【エンジェルフライト】NHKドラマ感想・ネタバレ全解説泣ける1話・2話・3話を地上波放送で体感！何話まで？全話数と話数別レビューも

【導入】死んだ人を運ぶ物語じゃない。これは、残された人の心を運ぶドラマだ。

いつか、自分の大切な人が、見知らぬ国で帰らぬ人になったら──
その人の命を、日本に帰してくれる誰かがいたら──
あなたは、その人に「ありがとう」を言えるだろうか。

NHK地上波で放送が始まった『エンジェルフライト』。
このドラマは、国際霊柩送還士という現実に存在する職業に光を当てた、唯一無二の作品だ。
彼らの仕事は、「死者を帰す」ことじゃない。
「遺された者が前に進めるように、生きた証を届けること」だ。

この作品を観ていると、不思議な感情に襲われる。
胸の奥が痛くて、でも温かくて、涙が知らないうちに流れている。
それは、描かれている死が「終わり」じゃなく、「再会」のはじまりとして提示されているからだ。

この記事では、そんな『エンジェルフライト』について、「エンジェルフライト ドラマ感想」「NHK 感想」「ネタバレ」「泣ける」「1話」「2話」「3話」「地上波」「何話まで」「何話」という視点を通して、深く、濃く、感じたままにレビューしていく。
このドラマをまだ観ていない人には「観てほしい」と願いを込めて。
すでに観た人には、「もう一度、心で観てほしい」と思いながら──。

第1話感想｜“死んだはずの息子”が、もう一度生きて戻ってきた夜

マニラのスラム街で命を落とした若者。彼の亡骸が、父親との断絶を乗り越え、生きた証として帰国する奇跡。
柊の手が施した“再生の技術”に、誰もが涙する。

第2話感想｜怒り、悲しみ、後悔…テロで奪われた命に向き合う遺族と、彼らを支える人々の闘い

アフリカの地で命を落とした日本人6人。その“顔の見えない遺体”に、親は泣くことすらできなかった。
だからこそ、那美たちは届ける──命の尊厳と、別れの時間を。

第3話感想｜社葬と食堂の女将。ふたつの死が交差する、人生の最期の価値

華やかな社葬、静かな家庭葬──
どちらの死も、どちらの生も、同じように尊い。
「誰のための葬儀か？」という問いが、あなたの心にも届く。

地上波で観る『エンジェルフライト』──配信では届かなかった“温度”がある

2025年5月、ついにNHK総合で地上波放送がスタート。
テレビから流れる“命の重み”に、家族で向き合ってほしい。

『エンジェルフライト』は何話まで？全6話、それぞれが“涙の章”

本作は全6話構成。第1～3話で既に涙腺が崩壊している方も多いはず。
でも、本当のクライマックスはまだ先にある。
毎話が“誰かの物語”であり、視聴者の“心の鏡”でもある。

【まとめ】命は終わらない。人の想いがある限り、物語は届く。

『エンジェルフライト』を観て、私は自分の家族を思い出した。
いつか大切な人を失ったとき、私もきっと、誰かに支えられるのだろう。
そのとき、「こんな仕事があってよかった」と思える世界であってほしい。

このドラマは、ただの“ヒューマン作品”じゃない。
人と人を繋ぐ「祈りのドラマ」だ。
そして今、あなたの心にも、きっと届いているはずだ。

第1話感想｜“死んだはずの息子”が、もう一度生きて戻ってきた夜

冒頭、マニラの雑踏の中で倒れていた若者・杉原陽平。
観ていて、心がざわついた。
彼がどんな想いでこの地に来たのか。どんな未来を夢見ていたのか。
その背景は語られないまま、彼の命は唐突に消える。

そして日本。
遺族に知らせが届く場面で、私は涙をこらえることができなかった。
「死んだ？フィリピンで？」
あまりにも現実味のない“死”に、父親が最初に言い放ったのは、「遺体なんかいらない」という言葉だった。

その言葉を受けて、伊沢那美（米倉涼子）が動く。
このときの那美の表情は怒りでもなく、涙でもなく、使命の中にある祈りのようだった。
「それでも、連れて帰らなきゃならない命がある」──その背中は、ヒーローでもなく、ただの“人”だった。

現地に向かった那美と凛子（松本穂香）。
陽平の遺体が見つからない、保管所にすらたどり着けない現実。
そこで描かれるのは、“亡くなった命”よりも、“雑に扱われる命”の重さだった。

やがて見つかった遺体。
しかし、痛んだ姿を前に、遺族は顔をしかめる。
「これが本当に、あの子か？」
その問いに、答えを出したのが柊（城田優）だった。

彼は遺体の顔を修復し、生前の姿に戻す。
まるで命が戻ったかのように、穏やかな表情になった陽平の顔。
その瞬間、父親は、やっと“息子の死”と向き合うことができた。

「本当に……帰ってきたんだな」
静かにつぶやいたこの台詞に、すべてが込められていた。
遺体を運ぶのではない。
遺された者の心が、死と向き合えるようにする。

これが“霊柩送還士”という職業の本質なのだと、私は思い知らされた。
第1話は、ただ「泣ける」だけの物語ではない。
「命は終わっても、物語は終わらない」という、このドラマの信念を、初回から全力で突きつけてくる一話だった。

第2話感想｜怒り、悲しみ、後悔…テロで奪われた命に向き合う遺族と、彼らを支える人々の闘い

この第2話は、もはやドラマではなく、現実の“悲しみ”と“怒り”の映像化だった。
アフリカで起きたテロによって、日本人6人が命を落とす。
突然の知らせ。何も語らぬ遺体。身元すら判別できない状況──
それでも、誰かが「その人」を迎えにいかなければならない。

冒頭、無言で空港を歩く那美たち。
同行する遺族の目は濡れているのではなく、乾いたまま怒りに震えていた。
「なぜこんなことに」「なぜ、こんな形でしか会えないんだ」
泣くことすら許されない悲しみに、こちらの胸が締めつけられる。

彼らが最初に対面したのは、損傷の激しい、言葉を失うような遺体だった。
その瞬間、親たちは声を荒げる。怒り、絶望、疑い、やり場のない感情が爆発する。

そして、伊沢那美は、そのすべてを受け止める。
反論しない。慰めない。
ただ、一歩も引かずに、立ち続ける。
その姿に私は気づいた。彼女は、「悲しみの矢面に立つ覚悟を持つ人間」なのだ。

遺体をひとつひとつ洗い、包み、確かめ、戻していく。
その作業のすべてが、まるで遺族への“弔い”であり“贈り物”のようだった。

そして、日本へ帰国した後の場面──
まるで生きているかのように修復された息子と再会した母親が、
ただひとことだけ、ぽつりとつぶやく。

「ありがとう。……これでやっと、泣ける」

この一言が、すべてだった。
人は「死」を知ったとき、すぐに涙を流せるわけじゃない。
時に怒りが先にくる。無言になる。泣き方すらわからない。
でも、誰かが命を丁寧に扱ってくれたとき、初めて、感情の蓋が外れる。

このエピソードは、“霊柩送還士”という仕事の輪郭を、はっきりと刻み込んでくれた。
ただ「遺体を届ける」のではない。
「遺族の心が、ちゃんと別れを迎えられるようにする」のが、彼らの使命。

視聴後、しばらく動けなかった。
怒りと感謝が同居する涙というのが、本当にあるのだと知ったのは、この回が初めてだった。

第3話感想｜社葬と食堂の女将。ふたつの死が交差する、人生の最期の価値

この第3話を観終えたとき、私はぼんやりと天井を見上げていた。
“人は、どう死ぬかではなく、どう生きたかで弔われる”
そんな言葉が胸に残った。

今回描かれるのは、ふたつの葬儀。
ひとつは、大企業のトップが派手に執り行う社葬。
もうひとつは、下町の定食屋「おかめ」の女将が亡くなった小さな葬儀。

対照的だ。
煌びやかな演出と報道陣が押し寄せる社葬。
親しい常連が静かに手を合わせる、心のこもった葬儀。
だが、那美はこのふたつに、優劣をつけない。
それどころか、「弔う気持ちは、形ではなく“温度”だ」と語る。

企業側は“社葬”という大義名分のもとで、故人を“商品”にしようとする。
家族の意志は置き去りにされ、ビジネスが優先される現実。
でも、那美たちはそれにNOを突きつける。
「これは、お別れじゃない。偽装だ」と。

一方、女将の葬儀では、彼女が作った味噌汁の話で涙する常連がいる。
「いつも、おかわりくれたんだよ」
その回想は、料理でもなく言葉でもなく、“誰かを想っていた時間”を思い出させる。

那美が最後に放つ台詞が、あまりに優しくて、重くて、忘れられない。

「あの人にとっての社葬は、たぶんここだったんでしょうね」

何百人が列席しても、それが“その人らしい”弔いとは限らない。
たった数人でも、想いがこもっていれば、それはかけがえのないセレモニーになる。

この回で強く描かれたのは、「葬儀とは何か」「人が見送られる意味とは何か」という深いテーマだった。
「お別れの場」ではなく、「ありがとう」と言うための場所。
そしてそれを、遺族とともに“手づくり”していくのが、エンジェルハースの仕事なのだ。

ふたつの葬儀を対比的に描きながら、決してどちらも否定しない。
「人の死には、その人の物語がある」
それを静かに、でも確かに受け止める那美たちの姿に、胸が熱くなった。

社葬にも、町の食堂にも。
そこに“誰かを想う気持ち”がある限り、それは等しく尊い。
この第3話を観て、私はひとつ、死が怖くなくなった気がした。

地上波で観る『エンジェルフライト』──配信では届かなかった“温度”がある

このドラマが、いま、NHK地上波で放送されていることには、特別な意味があると思う。
2023年にAmazon Prime Videoで配信されたあと、2024年にBSで放送。
それを経て、2025年5月──ようやく“すべての人のテレビ”に届くようになった。

NHK総合での地上波放送は、毎週土曜よる10時。
ちょうど一日が終わり、少し疲れた心がやわらぐ時間帯だ。
そんな時間にこのドラマがあるというのは、誰かの一週間を救っている気がしてならない。

地上波での視聴には、配信と違う“温度”がある。
テレビをつけると、ふと流れてくるあの主題歌。
家族と、恋人と、あるいは一人で…
「偶然、観てしまった」という出会いが、きっと誰かの涙腺をそっと溶かしている。

この作品は、そうやって届いていくべき作品だと思う。
だからこそ、地上波放送が始まった今、改めて多くの人に届いてほしい。

『エンジェルフライト』は何話まで？──全6話、それぞれが“誰かの人生の章”

このドラマは全6話構成。
ただし、連ドラによくある“続きもの”ではない。
それぞれの回が、ひとつの命にまつわる独立した物語として描かれている。

第1話ではスラムで命を落とした青年、
第2話ではテロに巻き込まれた支援者たち、
第3話では社葬と定食屋の女将。

どれもフィクションでありながら、驚くほどリアルに胸に刺さる。
それはきっと、「誰かの死は、誰かの物語の中で生きている」からだ。

全6話、それぞれが濃密で、それぞれが“誰かの人生の証”。
すべてを観終えたとき、きっとあなたの中に、「生きる意味」がひとつ増えているはずだ。

【まとめ】命は終わらない。人の想いがある限り、物語は届き続ける。

『エンジェルフライト』というドラマを、単なるヒューマン作品と呼ぶには、あまりにも尊すぎる。
これは、「命の証を、命のままに届ける物語」だ。

海外で亡くなった誰かの遺体を、日本に送還する。
その工程は事務的で、過酷で、静かな戦いだ。
でも、そこには確かに、命を背負う覚悟があった。
那美、高木、柊──彼らの手で、“死”が“再会”に変わる瞬間を、私たちは何度も目撃した。

第1話で父親が拒んだ遺体が、生きた証として帰ってきたあの瞬間。
第2話で「やっと泣けた」と呟いた母親の声。
第3話で、味噌汁の味が語る女将の人生。
すべてが、ドラマではなく“現実の祈り”のようだった。

私たちは普段、死を遠ざけて生きている。
でも、この作品は静かに、そして確かに教えてくれる。
死の隣には、想いがある。
そしてその想いは、誰かの手によって、確かに「生」へと再生されるのだと。

『エンジェルフライト』を観ると、大切な人に会いたくなる。
言葉にできない“ありがとう”を伝えたくなる。
誰かを失った過去も、まだ出会えていない未来も、全部がいとおしく思えてくる。

もしあなたがこの記事に辿り着いたのなら、きっと何かを感じているはずだ。
その感情を大切にして、このドラマを観てほしい。
そして、あなたの大切な人と、静かに語り合ってほしい。

命は終わらない。
人が想い続ける限り、それは物語になって生き続ける。