『VIVANT』のモンゴル語とドラム音声アプリは、“通じなさ”を物語の緊張と愛着に変えた演出です。
TBS日曜劇場『VIVANT』で印象に残った「バルカ語」は、架空国家バルカを現実の場所のように見せるための多言語演出でした。
この記事では、「VIVANTのバルカ語はモンゴル語なのか」「ドラムの音声アプリの声は誰なのか」「ドラムはなぜ喋らないのか」という3つの疑問を、公式情報と報道をもとに整理します。
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VIVANTのバルカ語はモンゴル語?まず結論を整理
『VIVANT』のバルカは架空の国ですが、作中の異国感を支えた言語演出にはモンゴル語が深く関わっています。
TBS Program Catalog「VIVANT」では、放送期間が2023年7月16日から9月17日までであること、主演が堺雅人さんで、阿部寛さん、二階堂ふみさん、松坂桃李さん、役所広司さんらが出演したこと、そして中央アジアの架空国家バルカを舞台に乃木憂助が送金ミスの回収へ向かう物語であることが紹介されています。TBSコンテンツ
また、TBSチャンネル「VIVANT」番組データでは、全10話、制作年2023年、制作はTBS、原作・演出は福澤克雄さん、プロデューサーは飯田和孝さん、大形美佑葵さん、橋爪佳織さん、脚本は八津弘幸さん、李正美さん、宮本勇人さん、山本奈奈さんと記載されています。TBS
検索で来た人がまず知りたい要点をまとめると、こうです。
疑問 答え 作品上の意味
VIVANTのバルカ語はモンゴル語? バルカは架空国家だが、モンゴルロケやモンゴル語台詞が作品の異国感を支えた 架空の国に“実在する土地の手触り”を与えた
ドラム音声アプリの声は誰? 林原めぐみさん。TBS公式キャストにも「林原めぐみ(声の出演)」と掲載 機械音声のはずなのに、温かさとユーモアが生まれた
ドラムはなぜ喋らない? 日本語は理解するが話せず、スマートフォンの音声アプリで会話する設定 表情・動き・沈黙の演技が際立った
続編でも注目? 2026年7月26日から第2シーズンが放送予定 多言語演出とドラムの役割が再び重要になる可能性がある
僕がこの演出に惹かれるのは、外国語も音声アプリも、ただの「分かりにくさ」では終わらせていないからです。
言葉がすぐ届かない。
声が直接聞こえない。
それでも、人物の行動や表情から何かが伝わる。
『VIVANT』は、この不完全さをサスペンスの武器にしながら、キャラクターへの愛着にも変えていました。
第1話と第2話で何が起きた?モンゴル語と翻訳演出が作った緊張感
『VIVANT』の多言語演出が強く効いたのは、第1話から乃木憂助がバルカ共和国へ飛び込む構造だったからです。
TBSチャンネルの第1話紹介では、丸菱商事の乃木が誤送金された140億円を取り戻すため、バルカ共和国へ向かうと説明されています。さらに、乃木は爆破犯に間違われ、公安警察の野崎守、医師の柚木薫と出会う流れが紹介されています。TBS
ここで重要なのは、乃木たちが置かれる状況が「お金のトラブル」だけではないことです。
現地警察に追われる。
異国の言葉が飛び交う。
誰が味方で、誰が敵なのか分からない。
第1話の逃走劇は、視聴者に「言葉が分からない場所に放り込まれる感覚」を体験させました。
字幕を読む目線は、知らない街で標識を探す目線に似ています。
どこへ進めば安全なのか。
誰の言葉を信じていいのか。
画面の奥で聞こえるモンゴル語の響きは、物語の道路に霧をかけるような役割を果たしていました。
第2話では、その「言葉の謎」がタイトルそのものへつながります。
TBS公式「第2話 2023.7.23 ONAIR」のあらすじでは、野崎がザイールの残した「ヴィヴァン」という言葉に引っかかり、その謎が明かされて物語が動き出すと紹介されています。TBS
つまり『VIVANT』では、外国語や翻訳は背景ではありません。
物語を進める鍵そのものです。
「ヴィヴァン」とは何か。
聞き間違いなのか。
何かの組織名なのか。
それとも、人を指す言葉なのか。
この“言葉の意味を探す時間”が、サスペンスを加速させていました。
僕はここに、福澤克雄さんの演出の強さを感じます。
海外ロケの広さだけでスケールを見せるのではなく、言葉のズレで視聴者の足元を揺らす。
画面は広いのに、意味はすぐには届かない。
その距離感が、バルカという架空国家を「本当にありそうな場所」にしていたのだと思います。
松坂桃李も苦戦したモンゴル語|俳優の演技に加わった“音のリアリティ”
『VIVANT』のモンゴル語が印象に残った理由は、俳優たちが言葉を「設定」ではなく「身体」で引き受けていたからです。
日刊スポーツ「『VIVANT』松坂桃李が『モンゴル語』に大苦戦明かす…」2023年9月12日配信の記事では、黒須駿役の松坂桃李さんが、作品でモンゴル語を話す必要があり、始めたときは「しゃべれないかも」と思うほど難しかったと語ったことが報じられています。松坂さんは、日本語とは違う舌の使い方に苦労し、堺雅人さんをはじめ共演者が流ちょうに話していたため、自分もついていかなければと思って練習したとも話しています。日刊スポーツ
これは、かなり大きな意味を持つ証言です。
外国語の台詞は、意味を暗記すれば終わりではありません。
発音。
呼吸。
相手の台詞を聞く間。
言葉を理解したように見せる表情。
すべてが演技になります。
日本語の台詞なら、俳優は感情の温度を細かく調整できます。
けれど、慣れない言語では、音を正確に置くだけでも集中力を使う。
そのうえで、黒須駿としての冷静さ、別班としての緊張感、乃木との距離感を乗せなければならない。
だからこそ、バルカ編の会話には独特の張りがありました。
僕は、モンゴル語の台詞が流れるたびに、画面の奥にある稽古の時間を想像します。
ほんの数秒の台詞でも、その裏には何度も舌を動かし、現地の音に近づけようとした時間がある。
ドラマのリアリティは、砂漠や草原の広さだけで生まれるものではありません。
一つの音を正しく置こうとする俳優の努力が、架空国家バルカの地面を固めていたのだと思います。
また、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の「モンゴル語」解説では、モンゴル語はモンゴル国のほか、中国の内モンゴル自治区などでも話され、広い意味ではブリヤート語やカルムイク語も方言に数えられると説明されています。モンゴル語全体の話者数は約700万人と推定されています。アジア・アフリカ言語文化研究所 言語研修オンライン|東京外国語大学
つまり、視聴者にとっては“異国の音”でも、どこかの誰かにとっては生活の言葉です。
『VIVANT』の言語演出が効いたのは、そこに現実の言葉の重みがあったからです。

ドラム音声アプリの声は誰?林原めぐみ起用が生んだ愛されキャラ
ドラムの音声アプリの声は、声優の林原めぐみさんです。
TBS公式「キャスト&スタッフ」ページには、富栄ドラムさんとともに「林原めぐみ(声の出演)」と明記されています。TBS
スポニチアネックス「日曜劇場『VIVANT』 声優・林原めぐみの斬新“アプリ出演”にネット湧く」2023年7月16日配信の記事では、林原さんの出演が、野崎守の仲間であるドラムが持つスマートフォンアプリの声だったと報じられています。同記事では、ドラムは日本語が分かるものの話すことができず、アプリの音声アナウンスで乃木たちと会話していたと説明されています。スポニチ Sponichi Annex
この設定は、初回からとても強く機能しました。
第1話のバルカ逃走劇は、爆破、追跡、誤認逮捕の危機が重なる重い展開です。
そこに、大柄で有能なドラムが登場する。
しかも本人は喋らず、スマホから林原めぐみさんの明るい声が流れる。
このギャップが、作品全体の空気を一瞬だけ柔らかくしました。
緊張が続く場面で、ドラムの音声アプリが鳴る。
視聴者は少し笑える。
でも、物語の危険度は下がらない。
ここがうまいのです。
ただのコメディリリーフではなく、サスペンスの呼吸を整える存在になっていました。
シネマトゥデイ「『VIVANT』“ドラムの声”誕生秘話 林原めぐみ起用の裏側、プロデューサーが告白」2023年9月16日配信の記事では、飯田和孝プロデューサーが、ドラムの声は最初から女性の声にする方針で、さまざまな役を演じ分けてきた林原さんにオファーしたと説明しています。シネマトゥデイ
この判断は、かなり戦略的です。
もしドラムのアプリ音声が無機質な機械音声だけだったら、便利な小道具で終わっていたかもしれません。
でも、林原さんの声になったことで、スマホはドラムの“もう一つの表情”になりました。
声を出さない人物なのに、声で記憶される。
機械音声の形をしているのに、人の温度がある。
この矛盾が、ドラムを『VIVANT』屈指の愛されキャラクターに押し上げたのだと僕は考えます。

ドラムはなぜ喋らない?無言キャラクター設計と場面別の見どころ
ドラムが喋らない理由について、劇中で詳しい医学的説明が長く語られているわけではありません。
確認できる設定としては、ドラムは日本語を理解しているが話すことができず、スマートフォンの読み上げアプリで会話する人物として描かれています。スポニチアネックスの2023年7月16日配信記事や、ITmedia NEWSの2023年8月29日配信記事でも、この設定が説明されています。スポニチ Sponichi Annex+1
ここで大切なのは、「喋らないキャラクター=情報量が少ない」ではないことです。
むしろ、ドラムは言葉を制限されたことで、情報量が増えています。
スマホを差し出すタイミング。
相手を見つめる目。
危険を察知したときの動き。
音声が流れるまでの一拍。
そこに、台詞以上の演技が宿っていました。
場面別に見ると、ドラム音声アプリの役割は分かりやすくなります。
- 第1話の逃走場面
野崎の仲間として乃木や薫を支え、緊迫したバルカ脱出劇の中で存在感を見せる。音声アプリが入ることで、危機の中に一瞬の緩急が生まれる。
- 第2話以降の情報戦
「ヴィヴァン」の謎が動き出し、誰の言葉を信じるかが重要になる中で、ドラムは多くを語らず行動で信頼を積み重ねる。
- 日常的な会話場面
「私はドラムです よろしくね」「超キケン! 超キケン!」のような音声フレーズが、キャラクターの記憶を視聴者のスマホ文化にまで広げた。
ITmedia NEWS「『VIVANT』ドラムのLINEスタンプ発売 フルボイスで『超キケン! 超キケン!』 CV:林原めぐみ」2023年8月29日配信の記事では、公式LINEスタンプ「VIVANTボイススタンプ」が発売され、ドラムの音声入りスタンプが24種類用意されたことが報じられています。同記事では、スタンプに「私はドラムです よろしくね」「何かあったの?」「超びっくり! 超びっくり!」「超キケン! 超キケン!」などが含まれると紹介されています。ITmedia
これは、ドラマの小道具が現実の会話へ飛び出した例です。
作中の音声アプリが、LINEスタンプという形で視聴者の日常に移動した。
つまりドラムは、画面の中だけで完結しなかったのです。
僕はここに、現代ドラマらしいキャラクター設計を感じます。
昔のドラマなら、印象的な台詞が真似されました。
『VIVANT』では、声を出さない人物の“アプリ音声”が真似され、共有され、スタンプとして使われた。
これは、キャラクターの記憶が「名台詞」から「音声体験」へ広がった瞬間でした。
富栄ドラムさん自身の身体性も、ドラムの説得力を支えています。
HugKum「『VIVANT』の役名“ドラム”を芸名に!本格役者デビューした元力士・富栄ドラムに直撃」2023年12月22日配信の記事では、富栄ドラムさんが元力士であり、バルカ警察のエキストラオーディションをきっかけに福澤監督と出会い、ドラム役につながったことが紹介されています。HugKum
声を出さない役なのに、画面に出た瞬間に頼れる。
それは、富栄さんの体格、動き、表情の大きさがあったからです。
無言の人物が物語を支えるには、身体が言葉の代わりにならなければならない。
ドラムは、その条件をしっかり満たしていました。
考察:VIVANTの多言語演出と音声アプリは何を意味したのか
ここからは、僕の考察です。
『VIVANT』のモンゴル語とドラム音声アプリは、別々の演出に見えて、実は同じテーマを支えていたと考えています。
それは、言葉が完全には通じないとき、人は何を信じるのかというテーマです。
バルカのモンゴル語は、視聴者に「分からない場所へ来た」という感覚を与えました。
字幕を追いながら状況を理解する体験は、乃木たちの不安と重なります。
一方、ドラムの音声アプリは、「言葉を直接発しない人物でも、人とつながれる」ことを見せました。
この二つは、どちらも“言葉の不完全さ”を描いています。
ただし、『VIVANT』はそれを弱点として描いていません。
言葉が分からないから、表情を見る。
声が出ないから、行動を見る。
字幕が一拍遅れるから、疑念が生まれる。
音声アプリが鳴るから、緊張の中に余白が生まれる。
この設計は、サスペンスとしても人間ドラマとしても強いです。
海外ロケ作品では、つい風景の壮大さに目が行きます。
けれど、僕が『VIVANT』でより重要だと感じるのは、風景よりも「翻訳の遅れ」です。
言葉がすぐに理解できない。
意味が少し遅れて届く。
その数秒が、視聴者に「自分も現場にいる」という感覚を与えます。
これは、国内を舞台にした日曜劇場とは違う緊張の作り方です。
たとえば企業ドラマでは、会議室の言葉、数字、契約書が緊張を生みます。
しかし『VIVANT』のバルカ編では、そもそも言葉の前提が揺らいでいる。
誰かの発言が正しいのか。
翻訳が正しいのか。
沈黙は拒絶なのか、信頼なのか。
そこを読ませるドラマになっていました。
ドラムは、そのテーマをやわらかく背負った人物です。
彼は多くを語りません。
でも、行動で信頼を作る。
スマホの音声で場を和ませる。
声がないことを、存在感の弱さにしない。
僕はここに、『VIVANT』の優しさを感じます。
人は、流ちょうに話せるから信頼されるわけではありません。
説明がうまいから、誠実なわけでもありません。
危険なときに動けるか。
相手のためにそこにいられるか。
ドラムは、その答えを台詞ではなく身体で示していました。
そして2026年の第2シーズンでも、この言語演出は注目点になります。
TBS公式「はじめに」では、『VIVANT』続編が2026年の日曜劇場に帰ってくること、前作のラストシーンから直結する一続きの物語になることが紹介されています。TBS
さらにTBS公式「お知らせ」2026年6月15日掲載の番組概要では、『VIVANT』第2シーズンが2026年7月26日スタート、毎週日曜よる9時から放送されること、2クール連続で放送されること、新キャストとして宮下今日子さんとTanapak Jongjaipharさんの出演が発表されたこと、TVer、TBS FREE、U-NEXTで見逃し配信されることが案内されています。TBS
続編で国境や組織の範囲がさらに広がるなら、言語のズレ、翻訳の遅れ、字幕に出ない本音は、より重要な伏線になるはずです。
特にドラムについては、音声アプリを単なる人気要素として消費しないでほしいと僕は思います。
彼が喋らないことには、すでに物語があります。
もし第2シーズンでドラムの過去や内面に踏み込むなら、それは“声を出すかどうか”だけのサプライズではなく、彼がどんな方法で人とつながってきたのかを描く場面であってほしい。
長い沈黙のあとに差し出されるスマホ。
そこに流れる一言。
それだけで、人の心は動くことがあります。
『VIVANT』は、そのことをよく知っているドラマでした。

まとめ:VIVANTのモンゴル語とドラム音声アプリは“言葉のドラマ”だった
『VIVANT』のバルカ語演出は、架空国家バルカを現実味のある舞台に見せるための重要な仕掛けでした。
モンゴル語の響き、字幕を追う緊張、翻訳の一拍の遅れが、乃木たちの不安と視聴者の体験を重ねていました。
一方、ドラムの音声アプリは、喋らないキャラクターに強烈な個性を与えました。
富栄ドラムさんの身体性、林原めぐみさんの声、スマホを差し出す沈黙の間。
そのすべてが重なり、ドラムは『VIVANT』を象徴する愛されキャラクターになりました。
僕は、『VIVANT』の本当の面白さは「派手な展開」だけではなく、言葉が足りない場面にこそ宿っていたと思います。
通じないから、見つめる。
話せないから、動く。
翻訳されるから、疑う。
音声アプリだから、なぜか温かい。
ドラマが終わったあとも、僕の耳にはまだ、バルカの異国の響きとドラムのやさしい音声が残っています。
それはきっと、『VIVANT』がただの冒険ドラマではなく、“人はどう伝え、どう信じるのか”を描いた言葉のドラマだったからです。
よくある質問
VIVANTのバルカ語はモンゴル語ですか?
バルカは架空国家ですが、モンゴルロケやモンゴル語の台詞が作品の異国感を支えています。
松坂桃李さんも『VIVANT』でモンゴル語を話す必要があり、日本語とは違う舌の使い方に苦労したと語っています。日刊スポーツ
VIVANTのドラム音声アプリの声は誰ですか?
ドラムの音声アプリの声は、声優の林原めぐみさんです。
TBS公式キャストページにも「林原めぐみ(声の出演)」と掲載されています。TBS
VIVANTのドラムはなぜ喋らないのですか?
ドラムは日本語を理解していますが、自分では話せず、スマートフォンの読み上げアプリで会話する設定です。
劇中で詳しい医学的理由が長く説明されているわけではありませんが、この設定によって、表情、動き、音声が流れるタイミングが際立ちました。
VIVANT続編はいつから放送されますか?
TBS公式情報では、『VIVANT』第2シーズンは2026年7月26日スタート、毎週日曜よる9時から放送予定です。
第2シーズンは前作ラストシーンから直結する一続きの物語として案内されています。TBS+1
WRITER: 岸本 湊人
観たいものが見つからない…
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