『ひとりでしにたい』は完結しておらず、2026年8月13日時点で単行本12巻まで発売され、コミックDAYSでは第159話まで掲載されています。物語の核は、伯母の孤独死に衝撃を受けた山口鳴海が、婚活から終活へ進路を変え、「よりよく死ぬために、どう生きるか」を探していくことです。 モーニング公式サイト+1
この記事では、漫画『ひとりでしにたい』1巻から9巻までの詳しいネタバレを軸に、最新12巻・漫画最新話・NHKドラマ最終回までまとめて解説します。
9巻までの結論を先に言えば、鳴海がたどり着いたのは「ひとりで死ねる完璧な方法」ではありません。
仕事、病気、介護、家族、恋愛、保険、法律、社会保障といった問題は、すべてを一度に解決できるものではなく、押しつぶされないように付き合いながら生きるしかないという現実です。講談社による9巻の公式紹介でも、こうした問題は「解決して終わるもの」ではなく、向き合い続けるものとして位置づけられています。 モーニング公式サイト
夜更けにページを閉じたあと、僕の胸に残ったのは死への恐怖ではありませんでした。
「よりよく死ぬためには、今日をどう生きるべきなのか」という、静かで切実な問いでした。
この記事で分かることは次の通りです。
- 1巻から9巻までの物語の流れ
- 主人公・山口鳴海が終活を始めた理由
- 伯母・光子の孤独死と「黒いシミ」の意味
- 那須田優弥との関係や恋愛の行方
- 親の老い、介護、看取りを巡る家族問題
- 9巻で描かれる鳴海の変化と今後の見通し
- 10巻以降、最新12巻までに何が描かれているのか
- 「ひとりでしにたい」漫画の最新話は何話なのか
- 漫画は完結したのか、最終回はいつなのか
- 綾瀬はるか主演のNHKドラマ版との違い
- NHKドラマ『ひとりでしにたい』最終回の内容
なお、1巻から9巻については物語の重要な展開までネタバレありで解説します。
10巻以降については、公式に確認できる最新状況と主要テーマを中心に整理しています。未読の方はご注意ください。
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- ひとりでしにたい漫画ネタバレ|最新12巻・159話、最終回の現在地は?
- ひとりでしにたい漫画ネタバレ|9巻までの結論は?
- 1巻から9巻までのあらすじをネタバレ解説
- 9巻以降はどうなる?10巻から12巻の流れ
- 9巻の転機|鳴海が孤独死への恐怖と向き合う
- 那須田との関係はどうなる?恋愛と結婚のネタバレ
- 親世代と同僚の老い・介護・看取りが示す現実
- 9巻のクライマックスと鳴海が選んだ生き方
- ドラマ『ひとりでしにたい』の最終回はどうなる?ネタバレ解説
- NHKドラマ版と原作漫画の違いは?
- 岸本湊人の考察|この漫画が描く本当の「孤独」とは
- 「自分勝手。」「恋がヘタでも生きてます」「わたし今日からおひとりさま」と同じ作品?
- まとめ|ひとりでしにたい漫画は12巻・159話まで続いている
- よくある質問
ひとりでしにたい漫画ネタバレ|最新12巻・159話、最終回の現在地は?
結論から言うと、漫画『ひとりでしにたい』は2026年8月13日時点で完結していません。最新単行本は12巻、コミックDAYS掲載の最新話は第159話「突撃インタビュー」です。 モーニング公式サイト+1
検索で「ひとりで しにたい 漫画 最新 話」「ひとりでしにたい 最終回」と調べている方が最初に知っておきたい現在地を整理すると、次のようになります。
項目 2026年8月13日時点
最新単行本 12巻
12巻発売日 2026年6月23日
最新掲載話 第159話「突撃インタビュー」
第159話掲載日 2026年8月2日
第159話無料公開予定 2026年8月16日
漫画の完結 未完結・連載継続中
主な掲載媒体 コミックDAYS
更新ペース 隔週日曜日
NHKドラマ 全6回で放送終了
講談社の公式ページでは、連載が「コミックDAYS」に移ったあとも隔週日曜日に更新されていることが案内されています。 モーニング公式サイト+1
つまり、「9巻が最終巻」「漫画9巻で完結」という情報は現在では正しくありません。
9巻は2024年12月23日に発売されましたが、その後10巻、11巻、12巻と続いています。10巻は2025年5月22日、11巻は2025年12月23日、12巻は2026年6月23日に発売されています。 モーニング公式サイト+3モーニング公式サイト+3モーニング公式サイト+3
最新12巻では何が描かれる?
12巻では、元カレとその妻を巡る問題がひとまず落ち着いたあと、鳴海の弟夫婦に2人目の子どもができたことで「相続」という新しい問題が浮上します。 モーニング公式サイト
家族が増えることは、本来なら喜ばしい出来事です。
ところが終活という視点から見ると、子どもや孫が増えることは、財産を誰にどう残すのか、何を「平等」「公平」と考えるのかという難問にもつながります。
12巻公式紹介が「暴力となり得る相続の現実」と表現している点は、本作らしいところです。 モーニング公式サイト
お金そのものより怖いのは、「自分は同じように扱われなかった」「あの人だけ多くもらった」という感情が、長年続いてきた家族関係まで変えてしまうことなのでしょう。
僕はここに、『ひとりでしにたい』という作品の成長を感じます。
最初は「自分が孤独死しない方法」を探していた鳴海が、巻数を重ねるにつれて、子どもを持つかどうか、家族をどう支えるか、何を誰に残すのかまで考えるようになりました。
終活が「死後の準備」から「人とどう生きるかを整理する作業」へ広がっているのです。
漫画最新話は第159話「突撃インタビュー」
コミックDAYSでは、2026年8月2日付で第159話「突撃インタビュー」が掲載されています。2026年8月13日時点ではポイントで閲覧でき、無料公開予定日は8月16日です。 コミックDAYS
その直前の第158話は「『被害者側』と『加害者側』」と題されています。 コミックDAYS
タイトルだけから具体的な展開を断定することはできませんが、初期の孤独死や婚活だけにとどまらず、本作がさらに多様な社会問題、人間関係の立場の違いへ踏み込んでいることが分かります。
最新話を追いたい場合、「ひとりでしにたい 漫画 最新話」という検索では、単行本の巻数とコミックDAYSの話数を混同しないことが大切です。
単行本の最新刊は12巻、連載の最新掲載は159話。
この2つを分けて覚えておくと迷いません。
ひとりでしにたい漫画ネタバレ|9巻までの結論は?
漫画『ひとりでしにたい』9巻までの大きな結論は、ひとりで生きることと、孤立して生きることは同じではないという点にあります。
主人公の山口鳴海は35歳の独身女性で、美術館の学芸員として働いています。講談社の公式作品紹介でも、鳴海は「35歳、独身、美術館の学芸員」と紹介されています。 モーニング公式サイト
独身生活を楽しみ、仕事も住まいも自分の手で築いてきた鳴海でしたが、憧れていた伯母の孤独死をきっかけに人生設計が大きく揺らぎます。
伯母は大手企業の第一線で働いたキャリアウーマンでした。
鳴海は、退職後も自由で豊かな老後を送っていると思っていましたが、実際には社会とのつながりを失い、誰にも看取られないまま亡くなっていたのです。
発見も遅れ、部屋に遺された現実は、鳴海が思い描いていた「自立した独身女性の老後」とは大きく異なっていました。文化庁メディア芸術祭の作品紹介でも、伯母の孤独死と発見の遅れが鳴海を婚活、そして終活へ向かわせる出発点として説明されています。 文化庁メディア芸術祭 – JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
そこで鳴海は、最初に「結婚すれば孤独死を避けられるのではないか」と考え、婚活を始めます。
しかし、年下の同僚・那須田優弥から、結婚を老後の安全装置として考える発想そのものを指摘され、方針を転換します。
鳴海が目指し始めたのは、誰かに人生を保証してもらう婚活ではなく、ひとりでも生き切れる準備をする終活でした。
公式の作品紹介でも、本作は伯母の孤独死をきっかけに婚活を始めた鳴海が、やがて終活へ方向転換し、「よりよく死ぬには、よりよく生きる」ことを見いだしていく物語と説明されています。 文化庁メディア芸術祭 – JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL+1
『ひとりでしにたい』は暗い漫画ではない
タイトルだけを見ると、重く暗い物語を想像するかもしれません。
しかし実際の『ひとりでしにたい』は、終活、孤独死、介護、老後資金といった深刻な問題を、カレー沢薫さんならではの鋭いギャグと独特の比喩で描く社会派コメディです。
文化庁メディア芸術祭でも、「将来への不安」「死への恐怖」に正面から切り込みながら、実用性の高い情報を笑いとともに提供する社会派ギャグマンガとして紹介されました。 文化庁メディア芸術祭 – JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
死を扱っていても、物語の視線は常に「どう生きるか」に向けられています。
鳴海は完璧な人間ではありません。
焦って婚活を始め、他人の言葉に傷つき、家族に腹を立て、那須田との距離感にも迷います。
それでも立ち止まらず、分からないことを調べ、自分の生活に引き寄せて考え続けます。
僕は、この不器用さこそが鳴海の強さだと感じました。
終活はゴールまで一直線に進む道路ではなく、何度も道を間違えながら、そのたびにステアリングを切り直す運転に似ています。
第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞
『ひとりでしにたい』は、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞しています。 文化庁メディア芸術祭 – JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL+1
受賞時の作品紹介では、孤独死、結婚、老後、世間の評価や常識といった問題に切り込みながら、実用性の高い情報を笑いとともに提供する社会派ギャグ漫画と評価されました。
単なる終活ハウツーでも、独身礼賛の物語でもありません。
「結婚していれば安心」「子どもがいれば老後は安泰」「家族なら助け合って当然」といった、社会に残る思い込みを一つずつ疑っていく作品なのです。
1巻から9巻までのあらすじをネタバレ解説
『ひとりでしにたい』は、巻を追うごとに扱う問題が広がっていきます。
序盤では伯母の孤独死と鳴海自身の老後が中心ですが、やがて親の介護、家族関係、恋愛、モラハラ、病気、保険、法律、社会保障へとテーマが拡大します。9巻公式紹介でも「仕事」「病気」「介護」「夫婦関係」「育児」「性差」「保険」「法律」「社会保障」が主要テーマとして列挙されています。 モーニング公式サイト
巻・物語の段階 主な展開 中心となるテーマ
1巻から3巻 伯母の孤独死、婚活の失敗、終活への転換 孤独死、結婚、自立
4巻から6巻 那須田との対立や接近、身近な人間関係の再検討 依存、支配、モラハラ
7巻 弟夫婦を巡る家族問題が表面化 家族、育児、性差
8巻 別離と新しい出発、自分がひとりでいたい理由 信頼、孤独、選択
9巻 仕事、病気、介護、保険、法律など複数の問題に直面 解決できない不安との共存
1巻から3巻|伯母の孤独死で婚活から終活へ
物語の出発点は、鳴海が憧れていた伯母・山口光子の孤独死です。
光子は、結婚に頼らず社会で活躍したキャリアウーマンでした。
鳴海にとっては、自分の力で人生を切り開いた先輩であり、独身女性の理想像でもあります。
ところが、光子は退職後に社会との接点を失い、誰にも気づかれないまま亡くなりました。
遺体の発見が遅れ、部屋に残された「黒いシミ」は、鳴海の心に消えない恐怖を刻みます。講談社公式作品ページでも、憧れの伯母が孤独死し、「黒いシミ」になって発見されたことが物語の起点として明記されています。 モーニング公式サイト
鳴海が恐れたのは、死ぬ瞬間の痛みだけではありません。
生前の光子がどのように暮らし、なぜ助けを求められず、なぜ周囲も異変に気づけなかったのかという、死に至るまでの過程です。
人物 鳴海との関係 物語に与えた影響
山口光子 父の姉にあたる伯母 孤独死し、鳴海が終活を始める原因となる
山口鳴海 主人公 「黒いシミ」の記憶から自分の老後を考え始める
那須田優弥 年下の職場同僚 婚活だけでは問題が解決しないと鳴海に気づかせる
恐怖に駆られた鳴海は、一度は結婚に活路を求めます。
けれども、結婚相手は介護要員でも看取り人でもありません。
夫婦であっても先にどちらかが亡くなる可能性があり、離婚や別居、病気、経済的な困窮も起こり得ます。
鳴海は那須田との対話を通じて、結婚すれば孤独死を避けられるという発想は、根拠のない安心にすぎないと気づいていきます。
ここから人生の進路は、婚活から終活へと急旋回します。
「結婚できるか」ではなく、「結婚してもしなくても、自分の人生をどう維持するか」。
問いの形が変わった瞬間、本作は婚活漫画から社会派終活漫画へ姿を変えるのです。
4巻から6巻|那須田との対立から見える支配と依存
中盤では、鳴海に終活の知識を与えてきた那須田自身の複雑さが浮かび上がります。
那須田は若く有能で、行政や社会制度にも詳しい人物です。
鳴海の焦りを遠慮なく指摘する一方、彼女に強い関心と好意を持っているような態度も見せます。
しかし、那須田の言動はいつも穏やかとは限りません。
鳴海との間で感情的な衝突が起こり、鳴海が恐怖を感じるほど関係が緊張する局面も描かれます。
第6巻では、那須田の威圧的な言動に翻弄された鳴海が、直接対決を経て自宅へ招くという大胆な行動に出ます。
この展開では、第1巻から張られていた伏線にもつながる変化が描かれます。
重要なのは、那須田が単純な理想の恋人として描かれていないことです。
終活の知識があり、鳴海を理解しているように見える人物でも、感情の扱い方を誤れば相手を傷つけます。
「自分を理解してくれる人だから安心」と思い込むことも、結婚を老後の保証と考えることと同じ危うさを持つのです。
この作品は「正しい知識を持っている人=人間関係も正しい」とは描きません。
頭で人生を整理できても、心は表計算ソフトのようには整列してくれない。
その面倒さまで描くからこそ、那須田は単なる解説役ではなく、生身のキャラクターとして立ち上がってきます。
7巻|弟夫婦の問題で「家族なら安心」が崩れる
第7巻では、鳴海の実弟とその家庭を巡る問題が大きく描かれます。
それまで目立つ存在ではなかった弟に、モラハラと受け取れる言動が見え始め、鳴海は身内の問題と向き合うことになります。
伯母のような孤独死を避けるためには、家族との関係を保てばよい。
そう考えたくなるところですが、家族には家族特有の利害、役割、感情のもつれがあります。
血がつながっていても、価値観まで同じとは限りません。
助け合いを期待することが、誰か一人への負担や支配につながる場合もあります。
第7巻の「弟夫婦編」は、孤独死を避けるための家族関係をどう築くのかという問題と、身内だからこそ距離を取りにくい苦しさを描いています。
僕の胸に残ったのは、家族は最も近い味方になれる一方、最も逃げにくい人間関係にもなり得るという現実でした。
「身内なんだから」という一言は、温かい毛布にもなれば、逃げ道を塞ぐ鎖にもなる。
『ひとりでしにたい』は、その両方を見せてきます。
8巻|「ひとりでいたい」という鳴海の本音
第8巻では、別離と新しい出発が描かれます。
ここで鳴海は、「いつかひとりで死にたい」と考える背景に、「今ひとりでいたい」という気持ちがあることを見つめます。
鳴海は、誰かを嫌っているから孤独を選ぶわけではありません。
他人を自分の人生につなぎ止めておく自信がなく、全面的に信用することにも怖さを感じています。
それは冷たさではなく、期待した相手に裏切られたり、期待に応えられず相手を傷つけたりすることへの恐れでもあります。
第8巻では、恋愛のときめきだけで問題を包み隠さず、誰かと生きることの責任まで突きつけます。
孤独を好む人に、無理に人間関係を増やすことを勧めても解決にはなりません。
必要なのは交友関係の人数ではなく、困ったときに連絡できる相手や制度を、自分に合う形で確保しておくことです。
ここは現代の「孤独対策」を考えるうえでも重要な視点だと僕は思います。
友人が100人いることより、体調を崩したときに「病院へ行った方がいい」と言ってくれる一人や、相談できる窓口を知っていることの方が、ずっと具体的な支えになるからです。
9巻|解決できない問題とどう付き合うか
2024年12月23日に発売された第9巻では、終活をすればすべての不安が消えるわけではないことが示されます。 モーニング公式サイト
鳴海の前に並ぶのは、仕事、病気、介護、夫婦関係、育児、性差、保険、法律、社会保障といった、一つの正解では片づけられない問題です。 モーニング公式サイト
第9巻の公式紹介が伝えている重要なポイントは、これらの問題が「解決して終了するもの」ではないということです。
鳴海が学んだのは、問題に押しつぶされないように距離を調整しながら、付き合い続ける姿勢でした。
人生には、契約書を作れば一区切りつく問題と、答えが出ないまま抱えていく問題があります。
9巻は、終活を「正しい答えを集める作業」から、変化に対応できる自分をつくる作業へと広げた巻だと僕は考えます。
ゴールテープを切ったら終了ではない。
むしろ鳴海は、ゴールなど存在しないと知ったところから、本当の意味で走り始めたのではないでしょうか。
9巻以降はどうなる?10巻から12巻の流れ
9巻で物語は終わらず、その後も鳴海の終活は続いています。
特に10巻以降は、「自分の死」だけではなく、子どもを持つこと、家族が増えること、財産を残すことなど、次世代との関係がより大きなテーマになっていきます。
10巻|「子どもを持つか」という答えの出にくい問題へ
10巻は2025年5月22日に発売されました。 モーニング公式サイト
公式紹介では、鳴海が元カレの現在の妻に呼び出され、元カレ夫婦が抱える「子ども」の問題に巻き込まれることが示されています。 モーニング公式サイト
「絶対に子どもが欲しい」とも、「絶対に不要」とも言い切れない。
その中間で揺れる気持ちを扱うのが10巻です。
妊娠、出産、子育てというテーマは、終活とは正反対に見えるかもしれません。
しかし、「誰を家族とするのか」「自分の時間やお金を誰に渡すのか」「次の世代に何を残すのか」と考えれば、実は終活と地続きです。
死を考える漫画が、出産を考える。
一見大きな方向転換のようでいて、「自分の人生を自分で選ぶ」という中心線は一度もぶれていません。
11巻を経て、12巻では相続問題へ
11巻は2025年12月23日に発売され、作品はその後も継続。12巻は2026年6月23日に発売されました。 モーニング公式サイト+1
12巻では、鳴海の弟夫婦に2人目の子どもができたことをきっかけに、相続の難易度が上がっていきます。 モーニング公式サイト
相続というと、「財産が多い家だけの問題」と思われがちです。
しかし本作が見せるのは、額の大きさよりも、家族それぞれが何を公平と感じるかという感情の問題です。
同じ額を渡せば平等なのか。
これまで援助を受けた金額まで考えるのか。
孫への支援はどう扱うのか。
親の介護を多く担った人をどう考えるのか。
数字だけなら割り算で済みますが、人生は割り切れません。
12巻の相続テーマは、『ひとりでしにたい』が「孤独死回避漫画」から、人生の後半戦を丸ごと扱う作品へ成長したことを象徴しているように感じます。
9巻の転機|鳴海が孤独死への恐怖と向き合う
9巻までの物語で鳴海に起きた最大の変化は、孤独死を完全に回避しようとするのではなく、恐怖に支配されない生き方を考え始めたことです。
伯母の死は、今も鳴海の心から消えていません。
しかし、「黒いシミになりたくない」という恐怖だけを原動力にしていては、現在の生活まで死の準備にのみ込まれてしまいます。
伯母・光子の孤独死が残したトラウマ
鳴海の終活の原点は、伯母・光子の孤独死です。
社会で活躍し、経済的にも自立しているように見えた光子が、退職後には社会との接点を失っていた事実は、鳴海の価値観を根底から揺さぶりました。
文化庁メディア芸術祭の作品紹介でも、悠々自適に見えた伯母が孤独死し、発見が遅れ、鳴海が大きな衝撃を受けたことが物語の根幹として紹介されています。 文化庁メディア芸術祭 – JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
仕事は生きがいになりますが、退職すれば職場の人間関係が一気に失われることがあります。
収入があっても、お金の管理ができなくなる可能性があります。
住む家があっても、助けを求められる相手がいなければ、異変が外へ伝わらないこともあります。
光子の死は、鳴海に「独身だから危険なのではなく、社会との接続が切れることが危険なのだ」と気づかせます。
これは既婚者にも無関係ではありません。
配偶者との死別、子どもの遠方居住、近隣関係の希薄化などにより、結婚していても孤立する可能性はあるからです。
だから本作を「独身女性の老後漫画」だけで片づけてしまうと、半分しか読んだことになりません。
描かれているのは、人間はどうすれば社会との接点を失わずに老いていけるのかという、もっと大きな問いです。
「黒いシミにならない」から「生き切る」へ
当初の鳴海は、死後に発見されず、部屋の床に痕跡を残すことを強く恐れていました。
しかし9巻までの経験を通じて、終活の目的は死体をきれいに処理してもらうことだけではないと分かってきます。
大切なのは、死ぬ直前まで人としての生活を維持し、必要な助けにつながれる状態をつくることです。
鳴海の経験から考えると、終活では次のような準備が重要になります。
- 持ち物や重要書類の所在を整理する
- 財産や契約状況を把握する
- 緊急時の連絡先を決める
- 地域や行政との接点を持つ
- 病気や介護について家族と話す
- ペットの引き取り手を考える
- デジタル遺品やオンライン口座を整理する
- 死後の手続きを誰に頼むか検討する
鳴海の行動は、死ぬための準備に見えて、実際には生活を立て直す作業です。
不要な物を減らせば暮らしやすくなり、資産を把握すれば将来の選択肢が見え、緊急連絡先を決めれば現在の安心にもつながります。
終活は人生の閉店作業ではなく、営業を続けるための棚卸しなのです。
老後2000万円問題だけでは測れない不安
作中で扱われる老後不安は、いわゆる「老後2000万円問題」のような金銭面だけではありません。講談社公式作品ページでも「2000万円問題」に触れながら、終活をより広い人生設計として扱っています。 モーニング公式サイト
必要な老後資金は、住居、健康状態、家族構成、働く期間、受け取る年金などによって変わります。
一定の金額を持っていれば安心できるという単純な話ではありません。
お金があっても認知機能が低下すれば管理が難しくなります。
反対に、資産が多くなくても、相談できる窓口や地域とのつながりがあれば、早い段階で支援につながる可能性があります。
鳴海の終活が教えるのは、通帳の残高だけで人生の安全性は測れないということです。
お金は大切です。
でも、お金を使って助けを求める判断力や、相談相手、契約内容を把握する力もまた、生きるための資産なのだと思います。
那須田との関係はどうなる?恋愛と結婚のネタバレ
9巻までの時点で、鳴海と那須田の関係は、分かりやすい恋愛成就には至っていません。
那須田は鳴海に好意を持っているように見えますが、二人の関係は恋人候補という一言では説明できません。
終活を巡る知識を共有する相手であり、互いの弱さを刺激し合う相手でもあります。
NHKドラマ版の那須田も、鳴海に好意を寄せながら、終活や孤独死に詳しい同僚として設定されています。 テレビガイド
那須田は鳴海の終活を動かした人物
那須田は、孤独死を恐れて婚活へ走った鳴海に対し、結婚だけでは老後の問題を解決できないと指摘しました。
言い方には容赦がありませんが、この指摘によって鳴海は終活を始めます。
その後も那須田は、社会保障や家族問題について鳴海と議論し、彼女の考えを揺さぶり続けます。
キャラクター 恋愛・結婚への姿勢 物語上の役割
山口鳴海 結婚を老後の保証にしたくない 自分の人生を自分で設計する
那須田優弥 鳴海に好意を抱いているように見える 鳴海の常識を崩す対話者
鳴海の家族 結婚や家族に従来型の価値観も持つ 社会の「普通」を映す存在
那須田の価値は、鳴海を救ってくれることではありません。
鳴海が見たくない問題を言葉にし、対話の場へ引きずり出すところにあります。
ただし、その言葉が正しくても、伝え方まで正しいとは限りません。
相手のためを思っているという理由で、強い言葉や威圧的な態度が許されるわけではないことも、二人の関係を通して描かれます。
好意があっても「結婚すれば安心」ではない
鳴海は、那須田と結婚すれば孤独死の問題が解決するとは考えません。
結婚すれば、相手の病気や介護、仕事、家族関係、経済問題まで共有することになります。
一人でいる不安が減る一方で、新しい責任や不安が生まれる可能性もあります。
ここで作品が否定しているのは結婚そのものではありません。
結婚を人生の万能なセーフティネットとして扱う考え方です。
誰かと生きることを選ぶなら、孤独への恐怖から相手をつなぎ止めるのではなく、その人と関係を築きたいという意思が必要です。
鳴海は、その違いをごまかそうとしません。
孤独が怖いから結婚する。
老後が不安だから子どもを持つ。
介護してほしいから家族を近くに置く。
一見合理的に見えても、それでは相手の人生を自分の保険として扱うことになりかねません。
『ひとりでしにたい』が厳しく、そして優しいのは、この部分です。
9巻までの二人は「人生設計を語れる相手」
9巻までの鳴海と那須田は、恋愛関係というより、互いの人生観をぶつけ合う対話者です。
那須田が鳴海の家族や終活に関わることで、二人の距離は近づきます。
一方で、鳴海は那須田に自分の人生を預けません。
二人の関係から見えてくるのは次のような価値観です。
- 結婚に過剰な安心を求めない
- 相手の好意を利用して老後を任せない
- 一人で暮らす力を失わない
- 必要なときは他人や制度の助けを借りる
- 恋愛と生活保障を分けて考える
恋愛は、人生の空白を埋める保険ではありません。
それでも、孤独や死について正直に語れる相手がいることは、鳴海にとって小さくない変化です。
僕は二人の関係を、互いを救い上げるロープではなく、暗い道で足元を照らし合う懐中電灯のように感じました。
相手を背負って歩く必要はない。
ただ、「そこに段差があるよ」と教え合える。
その距離感こそ、鳴海に似合う関係なのかもしれません。
親世代と同僚の老い・介護・看取りが示す現実
『ひとりでしにたい』9巻まででは、鳴海自身の老後だけでなく、親世代や同僚が直面する介護と看取りも描かれます。
終活は自分の死だけを考えるものではありません。
多くの人は、自分の老後を迎える前に、親の老い、病気、介護、相続と向き合うことになります。
母・山口雅子は老後の自己表現を体現する
鳴海の母・山口雅子は、家族を支えてきた専業主婦です。
義姉の光子から見下されるような立場に置かれながらも、家庭を守ってきました。
一方、年齢を重ねた現在は、ヒップホップダンスに熱中する姿が描かれます。
この意外な趣味は、単なるギャグではありません。
妻や母という役割だけで生きてきた女性が、老後に自分の楽しみと身体を取り戻していく姿でもあります。
年を取ることは、可能性が一つずつ消えていくことではありません。
肩書や役割から離れたあとに、初めて見つかる自分もあります。
光子が「仕事を失った後の自分」に苦しんだ存在だとすれば、雅子は「家族の役割が薄くなった後にも新しい自分を作れる」可能性を示す人物にも見えます。
この対比は、本作を読むうえでかなり重要だと僕は感じました。
父・山口和夫が終活へ参加する意味
鳴海の父・山口和夫は、昭和的な価値観を持つ人物です。
家事や家族の細かな問題を妻に任せ、定年後も自分の死や介護を具体的に考えてきませんでした。
しかし、鳴海や那須田との会話を通じて、少しずつ終活を自分の問題として受け止め始めます。
人物 変化 作品が示すテーマ
山口雅子 ヒップホップを楽しむ 老後にも自己表現が必要
山口和夫 終活に向き合い始める 家族で話し合うことの重要性
山口鳴海 親の老いを現実として考える 子ども側にも準備が必要
親に終活を勧めるとき、子ども側は「迷惑をかけないでほしい」という態度になりがちです。
しかし、親にも感情と人生があります。
住まい、治療、介護、財産の扱いを一方的に決めるのではなく、本人が何を望んでいるのかを聞く必要があります。
終活とは、「子どもが楽になるために親を整理すること」ではありません。
本人が最後まで自分の人生の当事者でいるための準備なのです。
同僚・松岡の介護問題と家族間の対立
同僚の松岡は、認知症の母を介護施設へ入れたことで、兄から強く非難された過去を語ります。
介護施設への入所を、親を捨てる行為のように受け取る家族もいます。
しかし、自宅介護を続けるには時間、体力、住環境、仕事との両立、経済的負担など、多くの条件が必要です。
介護の実務を担っていない家族ほど、理想論を口にしやすいという問題もあります。
家族で介護を考える場合、少なくとも次の点は避けて通れません。
- 誰が日常の介護を担当するのか
- 仕事を辞めたり減らしたりする必要はあるのか
- 費用を誰が負担するのか
- 在宅介護を続けられなくなった場合はどうするのか
- きょうだい間で情報を共有できているか
- 本人の希望は確認できているか
施設入所は逃げとは限りません。
本人の安全と家族の生活を守るための現実的な選択になる場合もあります。
松岡のエピソードは、終活を「親に書類を用意させること」ではなく、家族の役割と限界を早めに話し合うこととして描いています。
介護は愛情だけでは続きません。
時間も、お金も、体力も、知識も必要です。
だからこそ、「愛しているなら家で見るべき」という一言で現実を消してはいけない。
この作品は、その言いにくい部分を笑いながらテーブルの上に置いてくれます。
9巻のクライマックスと鳴海が選んだ生き方
9巻の重要な転機は、鳴海が「一人で生きる」という結論を宣言したことだけではありません。
人生にはどれだけ準備しても消えない不安があり、それでも日々を続けていくしかないと受け止め始めた点にあります。
「一人で生きる」は誰にも頼らないという意味ではない
鳴海が目指しているのは、完全な孤立ではありません。
自分の人生に責任を持ちながら、必要な場面では家族、友人、行政、専門家、民間サービスの力を借りることです。
一人暮らしを続けるためには、一人で何でもできなければならない。
そう思い込むと、助けを求めるタイミングを逃します。
本当に必要なのは、助けが必要になったときに連絡できる仕組みです。
自立とは、誰にも頼らないことではなく、頼る先を自分で選べることだと僕は考えます。
この視点で見ると、タイトルの『ひとりでしにたい』も違って見えてきます。
「ひとりで全部やる」という宣言ではない。
「最後まで、自分で選びたい」という願いなのです。
9巻までに見えてくる具体的な終活項目
鳴海の経験から考えられる主な終活項目は次の通りです。
準備項目 考えておきたい内容
遺言・財産 預貯金、不動産、相続、寄付などの希望
ペット 飼い主が入院・死亡した場合の引き取り手
デジタル遺品 SNS、メール、ネット銀行、定額サービス
医療・介護 延命治療、入院、施設入所などの希望
緊急連絡先 家族、友人、勤務先、管理会社など
死後事務 死亡届、公共料金、住居、葬儀などの手続き
身の回りの整理 重要書類、鍵、契約書、不要品の処分
見守り 定期連絡、センサー、地域とのつながり
遺言、死後事務委任契約、デジタル遺品の整理といった制度や方法は、状況によって必要性が異なります。
実際に準備するときは、自治体や法律・登記などを扱う専門窓口へ確認することが大切です。
漫画の情報を、そのまま個別の法律判断や契約に使うのではなく、自分が調べ始めるための入り口として受け取るのがよいでしょう。
そして12巻で「相続」が前面に出てきたことで、これらの準備項目はより重要になりました。 モーニング公式サイト
終活は、自分が亡くなった後だけの話ではありません。
家族が元気なうちに話せることを、話せるうちに言葉にしておく。
それだけで避けられる混乱もあるはずです。
9巻は「終活=死」から「終活=生」へ進む巻
終活を始めた当初の鳴海は、伯母と同じ死に方を避けることに必死でした。
9巻まで進むと、死後の迷惑を減らすだけでは、人生の不安はなくならないと理解します。
病気になるかもしれない。
仕事を失うかもしれない。
親の介護が必要になるかもしれない。
大切な人との関係が壊れるかもしれない。
こうした可能性をゼロにする方法はありません。
だからこそ鳴海は、未来のすべてを管理するのではなく、問題が起きたときに自分を守れる柔軟さを持とうとします。
終活は、死ぬ日を見つめ続ける行為ではありません。
今日の生活を整え、会いたい人に会い、必要な言葉を伝え、自分の人生を自分へ返していく行為なのです。
そして10巻の「子ども」、12巻の「相続」へ進んだ現在を見ると、この方向性はいっそう明確になっています。 モーニング公式サイト+1
ドラマ『ひとりでしにたい』の最終回はどうなる?ネタバレ解説
「ひとりで しにたい 最終回」と検索している場合、漫画とNHKドラマを分けて考える必要があります。
漫画は2026年8月13日時点で連載中ですが、NHKドラマ版は全6回で完結しています。 コミックDAYS+1
ドラマ最終回は第6回「愛と書いてめんどくさいと読む」です。 NHKオンデマンド
ドラマ最終回では那須田が再び鳴海に告白
最終回では、那須田に無視されたことが逆に気になり、鳴海が那須田を追いかけるようになります。
やがて、那須田が人を「無視」する行動には、幼少期に親から同じことをされた経験が関係していたことが分かります。
那須田はネグレクトを受けて育ち、その傷を抱えたまま大人になっていました。
そして、自分がなぜ鳴海に惹かれたのかを語り、改めて思いを伝えます。NHKオンデマンドの最終回紹介でも、この告白と那須田の過去が中心的な展開として示されています。 NHKオンデマンド
ここがドラマ版の重要なポイントです。
那須田は「完璧な年下エリート」ではなかった。
社会制度には詳しくても、自分の傷を扱う方法は知らなかったのです。
鳴海と那須田は、お互いの不足部分を埋める王子様とお姫様ではありません。
欠けたまま、それでも人と関わろうとする二人として描かれます。
父・和夫は「家を売る」と言い出す
一方、鳴海の父・和夫は終活のために「家を売る」と言い出し、山口家は大騒ぎになります。 NHKオンデマンド
この展開も、本作らしい最終回です。
普通のドラマなら、恋愛の告白を最大のクライマックスにするかもしれません。
ところが『ひとりでしにたい』では、恋愛の隣で親の終活が進みます。
恋をしていても、実家問題は消えない。
好きな人ができても、親は老いる。
人生は一つの問題だけを解決するために止まってくれません。
僕は、この雑然とした感じこそ『ひとりでしにたい』らしい最終回だったと思います。
NHKドラマ版と原作漫画の違いは?
『ひとりでしにたい』は、綾瀬はるかさん主演でNHK土曜ドラマとして実写化されました。
放送は2025年6月21日に始まり、NHK総合の土曜22時枠で全6回。脚本は大森美香さん、主人公・山口鳴海を綾瀬はるかさんが演じました。 モーニング公式サイト
主要キャストは次の通りです。
キャスト 役名 役柄
綾瀬はるか 山口鳴海 伯母の孤独死を機に終活を始める主人公
佐野勇斗 那須田優弥 鳴海の年下の同僚
國村隼 山口和夫 鳴海の父
松坂慶子 山口雅子 鳴海の母
ドラマ版でも、伯母の孤独死をきっかけに鳴海が婚活を始め、那須田との出会いや対話を通じて終活を考えていく基本設定は原作と共通しています。NHKオンデマンドでも、未婚・子なしで一人暮らしを楽しんでいた鳴海が、伯母の孤独死から終活を考え始める物語と紹介されています。 NHKオンデマンド
原作は幅広い社会問題を長い時間で描く
原作漫画は、巻数を重ねながら一つずつ社会問題を掘り下げます。
孤独死だけでなく、親の介護、家族内の性別役割、夫婦関係、育児、病気、保険、法律、相続などへ話題が広がっていきます。
鳴海と那須田の関係も、単純な恋愛ではなく、対立や緊張を含みながら変化します。
読者は鳴海と一緒に迷い、調べ、考え方を修正していく感覚を味わえます。
さらに現在は12巻まで進み、「子どもを持つか」「相続をどう考えるか」といったテーマまで広がりました。 モーニング公式サイト+1
その意味で、漫画版は「鳴海の人生を長期観察する作品」です。
一つの答えを示すというより、数年かけて価値観が更新されていく過程そのものを読む作品なのだと思います。
ドラマ版は全6回に物語を凝縮
ドラマ版は全6回のため、原作のすべてのエピソードを同じ順番と密度で描く構成ではありません。 モーニング公式サイト
映像作品として見やすくするため、複数の出来事や論点を整理し、鳴海と家族、那須田との関係を中心に再構成しています。
原作漫画の魅力が「終活に関する論点をじっくり考えられること」だとすれば、ドラマ版の魅力は、俳優の表情や声、家族の空気感を通じて感情へ直接届くことです。
綾瀬はるかさん自身も、原作を読んで出演したいと感じ、作品には「自分らしくありたい」という思いを感じたとコメントしています。 モーニング公式サイト
綾瀬はるかさんが演じる鳴海は、深刻な話題を扱いながらも、滑稽さと必死さを失いません。
死という遠い未来の話を、今日の食卓や職場で起きている問題として感じさせるところが、映像化の大きな意味だと思います。
原作漫画とドラマはどちらから見るべき?
終活の知識や社会問題を詳しく知りたい人には、原作漫画が向いています。
登場人物の感情を映像で受け止めたい人や、まず物語の全体像をつかみたい人にはドラマ版が見やすいでしょう。
- 原作漫画は社会問題や制度を深く読める
- ドラマ版は人物の感情と家族関係が伝わりやすい
- ドラマを見てから漫画を読むと省略された背景を補える
- 漫画を読んでからドラマを見ると脚色や再構成を比較できる
- ドラマ最終回後のテーマまで知りたいなら漫画を読む価値が大きい
- 漫画は12巻以降も続くため、ドラマ終了後にも物語を追える
どちらか一方が完全版というより、同じ問いを異なる角度から見せる作品です。
ドラマは45分前後の時間に感情を凝縮する。
漫画は、時間をかけて鳴海の迷いそのものを積み重ねていく。
同じ道路を走っていても、車窓から見える景色が違うのです。
岸本湊人の考察|この漫画が描く本当の「孤独」とは
ここからは、9巻までの物語と、その後12巻まで広がったテーマを踏まえた僕自身の考察です。
『ひとりでしにたい』が描く最大の恐怖は、一人暮らしでも、未婚であることでもありません。
自分の状態を誰にも伝えられなくなることです。
孤独死よりも怖いのは孤立していく過程
孤独死という言葉は、亡くなった瞬間や発見された部屋の状態に注目が集まりがちです。
しかし、本当に見なければならないのは、そこへ至るまでの時間です。
仕事を辞める。
人と会わなくなる。
部屋が片づけられなくなる。
請求書を開封できなくなる。
病院へ行く判断ができなくなる。
小さな変化が積み重なり、やがて外の世界との接点が細くなっていきます。
光子の「黒いシミ」は死後の痕跡ですが、その前には、誰にも見えなかった長い孤立があったはずです。
作品が鳴海に終活をさせるのは、死後をきれいにするためだけではありません。
生きている間に、社会から消えないためです。
ここが、この漫画を単なる「終活ノウハウ漫画」にしない最大のポイントだと思います。
孤独死を避けるために必要なのは、死後の処理方法だけではない。
生きている途中で「ちょっと困っています」と言える場所を残しておくことなのです。
結婚も家族も制度も「絶対の保証」ではない
鳴海は、結婚という答えに飛びつき、やがてそれを手放します。
けれども作品は、結婚や家族を不要だと断定しているわけではありません。
家族が支えになることもあれば、負担になることもあります。
行政制度に救われることもあれば、条件に当てはまらず利用できないこともあります。
お金で解決できる問題もあれば、お金だけでは動かせない感情もあります。
つまり、どれか一つを信じ切るのではなく、複数の支えを持つことが重要です。
たとえば、次のような支えです。
- 自分で管理できる資産
- 信頼できる家族や友人
- 職場や地域とのつながり
- 行政や医療の相談窓口
- 必要に応じた専門家との契約
- 定期的な見守り
- 自分の希望を記録した書類
一本の太い命綱だけに頼るより、細くても複数の支えを持つ方が、人生の変化には対応しやすくなります。
そして12巻の相続問題まで読むと、「家族がいれば安心」という考えがさらに揺さぶられます。
家族が増えれば、支えも増えるかもしれません。
同時に、利害や感情や責任も増える。
だから大事なのは「家族がいるか」ではなく、その人たちと何を話せているかなのだと思います。
9巻の新しさは「解決しない勇気」にある
多くの物語では、主人公が悩みを克服し、答えを見つけて成長します。
しかし9巻の鳴海は、仕事、病気、介護、夫婦関係、育児、性差、保険、法律、社会保障の問題をすべて解決できません。これは9巻公式紹介でも明確に示された構造です。 モーニング公式サイト
むしろ、解決できないものがあると認めます。
僕はここに、本作の成熟を感じました。
人生は、正解を見つけた者が勝つクイズではありません。
答えの出ない問題に押しつぶされず、今日できる選択を積み重ねた人が、結果として長く歩いていけるのではないでしょうか。
鳴海が目指す「最終王者」とは、誰にも迷惑をかけず、美しく完璧に死んだ人ではありません。
失敗しても、助けを借りても、自分の人生から目をそらさずに生き切った人なのだと思います。
12巻まで読むと「終活」は次世代の問題になる
9巻まででは、自分の老後、親の介護、家族との関係が中心でした。
しかし10巻で「子どもを持つか」、12巻で「相続」が前面に出たことで、物語はもう一段深い場所へ進んでいます。 モーニング公式サイト+1
自分がどう死ぬかを考えることは、自分が何を残すかを考えることでもあります。
財産だけではありません。
価値観。
家族との関係。
介護への考え。
子どもに対する期待。
「あの人ならこうしてほしいはず」という思い込み。
人は死ぬとき、お金だけを残すわけではないのです。
むしろ厄介なのは、言葉にしなかった期待や不満まで残ってしまうことかもしれません。
だから僕は、12巻まで進んだ『ひとりでしにたい』を、死に方を考える漫画ではなく、「残し方」を考える漫画になりつつあると感じています。
ここは9巻時点の記事だけでは見えてこなかった、新しい景色です。
「自分勝手。」「恋がヘタでも生きてます」「わたし今日からおひとりさま」と同じ作品?
結論から言うと、『ひとりでしにたい』とはすべて別作品です。
検索結果では「自分勝手。 あらすじ」「恋がヘタでも生きてます ネタバレ」「わたし今日からおひとりさま ネタバレ」といったクエリと『ひとりでしにたい』が近い検索意図として表示されることがありますが、作品自体につながりはありません。
『自分勝手。』はひなこさんによる別作品として流通しており、『恋がヘタでも生きてます』も別の恋愛作品です。『わたし、今日から「おひとりさま」』も、きよね駿さんによる別作品です。 コミックマーケット+2note(ノート)+2
共通しているのは、「恋愛や結婚」「一人で生きること」「他人との距離」といった検索語が重なりやすいことです。
しかし、山口鳴海、那須田優弥、孤独死、終活を軸にした作品を探しているなら『ひとりでしにたい』です。
タイトルが似ている別作品のネタバレと混同しないよう注意してください。
まとめ|ひとりでしにたい漫画は12巻・159話まで続いている
漫画『ひとりでしにたい』は、伯母・光子の孤独死に衝撃を受けた山口鳴海が、婚活から終活へ方向転換する社会派コメディです。
1巻から9巻までを通して、孤独死、恋愛、結婚、家族、介護、老後資金、病気、保険、法律、社会保障など、誰にとっても無関係ではない問題が描かれます。
さらに現在は9巻で完結しておらず、2026年6月23日に12巻が発売され、2026年8月2日にはコミックDAYSで第159話「突撃インタビュー」が掲載されています。漫画版の最終回はまだ迎えていません。 モーニング公式サイト+1
重要なポイントを整理すると、次の通りです。
- 鳴海が終活を始めた原因は伯母の孤独死
- 「黒いシミ」の記憶が鳴海の人生観を変えた
- 結婚しても孤独や老後不安が消えるとは限らない
- 那須田とは恋愛だけで説明できない関係が続く
- 親の老いと介護は家族全体の問題として描かれる
- 弟夫婦編では家族内のモラハラや役割が問われる
- 9巻では解決不能な問題と付き合う姿勢が示される
- 10巻では子どもを持つことや妊娠・出産・子育てがテーマになる
- 12巻では弟夫婦の第2子をきっかけに相続問題が浮上する
- 最新単行本は12巻
- 最新掲載話は第159話
- 漫画『ひとりでしにたい』は2026年8月13日時点で未完結
- 終活とは死の準備だけではなく、現在の生活を整える行為である
- 2025年には綾瀬はるかさん主演でNHKドラマ化された
- NHKドラマ版は全6回で完結している
- ドラマ最終回では那須田の過去と再告白、和夫の終活が描かれる
9巻の時点で、鳴海は完璧な終活の答えを手に入れていませんでした。
12巻まで進んだ現在も、おそらく本質は変わっていません。
子どもを持つか。
誰と暮らすか。
親をどう支えるか。
財産をどう残すか。
どこまで他人を頼るか。
人生には、検索窓に入力しても「これが正解です」と一行で返ってこない問題の方が多いものです。
「ひとりでしにたい」という題名は、人を拒絶する宣言ではありません。
僕には、誰かの所有物になるのではなく、誰かを自分の保険にするのでもなく、自分の人生を最後まで自分のものとして生きたいという鳴海の願いに聞こえます。
ページを閉じたあとも、胸の奥には小さな明かりが残ります。
死を考えることは、生きることを諦める行為ではない。
むしろ、いつか終わると知っているからこそ、今日のステアリングを自分の手に戻す行為なのだと。
よくある質問
漫画『ひとりでしにたい』はどんな話ですか?
伯母の孤独死に衝撃を受けた35歳独身の美術館学芸員・山口鳴海が、婚活から終活へ方針を変え、自分らしく生きて死ぬ方法を探す社会派コメディです。 モーニング公式サイト+1
孤独死だけでなく、結婚、家族、介護、老後資金、病気、保険、法律、社会保障、妊娠・出産、相続などへテーマが広がっていきます。 モーニング公式サイト+2モーニング公式サイト+2
『ひとりでしにたい』漫画の最新刊は何巻ですか?
2026年8月13日時点の最新単行本は12巻です。
12巻は2026年6月23日に発売され、弟夫婦の第2子誕生をきっかけに相続問題が描かれます。 モーニング公式サイト
『ひとりでしにたい』漫画の最新話は何話ですか?
2026年8月13日時点では、コミックDAYSで第159話「突撃インタビュー」まで掲載されています。
第159話は2026年8月2日掲載で、無料公開予定日は2026年8月16日です。 コミックDAYS
『ひとりでしにたい』は9巻で完結しますか?
いいえ。
9巻は2024年12月23日に発売されましたが、その後10巻、11巻、12巻が発売されています。漫画は2026年8月13日時点でも連載継続中です。 モーニング公式サイト+3モーニング公式サイト+3モーニング公式サイト+3
『ひとりでしにたい』漫画の最終回はもう公開されていますか?
漫画版の最終回は、2026年8月13日時点では公開されていません。
コミックDAYSで連載が続いており、最新掲載は第159話です。 コミックDAYS
鳴海と那須田は結婚しますか?
少なくとも9巻までの段階では、二人の結婚が「孤独死を避けるための答え」として描かれることはありません。
那須田は鳴海に好意を持っていますが、本作では恋愛と生活保障を別々に考える姿勢が重要なテーマになっています。
伯母・光子はなぜ孤独死したのですか?
光子は仕事を辞めたあとに社会とのつながりが弱まり、誰にも異変を察知されないまま亡くなりました。
その孤独死と、発見が遅れた部屋に残された「黒いシミ」が、鳴海に終活を始めさせる決定的なきっかけとなります。 モーニング公式サイト+1
ドラマ『ひとりでしにたい』の最終回は何話ですか?
NHKドラマ版は第6回「愛と書いてめんどくさいと読む」が最終回です。
那須田の幼少期のネグレクト経験や鳴海への再告白、父・和夫が終活のために家を売ろうとする騒動が描かれます。 NHKオンデマンド
漫画とNHKドラマ版の違いは何ですか?
原作漫画は巻数を重ねながら、終活に関する制度や社会問題を細かく掘り下げます。
NHKドラマ版は2025年6月21日にスタートした全6回の構成で、鳴海、那須田、家族の感情や関係性を中心に再構成されています。 モーニング公式サイト
漫画はドラマ終了後も続いており、10巻以降では子どもを持つことや相続など、ドラマだけでは追えないテーマも描かれています。 モーニング公式サイト+1
『わたし、今日から「おひとりさま」』や『自分勝手。』と同じ漫画ですか?
いいえ、別作品です。
『ひとりでしにたい』は、山口鳴海が伯母の孤独死をきっかけに婚活から終活へ進む、カレー沢薫さんの漫画です。 モーニング公式サイト
「ひとり」「独身」「恋愛」「自分らしく生きる」といった検索語が重なるため検索結果で近くに表示されることがありますが、作品名・登場人物・物語は異なります。
観たいものが見つからない…
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