政大学の競技用品提供です。いずれも、明誠学院大学のモデル校に指定されたという意味ではありません。

青山学院大学・東洋大学・法政大学はどう関わる?

最初に、検索で混同しやすい大学と作品との関係を一覧にしました。

大学名 実在・架空 関与の種類 確認できる根拠
青山学院大学 実在 人物出演 原晋監督が本人役で出演
東洋大学 実在 撮影協力 川越キャンパスがメインロケ地
法政大学 実在 用品提供 ユニフォーム・たすきなどを提供
明誠学院大学 架空 物語の中心校 日本テレビの作品設定
明治学院大学 実在 モデル関係は未確認 明誠学院大学とは別の大学

この表で重要なのは、人物出演・劇中登場・制作協力・モデル関係を別々に考えることです。

たとえば、原晋(はら・すすむ)監督が本人役で出演しても、それだけで青山学院大学の駅伝チームが劇中の出場校として描かれたとは判断できません。

東洋大学のキャンパスが画面に映る場合も、それは撮影場所としての登場です。劇中で東洋大学という校名が使われることとは異なります。

法政大学は実際の競技用品を提供していますが、選手本人の出演や特定場面での大学チームの描写まで、用品提供だけから確定することはできません。

なお、ここでの「未確認」は、登場していないという意味ではありません。確認した公式発表から、その事実を確定できないという意味です。

実在校の「劇中登場」と「モデル校」は何が違う?

実在する大学がドラマに関わる方法は、一つではありません。

特に、次の四つは区別して理解する必要があります。

関係の種類 意味 今回確認できる例
人物出演 実在人物が本人として登場 原晋監督
劇中登場 大学名や競技チームが物語に登場 実在校ごとの描写は個別確認が必要
制作協力 施設や用品などを提供 東洋大学・法政大学
モデル関係 実在の人物や大学を創作上の参考にする 明誠学院大学の特定モデル校は公式未発表

撮影協力は、実際に施設や用品を使うという具体的な関係です。

一方、モデル関係は、大学の歴史、成績、チーム運営、監督の経歴などが人物や組織の設定に反映されているかという問題になります。

両者は重なる場合もありますが、同じ意味ではありません。

僕は、この区別が作品を理解するうえで大切だと思います。現実の大学が映像づくりを支えていることと、ドラマが特定大学の実話を描いていることは別だからです。

明誠学院大学はどんな架空の大学?

明誠学院大学は、かつて箱根駅伝で連覇を果たした歴史を持つ古豪という設定です。

しかし、近年は成績が低迷し、2年連続で箱根駅伝本選への出場を逃しています。物語は3年ぶりの本選復帰を目指すところから始まります。

2026年10月10日に放送された第1話「改革か信念か」では、明誠学院大学が予選会に挑む姿が描かれました。

チームの中心となるのは、故障から復帰した4年生エースでキャプテンの青葉隼斗です。

青葉を演じるのは、小林虎之介(こばやし・とらのすけ)さん。チームは懸命に走りますが、本選出場までわずか10秒届かず、予選会敗退となります。

この10秒差はドラマ内の出来事であり、特定の実在大学の予選会結果を再現したものではありません。

ただし、箱根駅伝の予選会でわずかな時間差が進路を分けるという厳しさには、現実の大学駅伝にも通じるものがあります。

僕が興味深く感じるのは、明誠学院大学が単に弱い大学として設定されていないことです。

過去に勝ってきた歴史があるからこそ、指導方針を変えることにも難しさが生まれます。伝統への誇りと、現状を変えなければならない焦りが、物語の背景になっています。

明誠学院大学と明治学院大学は同じ?

明誠学院大学と明治学院大学は別の学校です。

明治学院大学は東京都と神奈川県にキャンパスを持つ実在の私立大学で、陸上競技部も活動しています。

2026年10月7日には、第103回箱根駅伝予選会へ向けたエントリー選手16人が発表されました。

一方、明誠学院大学は、池井戸潤さんの原作小説とドラマに登場する架空校です。

名称は似ていますが、明治学院大学がモデルとして採用されたという公式発表は確認できません。

大学名の響きだけを根拠に、両者を同一視することは避けたいところです。

学生連合にはどんな架空大学が登場する?

日本テレビが公開した第2話「学生連合チーム始動」のあらすじには、明誠学院大学以外の大学も登場します。

ドラマの公式情報で選手の所属先として確認できる主な架空校を整理しました。

架空大学名 所属選手
品川工業大学 諫山天馬
武蔵野農業大学 猪又丈
山王大学 倉科弾
清和国際大学 松木浩太
目黒教育大学 富岡周人

これらは、ドラマの公式あらすじに登場する学生連合関連校です。実在大学の一覧ではありません。

原作小説にも、東西大学、東洋商科大学、東邦経済大学、関東文化大学など、複数の架空大学名が登場します。

ただし、原作に名前があることと、ドラマ本編で登場が確認されたことは分けて考える必要があります。

特に、実在する東洋大学と、架空の東洋商科大学は別の学校です。

名称が似ていても、その大学が実在するのか、どの媒体で確認できるのかを整理すると混乱しにくくなります。

※画像はAIによるイメージ

原晋監督は甲斐真人のモデル?2008年の関東学連選抜との共通点

甲斐真人が原晋監督をモデルにした人物だという公式発表はありません。しかし、企業勤務経験と学生連合を率いる立場には、具体的な共通点があります。

特に注目したいのが、原監督が2008年の第84回箱根駅伝で関東学連選抜の監督を務めた経歴です。

企業で働いた経験だけを比較するよりも、実際に異なる大学の選手をまとめた指導経験を重ねることで、両者の関係をより正確に考えられます。

原晋監督は本人役で箱根駅伝予選会の解説者を演じる

日本テレビは2026年8月27日、青山学院大学陸上競技部の原晋監督が本人役で出演すると発表しました。

原監督の役割は、箱根駅伝予選会の解説者です。

撮影は2026年7月に行われ、原監督はスーツ姿で屋外のロケに参加しています。

日本テレビの出演発表では、原監督がドラマの競技描写や現場の再現度を高く評価したことも紹介されました。

原監督は作品を「ほんまもの」と表現し、選手の走りや審判の様子、関東学生陸上競技連盟の関係者が撮影に参加していることなどに触れています。

また、箱根駅伝に関わる人々のつながりを重視し、作品に作戦名を付けるなら「絆大作戦」とする考えも語りました。

箱根駅伝は、選手と監督だけで成立する大会ではありません。

大会運営、審判、テレビ中継、取材など、多くの関係者がそれぞれの仕事を担っています。

原監督のコメントには、そうした大会全体への視点が表れています。

ただし、ドラマの再現度を評価した発言は、甲斐真人のモデルであると認めたものではありません。

甲斐真人と原晋監督の経歴を比較

甲斐真人は、山下智久(やました・ともひさ)さんが演じる架空の指導者です。

明誠学院大学の卒業生で、学生時代には箱根駅伝の2区を走った伝説的なランナーという設定になっています。

卒業後は企業で働いていましたが、低迷する母校の再建を任され、監督として戻ってきます。

一方、原監督は中京大学を卒業後、中国電力で競技を続け、その後は企業での営業経験などを経て、2004年に青山学院大学の監督へ就任しました。

両者を比較すると、共通点だけでなく重要な相違点も見えてきます。

比較項目 甲斐真人 原晋監督
人物 架空 実在
ドラマでの立場 明誠学院大学の新監督 予選会解説者として本人出演
出身大学 明誠学院大学 中京大学
箱根駅伝の選手経験 2区を走った設定 出場経験なし
企業勤務 あり 中国電力に勤務
大学監督の経験 未経験で就任 2004年に青学監督就任
学生連合の指導 ドラマで監督を担当 2008年に関東学連選抜を指導
モデル関係 公式発表なし 特定モデルとの明言なし

最も大きな経歴の違いは、箱根駅伝の選手としての経験です。

甲斐は箱根駅伝の2区を走った元選手ですが、原監督自身に箱根駅伝への出場経験はありません。

さらに、甲斐は明誠学院大学の卒業生として母校の監督になりますが、原監督は中京大学出身で、青山学院大学のチームづくりを担っています。

この違いから、甲斐真人を原晋監督そのままの再現人物と捉えることはできません。

ただし、原監督の指導歴には、甲斐の設定と非常に近い部分もあります。

それが2008年の関東学連選抜です。

2008年の原晋監督は関東学連選抜で総合4位

2008年1月の第84回箱根駅伝で、原晋監督は関東学連選抜の指揮を執りました。

関東学連選抜は、予選会で本選出場を逃した大学などの選手で構成されるチームです。

この年、原監督が率いたチームは総合4位という好成績を残しています。

しかも、第84回大会当時の関東学連選抜は、現在の関東学生連合とは順位の扱いが異なりました。

2007年の第83回大会から2013年の第89回大会まで、関東学連選抜には正式順位が付いていました。

そのため、2008年の4位は単なる参考順位ではなく、当時の大会規定に基づく正式な順位です。

2015年の第91回大会からは関東学生連合チームという名称になり、オープン参加として参考記録扱いになっています。

名称だけでなく、制度上の立場も変化しているのです。

ここを比較すると、原監督と甲斐真人の共通点が、さらに具体的になります。

比較項目 2008年の関東学連選抜 ドラマの学生連合
指導者 原晋監督 甲斐真人
チーム構成 異なる大学の選手による選抜 異なる大学から集まる16人
大会での扱い 正式順位あり オープン参加の制度を背景に描写
目標・結果 総合4位 3位以上を目標に掲げる
時点 2008年の実際の大会 2026年ドラマ内の設定

この比較には、一つ興味深い点があります。

原監督は実際に4位という結果を出したのに対し、甲斐はドラマの第2話で3位以上という目標を掲げます。

目標と実績は別のものなので、数字が近いことだけを理由に、甲斐の設定が2008年の原監督を再現したとはいえません。

それでも、異なる大学から集まった選手たちに共通の方向性を示すという課題は、両者に共通しています。

僕は、企業勤務経験という経歴の一致よりも、こちらの方がドラマの指導者像を考えるうえで重要だと感じます。

自分の大学で長く指導してきた選手たちと、初めて一緒に活動する選手たちでは、信頼関係のつくり方が変わるからです。

※画像はAIによるイメージ

池井戸潤は原監督をモデルにしたと認めている?

2026年10月8日に公開されたRUNNING styleのインタビューでは、原作者の池井戸潤さんが甲斐真人の設定について説明しています。

インタビュアーは、企業勤務経験を持つ人物を監督にしたことに特別な意図があったのかと質問しました。

これに対する池井戸さんの答えは、「とくに意図はありません」というものでした。

そのうえで、原晋監督のように企業で働いた経験を持つ指導者が、陸上競技とは異なる分野の知識や発想をチームづくりに活かせる可能性について語っています。

池井戸さんが注目したのは、企業経験そのものだけではありません。

異なる考えを持つ人々をまとめる方法、目標の立て方、選手の意欲を高める工夫など、組織運営の視点です。

この発言から分かるのは、甲斐真人の企業勤務経験について、池井戸さんが原監督の経歴を意図的に写したと説明していないことです。

一方、原監督のような人物を、組織づくりを考える際の実例として評価していることも読み取れます。

ここは慎重に区別したいところです。

「共通点がある」という事実と、「特定人物をモデルにした」という制作上の判断は、同じではありません。

僕は、甲斐真人が原監督の実績をなぞる人物なのかを探すよりも、企業経験を持つ指導者が何を変えられるのかに注目する方が、池井戸さんの説明に近い読み方だと考えます。

東洋大学と法政大学は『俺たちの箱根駅伝』の制作にどう協力した?

東洋大学は川越キャンパスを撮影場所として提供し、法政大学は実際の陸上競技用品を提供しています。

両大学とも2026年10月に公式発表を行っており、制作協力の内容を具体的に確認できます。

その一方で、大学の施設や競技用品の提供から、明誠学院大学のモデル校だと判断することはできません。

東洋大学の川越キャンパスがメインロケ地

東洋大学は2026年10月2日、川越キャンパスが『俺たちの箱根駅伝』のメインロケ地として使用されたことを公表しました。

撮影期間は2026年1月から3月です。

川越キャンパスでは、陸上競技場だけでなく、複数の施設が撮影に使われています。

撮影施設 公式発表で確認できる内容
陸上競技場 撮影に使用
体育館 撮影に使用
1号館・2号館 撮影に使用
5号館・7号館 撮影に使用
学生ホール 撮影に使用

東洋大学の発表によると、これらの施設で選手の練習風景やミーティング場面などが撮影されました。

撮影には、山下智久さんのほか、寺尾聰(てらお・あきら)さん、駿河太郎(するが・たろう)さん、金田明夫(かねだ・あきお)さんらが参加しています。

東洋大学の競技施設だけでなく、校舎や学生ホールまで使われたことが特徴です。

僕は、この撮影場所の広さに注目しています。

大学駅伝の物語では、レースや練習の場面だけでなく、選手たちが普段どのような環境で生活し、話し合っているかも重要になります。

実際の大学キャンパスを使うことで、競技場と学生生活の場面に自然なつながりを生み出せると考えられます。

ただし、どの施設が第1話のどのカットに使われたかまで、今回確認した大学公式発表だけで特定できるわけではありません。

確認できるのは、東洋大学川越キャンパスがメインロケ地であることと、複数の施設で撮影が行われたことです。

明誠学院大学の連覇歴や監督交代の設定まで東洋大学を参考にしたという根拠は、別途必要になります。

法政大学はユニフォームやたすきを提供

法政大学は2026年10月5日、陸上競技部がドラマの制作に協力したと発表しました。

提供されたのは、現実の競技活動で使用する用品です。

主な提供品は次のとおりです。

  • 選手が実際に着用するユニフォーム
  • ベンチコートなどのウェア類
  • たすき
  • 応援用ののぼり旗

大学の発表には、提供したユニフォームなどがドラマでどのように登場するか注目してほしいという案内もあります。

これは、作品に実際の競技用品が使われることを示す情報です。

ただし、具体的な登場話数や場面、実在する法政大学の選手が出演するかどうかまでは、この発表だけでは確定できません。

箱根駅伝では、ユニフォームの色やデザインが大学ごとの特徴を伝えます。

また、たすきはチームの象徴であり、競技用品としてだけでなく、駅伝の文化を表す重要な存在でもあります。

本物の用品を使えば、大学ごとの違いや競技会場の雰囲気を表現しやすくなるでしょう。

僕は、こうした協力が作品の現実味を支える一方で、大学の名前や歴史を架空の設定へ直接結びつけない点に意味があると考えます。

実在大学のユニフォームが登場することと、その大学で架空の出来事が実際に起きたことは別なのです。

東洋大学と法政大学の協力内容を比較

大学側の発表を同じ基準で並べると、それぞれが作品の異なる部分を支えていることが分かります。

比較項目 東洋大学 法政大学
公式発表日 2026年10月2日 2026年10月5日
主な協力 撮影場所 競技用品
確認された対象 川越キャンパス 陸上競技部の用品
具体例 競技場・校舎・学生ホール ユニフォーム・たすき・応援旗
制作上の役割として考えられること 大学生活や練習環境の再現 競技や応援の雰囲気の再現
明誠学院大学のモデル関係 公式発表なし 公式発表なし

東洋大学は主に物語の舞台となる空間を支え、法政大学は競技の細部を支える形です。

この違いは、大学駅伝ドラマが映像で説得力を持つために必要な要素を考える手がかりになります。

なお、表の「制作上の役割として考えられること」は筆者の分析であり、大学側が発表した制作意図ではありません。

※画像はAIによるイメージ

実在大学が協力してもモデル校とは限らない理由

ドラマの制作には、現実に近い施設や用品が必要です。

しかし、架空の大学の歴史や監督、選手同士の対立まで、実在校をそのまま参考にする必要はありません。

むしろ、実際の競技環境を使いながら人物や大学名を架空にすることで、現実味と創作の自由を両立しやすくなります。

例えば、明誠学院大学は、過去に箱根駅伝で連覇した古豪が低迷している設定です。

仮に実在する大学の名前をそのまま使えば、視聴者が作中の成績や監督交代を、その大学の現実の出来事と受け取る可能性もあります。

一方、架空校であれば、監督の交代や選手の葛藤を独自の物語として描けます。

東洋大学や法政大学の協力は、そのフィクションに大学駅伝らしい空気を与えていると考えられます。

ここに、特定のモデル校を設定することとは別の役割があるのです。

池井戸潤はなぜ架空の大学を設定した?原作とドラマの背景

池井戸潤さんが架空の大学を設定した背景には、実際に箱根駅伝を目指す学生たちへの配慮があります。

そのうえで、関東学生連合という現実の制度を物語の中心に取り入れることで、実在する大学の歴史に依存しない作品を成立させました。

この選択は、明誠学院大学のモデルを考えるうえで最も重要な原作者側の説明です。

池井戸潤が実在大学を舞台にしなかった理由

池井戸潤さんは、『俺たちの箱根駅伝』の構想から完成まで十年以上の時間をかけました。

2024年5月の文藝春秋によるインタビューや、2026年10月8日のRUNNING styleのインタビューでは、作品を形にするまでの経緯を語っています。

その中で課題となったのが、実際に箱根駅伝へ挑戦している大学の扱いでした。

現実の大学には、日々練習を重ねている学生や監督、チームを支える関係者がいます。

そうした大学をそのまま舞台にして、監督と選手の対立やチームの失敗を自由に描けば、現実の関係者への評価と混同されかねません。

池井戸さんは、実在大学への配慮が必要であることを説明しています。

そこで物語の入口となったのが、学生連合という仕組みでした。

学生連合は、毎年異なる大学の選手で構成されるチームです。

特定の大学の歴史や伝統をそのまま背負う組織とは異なり、新しく集まった選手たちの関係を描くことができます。

僕は、この着想が作品の自由度を大きく広げたと考えます。

明誠学院大学に伝統ある古豪という設定を与えながら、物語の中心を異なる大学の選手たちによる学生連合へ移せるからです。

実在大学を直接描かなくても、箱根駅伝を目指す学生たちの努力や難しさを表現できる仕組みになっています。

関東学生連合は実在する制度!正式順位との違い

関東学生連合は、箱根駅伝に実際に存在する制度です。

所属大学が予選会で本選出場を逃した場合でも、条件を満たした選手が学生連合のメンバーとして箱根駅伝に出場できる可能性があります。

ただし、関東学連選抜と関東学生連合では、時期によって順位の扱いが異なります。

時期・大会 名称 順位の扱い
2007年・第83回〜2013年・第89回 関東学連選抜 正式順位あり
2015年・第91回以降 関東学生連合 オープン参加
2026年・第102回 関東学生連合 参考記録扱い
2027年・第103回 関東学生連合 オープン参加の制度を前提とする大会

大会ごとに参加資格や選考条件などを確認する必要がありますが、現在の制度では通常の出場大学と同じ正式順位を争う扱いではありません。

ここが原監督の2008年の経験と、ドラマで描かれる学生連合を比較する際の重要な違いです。

原監督が総合4位になった当時は、関東学連選抜にも正式順位が付いていました。

一方、甲斐真人が率いる学生連合は、好成績を残しても正式な総合順位に反映されない制度を背景に描かれています。

なお、2026年10月14日時点では、第103回箱根駅伝予選会は10月17日に開催予定です。本選の結果はまだ確定していません。

この制度上の違いを知ると、ドラマで甲斐が掲げる目標の意味も変わって見えます。

正式順位が付かないチームにとって、好記録を目指す理由は何なのか。

その問いが、学生連合の物語を支える一つの柱になっているのです。

第2話の「3位以上」は原監督の2008年と関係する?

ここからは、2026年10月17日放送予定の第2話「学生連合チーム始動」について、公開済みの公式あらすじに触れます。

原作の結末や、第2話で実際に起きる未公開の展開は扱いません。

日本テレビのあらすじによると、甲斐真人は学生連合の16人に向けて、箱根駅伝で3位以上を目指すと宣言します。

学生連合はオープン参加のため、選手やコーチからは目標への疑問も生まれます。

しかし、甲斐は正式順位が付かないからといって、低い目標を設定するわけではありません。

この構図は、2008年に原晋監督が関東学連選抜を率いて総合4位を記録した事実と比較すると興味深いものがあります。

両者に共通するのは、異なる大学の選手たちに高い目標を示すことです。

一方、正式順位の有無という制度上の条件は異なります。

2008年の原監督が4位だったから、甲斐の目標を3位以上に設定したという公式な説明は確認できません。

数字の近さだけで、原作者の意図やモデル関係を断定することはできないのです。

ただ、僕はこの比較から、結果だけでは測れない学生連合の価値を考えさせられます。

正式順位に残るかどうかとは別に、選手たちが何を目指し、どんな気持ちでたすきをつなぐのか。

その意味を考えるうえで、現実の制度とドラマを比較することには価値があると思います。

※画像はAIによるイメージ

原作とドラマでは描く視点にも違いがある

『俺たちの箱根駅伝』は、池井戸潤さんの同名小説を原作とするテレビドラマです。

原作の上下巻は2024年4月24日に刊行され、2026年9月には文庫版も発売されました。

物語には、明誠学院大学と学生連合のランナーたちの挑戦に加え、箱根駅伝のテレビ中継を支える人々の仕事も描かれています。

ドラマでは、テレビ局側の物語にも大きな比重が置かれました。

作品内に登場する大日テレビは架空の放送局です。

大泉洋(おおいずみ・よう)さんが演じるチーフプロデューサーの徳重亮、伊藤沙莉(いとう・さいり)さんが演じるセンターディレクターの宮本菜月も架空の人物です。

ただし、テレビ中継の仕事そのものには現実の歴史が反映されています。

日本テレビによる箱根駅伝の全区間生中継が始まったのは、1987年の第63回大会です。

池井戸さんは、初代プロデューサーの坂田信久さんや初代ディレクターの田中晃さんらに取材し、箱根駅伝中継の仕組みや苦労を調べています。

2026年10月9日のRUNNING styleのインタビュー後編でも、箱根駅伝の中継を支える技術やスタッフの工夫について語られました。

実在するテレビ局の仕事を取材しながら、物語には架空の大日テレビを設定しています。

この関係は、大学の扱いとよく似ています。

現実の箱根駅伝やテレビ中継を参考にしながら、登場人物や組織の葛藤は創作として描いているのです。

僕は、特定の実在人物を再現するよりも、現実の仕事や競技にある課題を架空の人物に託すことが、この作品の特徴だと考えます。

制作協力とモデル関係を考えるうえで確認した資料

この記事で扱った主な情報は、日本テレビの番組発表、大学側の公表資料、原作者のインタビューをもとに整理しています。

2026年10月14日時点で、主な確認資料は次のとおりです。

発表主体・媒体 公表日 資料名・確認内容
日本テレビ 2026年8月27日 「青山学院大学・原晋監督が本人役で出演決定!」原監督の出演とコメント
東洋大学 2026年10月2日 「東洋大学川越キャンパスが日本テレビドラマ『俺たちの箱根駅伝』のメインロケ地に」撮影場所と期間
法政大学 2026年10月5日 「日本テレビ土曜ドラマ『俺たちの箱根駅伝』の制作に本学陸上競技部が協力しました」提供用品
RUNNING style 2026年10月8日 「『俺たちの箱根駅伝』は上巻で終わりだった!?/池井戸潤さんインタビュー前編」架空大学と監督設定
RUNNING style 2026年10月9日 池井戸潤さんインタビュー後編・テレビ中継の取材背景
日本テレビ 2026年10月10日 第1話「改革か信念か」公式ストーリー
日本テレビ 2026年10月17日放送予定 第2話「学生連合チーム始動」公式ストーリー

原監督の2008年の関東学連選抜指導歴については、RUNNING styleの2026年10月8日公開インタビューにある編集部の補足説明でも確認できます。

なお、第2話に関する記述は放送結果ではなく、事前に公開されたあらすじに基づいています。

未放送の内容を、すでに本編で確認した事実として扱わないよう区別しています。

『俺たちの箱根駅伝』のモデル校を考察!実在大学との共通点をどう見る?

『俺たちの箱根駅伝』は、特定大学の実話を再現する作品というより、実在する競技制度と大学の協力を背景に、架空の人物たちの挑戦を描く作品だと考えられます。

原晋監督の本人出演、東洋大学と法政大学の制作協力、池井戸潤さんによる実在大学への配慮を並べると、その特徴が見えてきます。

僕が特に注目したいのは、現実の要素が作品の説得力を支えながらも、登場人物の選択そのものを制限していないことです。

モデル校を一校に絞れない理由

明誠学院大学は、箱根駅伝で連覇を経験した古豪という設定です。

しかし、その歴史や近年の低迷、監督交代の経緯が、特定の実在大学と一対一で対応しているという公式説明は確認できません。

また、東洋大学のキャンパスが使われているからといって、大学の歴史まで東洋大学を参考にしたことにはなりません。

同様に、青山学院大学の原監督が出演することも、明誠学院大学が青山学院大学をモデルにしている証拠ではありません。

一つの作品に複数の実在大学が関わっている場合、制作上の協力と物語上の設定を分けて考える必要があります。

そもそも、フィクションの大学が必ず一校の実在大学をモデルにしているとは限りません。

複数の事例から着想を得たり、現実の競技制度を参考にしながら独自の大学を作り上げたりすることも考えられます。

ただし、明誠学院大学が複数校を組み合わせた設定だという制作側の明言も、現時点では確認できません。

そのため、特定校を断定することも、複数校をモデルにしたと決めつけることも避けるのが適切です。

原監督の実績は甲斐真人の人物像を考える参考になる

原晋監督と甲斐真人の比較で重要なのは、似ている部分と異なる部分の両方を見ることです。

企業勤務経験だけを取り上げると、甲斐が原監督の経歴をそのまま参考にしたように見えるかもしれません。

しかし、甲斐には箱根駅伝2区の選手経験があり、原監督にはその経験がありません。

その一方で、原監督には2008年に関東学連選抜を総合4位へ導いた実績があります。

この指導経験は、甲斐が学生連合を率いるというドラマの設定と、単なる職歴以上の接点を持っています。

だからこそ、両者を比較すること自体には意味があります。

ただし、原監督の実績を知っていることと、池井戸さんがその実績を甲斐の設定に直接採用したことは別問題です。

池井戸さん自身が企業経験のある監督設定について特別な意図はなかったと説明している以上、その発言を無視してモデル説を断定することはできません。

僕は、原監督を「甲斐真人の正体」として扱うより、「甲斐の指導方法を考えるときの実在する比較対象」として見る方が自然だと考えます。

現実の指導者の実績と、創作された人物の選択を比べることで、ドラマの描き方もより深く理解できるからです。

実在の大学と架空の大学を分けることに意味がある

もう一つ大切なのは、池井戸さんが実在大学への配慮を語っていることです。

現実の大学駅伝には、実際に努力している学生たちがいます。

ドラマの中で監督と選手が対立したり、チームの方針をめぐって問題が生まれたりしても、それを特定の大学で起きた出来事として受け取る必要はありません。

一方、実際の競技場やユニフォームが使われることで、映像には大学駅伝らしい現実味が生まれます。

僕は、ここにこの作品の面白いバランスがあると思います。

競技や施設は現実に近づけ、人物や組織の物語には創作の自由を残す。

その二つを分けることで、現実の大学に対する敬意を保ちながら、フィクションならではの葛藤も描けるのではないでしょうか。

2026年10月17日は現実の予選会とドラマ第2話が重なる

2026年10月17日には、第103回箱根駅伝予選会が東京都立川市で開催される予定です。

スタート予定時刻は午前8時30分。法政大学も公式発表で同予選会への出場予定を案内しています。

そして、その日の午後9時にはドラマ第2話「学生連合チーム始動」が放送予定です。

現実の予選会では、実在する大学の選手たちが本選出場を目指します。

一方、ドラマでは、予選会で敗れた明誠学院大学の青葉隼斗が、学生連合の一員として新たな挑戦を始めます。

もちろん、ドラマ内の予選会と現実の第103回予選会は別の出来事です。

それでも、現実の予選会で大学ごとの競争を見たあと、ドラマで学生連合という別の立場から箱根駅伝を目指す選手たちを見ると、制度への理解も深まりそうです。

現実の箱根駅伝を知ることでドラマの設定が分かり、ドラマを通じて現実の大学駅伝に関心が広がる。

僕は、そうした行き来ができるところにも、この作品の魅力があると感じます。

※画像はAIによるイメージ

よくある質問

甲斐真人のモデルは原晋監督なの?

甲斐真人のモデルが原晋監督であるという公式発表は確認できません。

企業勤務経験や学生連合を率いる立場には共通点がありますが、箱根駅伝の選手経験や大学との関係は異なります。

池井戸潤さんも、企業経験を持つ監督設定に特別な意図はなかったと説明しています。

東洋大学は明誠学院大学のモデル校?

東洋大学が明誠学院大学のモデル校だという公式発表は確認できません。

2026年10月2日に大学側が発表したのは、川越キャンパスがメインロケ地として使われたことです。

撮影場所の提供と、大学の歴史や人物設定のモデル関係は別です。

法政大学や青山学院大学の選手はドラマに出演する?

法政大学について公式に確認できるのは、ユニフォームやたすきなどの用品提供です。

青山学院大学については、原晋監督の本人出演が発表されています。

両大学の現役選手が劇中でどのように出演・登場するかについては、今回確認した発表だけでは確定できません。

まとめ|『俺たちの箱根駅伝』のモデル大学と実在校の関係

『俺たちの箱根駅伝』の明誠学院大学は架空校であり、特定の実在大学をモデルにしたという公式発表は確認できません。

青山学院大学の原晋監督は本人役で出演し、東洋大学は川越キャンパスをロケ地として提供、法政大学はユニフォームやたすきなどの用品を提供しています。

甲斐真人と原監督には、企業勤務経験に加え、異なる大学から集まった選手たちを率いるという共通点があります。特に原監督が2008年の関東学連選抜で総合4位を残した実績は、比較する価値のある事実です。

ただし、共通点があることと、公式にモデルだと認められていることは別です。

池井戸潤さんは実在大学への配慮を踏まえ、架空の大学と学生連合という設定を通して、箱根駅伝に挑む人々の物語を描いています。

僕がこの作品で興味深く感じるのは、実在大学の施設や競技の仕組みが物語を支えながら、架空の選手たちには独自の選択が用意されていることです。

現実の指導者や大学と比較しつつも、甲斐真人がどのように自分自身のチームを築いていくのか。その変化を見守ることで、作品ならではの魅力がより伝わってくると思います。

参考

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