『VIVANT』は、壮大な映像と予測不能な展開を楽しめる人には面白い一方、濃い演出や国家観には好みが分かれる作品です。
Filmarksでは2026年7月25日10時台の確認時点で、評価は5点満点中4.3、レビュー数は72,188件。さらに新着レビュー30件を分類すると、高評価の中心は「再視聴しても面白い構成」と「先を読ませない展開」にありました。
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『VIVANT』は面白い?評価4.3とレビュー調査の結論
『VIVANT』は、2023年7月16日から9月17日までTBS系「日曜劇場」で放送された全10話のオリジナルドラマです。
主演の堺雅人さんをはじめ、阿部寛さん、二階堂ふみさん、松坂桃李さん、役所広司さん、二宮和也さんら、主役級の俳優が集結しました。
物語の発端は、大手商社・丸菱商事で起きた巨額誤送金です。
本来は1,000万ドルだった送金額にゼロが一つ加えられ、バルカ共和国のGFL社へ1億ドルが送られます。差額は9,000万ドルでした。
誤送金の責任を追及された乃木憂助は、金の行方を追って中央アジアの架空国家・バルカ共和国へ向かいます。
しかし、企業不正を調べる経済ドラマとして始まった物語は、爆破事件、公安警察、国際組織「テント」、そして秘密裏に活動する「別班」を巻き込み、国家規模のサスペンスへ姿を変えていきました。
Filmarksの評価分布はどうなっている?
2026年7月25日10時台にFilmarksの作品ページを確認した時点では、次の数字が表示されていました。
- 総合評価:5点満点中4.3
- レビュー数:72,188件
- 4.1~5.0点:63%
- 3.1~4.0点:33%
- 2.1~3.0点:3%
- 1.0~2.0点:1%
3.1点以上の割合は、単純合計で96%です。
ただし、この数字を日本の全視聴者へそのまま当てはめることはできません。
Filmarksへ評価を投稿するのは、ドラマを積極的に視聴し、感想を記録する人が中心です。途中で離脱した人や、評価を投稿しない人の意見は十分に反映されない可能性があります。
それでも、7万件を超える評価が集まった状態で4.3を維持していることは、投稿者の間で高く支持されている可能性を示す材料になります。
新着レビュー30件をどう調査した?
総合点だけでは「なぜ面白いのか」「どこが合わないのか」が見えません。
そこで今回は、2026年7月23日22時23分から7月25日10時42分までに投稿され、Filmarks上で本文を確認できた新着レビュー30件を抽出しました。点数だけで本文がない投稿は対象外とし、同じレビューは重複して数えていません。
30件のうち、数値評価を付けていたのは21件です。
そのうち20件が3.1点以上で、2.1~3.0点だった投稿は1件。残る9件には数値評価がありませんでした。
レビュー本文は、一つの投稿を複数の論点へ分類しています。そのため、下表の合計は30件を超えます。
レビューで確認した主な論点 該当件数
続編前の初視聴・再視聴・復習 18件
展開の読めなさ・どんでん返し・一気見 11件
キャストや演技への言及 5件
海外ロケ・映像・スケール 4件
国家・愛国的な表現への違和感 4件
序盤や後半のテンポ・入りづらさ 3件
演技や演出の強さへの違和感 3件
この30件は無作為抽出した大規模調査ではなく、続編放送直前に表示された新着投稿の小規模な定点観測です。
したがって、件数を視聴者全体の割合として扱うことはできません。それでも、現在どのような理由でシーズン1が見直され、何に賛否が生じているかを知る補助材料にはなります。

『VIVANT』が面白いと評価される3つの理由
『VIVANT』の高評価を支えているのは、映像のスケール、物語の反転、俳優陣の説得力です。
新着30件では、単に「豪華だった」という感想以上に、続編前に見直しても展開へ引き込まれたという投稿が目立ちました。
1.モンゴルロケが生んだ圧倒的な映像
バルカ共和国の場面は、主にモンゴルで撮影されました。
広大な砂漠や草原、車両を使った逃走劇、大勢のエキストラ、爆発を伴うアクションが、第1話から惜しみなく映し出されます。
新着30件でも、海外ロケや映像の規模に直接触れた投稿は4件ありました。
特に評価されていたのは、モンゴルの風景、大人数のエキストラ、ドローン撮影、日本の連続ドラマとしては珍しい規模感です。
ドローンによる俯瞰映像では、乃木たちが広大な砂漠の中へ小さく置かれます。
僕は、この画面設計が単なる観光映像ではなく、言葉も常識も通じない土地で乃木が孤立している状況を伝えていたと感じました。
風景を大きく撮るほど、人間は小さく見えます。
『VIVANT』の海外ロケは、制作規模を見せるためだけではなく、乃木が置かれた危機と孤独を一枚の映像で理解させる役割を果たしていました。

2.第4話で物語の正体が変わる
『VIVANT』最大の特徴は、視聴者が理解していた物語の枠組みが途中で何度も更新されることです。
第1話から第3話までは、巨額誤送金の真相を追う企業サスペンスと、バルカ共和国からの脱出劇が中心でした。
ところが、第4話で「別班」という存在が前面へ出ると、乃木憂助という人物の見え方まで変わります。
それまで気弱な商社マンに見えていた乃木の表情、言葉、判断を、視聴者は最初から点検し直さなければなりません。
第5話以降は、別班、公安、テント、各組織へ協力する「モニター」が交差します。
誰が味方なのかだけでなく、味方に見える人物が何を隠しているのかまで考えさせる構造です。
新着30件では、展開の読めなさ、どんでん返し、一気見したことなどに触れた投稿が11件ありました。
なかには、主人公の正体を知る場面が最も盛り上がったという感想もあれば、その後も反転が続くことを評価する感想もあります。
『VIVANT』は、単に秘密を隠して驚かせる作品ではありません。
正体が明かされるたびに、それまでの乃木の行動へ新しい意味を与える。この「過去の場面を書き換える仕掛け」が、再視聴との相性を高めています。
3.堺雅人・阿部寛・役所広司らの演技
登場人物の所属や目的が何度も変わる作品は、俳優の演技に説得力がなければ成立しません。
堺雅人さんは、気弱な商社マンとしての乃木、任務を遂行する別班員としての乃木、父親を前にした息子としての乃木を演じ分けました。
乃木の内面に現れる「F」との会話も、恐怖や迷いを視覚化する仕掛けです。
阿部寛さん演じる野崎守は、豪快な行動力と鋭い観察力を併せ持っています。
情報量の多い物語の中で、野崎が視聴者に近い疑問を抱くため、彼の推理がストーリーを理解する足場になりました。
役所広司さんが演じたノゴーン・ベキは、国際組織の指導者としての厳しさと、父親として捨て切れない情を静かな演技で表現しています。
新着30件では、キャストや演技へ触れた投稿が5件ありました。
配役全体や阿部寛さんの存在感を評価する声がある一方、堺雅人さんの強い表情や台詞回しが苦手だという感想も確認できました。
ここには、『VIVANT』の特徴がよく表れています。
俳優の演技は作品を支える大きな強みですが、その力強さ自体が、自然な会話劇を好む人には濃く感じられるのです。
『VIVANT』は面白くない?低評価の理由を検証
Filmarksの総合評価は高いものの、『VIVANT』がすべての人に合うわけではありません。
今回の新着レビュー30件では、低評価の理由が「物語に現実味がない」という一点へ集中していたわけではありませんでした。
むしろ目立ったのは、テンポの変化、演技や演出の強さ、国家をめぐる表現への違和感です。
序盤や後半のテンポが合わない
新着30件のうち、序盤への入りづらさや場面の長さ、途中の失速感に触れた投稿は3件ありました。
砂漠の場面を長いと感じた人もいれば、何度か視聴へ挑戦しても作品に入れなかった人、序盤より正体判明後のほうが面白かったという人もいます。
一方で、序盤の逃走劇こそ最も面白かったという投稿もありました。
つまり、視聴者によって評価の頂点となる場所が違います。
第1話から第3話までは、逃走、爆破、国境越えという身体的な危機が続きます。
第7話以降は、乃木の過去、ベキとの親子関係、テントの目的、ノコルとの関係など、会話と心理の比重が高くなりました。
前半の速度を求める人には、後半が説明中心に見えます。
反対に、乃木とベキの家族劇を重視する人には、後半で初めて物語の感情的な核が見えてくるでしょう。
僕は、後半で速度を落とす判断自体は必要だったと考えます。
ただし、設定や過去を説明する台詞が一部へ集中したため、映像で危機を見せる前半よりも重く感じられたことは否定できません。
演技や音楽の強さが大げさに見える
新着30件では、演技や演出の強さに違和感を示した投稿が3件ありました。
堺雅人さんの表情や台詞回し、人物の感情を強く押し出す演出、制作側の狙いが前面へ出る作りを苦手とする意見です。
『VIVANT』では、顔のアップ、緊迫した編集、千住明さんによる劇伴などを使い、驚きや決意を明確に伝えます。
この濃さを「日曜劇場らしい迫力」と受け取る人もいれば、「感情の方向を決められている」と感じる人もいます。
余白の多い海外ドラマや、静かな会話劇を好む人には、演出が過剰に見える可能性があります。
ただし、複数の組織と多数の登場人物が動く作品では、短い時間で視聴者へ感情の位置を伝える必要もあります。
演技や音楽の強さは、単純な欠点ではありません。
情報量の多い物語を、幅広い視聴者が追える形へ翻訳する方法でもあったと僕は見ています。
国家や愛国的な表現には賛否がある
今回の新着レビュー30件で、最もはっきり共通していた批判的論点が、国家や愛国的な表現でした。
神田明神、国防、日本を守る使命などの描写へ違和感を示した投稿は4件あります。
作品内には、赤飯、日本家屋、神社、家紋、饅頭、桜など、日本や故郷を連想させる要素が繰り返し配置されました。
これらを、海外で生きてきたベキや乃木の故郷への思いとして受け止める人もいます。
一方で、別班や公安が国家を守る側として描かれるため、特定の価値観を強く肯定しているように見えた人もいました。
ただし、『VIVANT』は国家に守られた人物だけを描いているわけではありません。
ベキは日本の警察官でありながら、海外で見捨てられた経験を持ちます。テントが支援する孤児たちも、国家や社会の仕組みからこぼれ落ちた存在です。
国を守る任務と、国に守られなかった人々への感情が衝突する。
僕は、この矛盾こそ『VIVANT』が最後まで抱えていた重要な問いだと考えています。

視聴規模・配信・受賞歴でも支持された?
Filmarksの評価だけでは、感想を投稿する人の意見へ偏る可能性があります。
そこで、テレビでの視聴規模、配信実績、受賞歴という異なる指標も見る必要があります。
TBSの番組情報では、タイムシフトを含むシーズン1のテレビ放送総視聴人数は6,000万人を超えたと説明されています。
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続編を前に実施された2026年3月22日から4月18日までの期間限定無料配信も、全10話で450万再生を超えました。
この再配信は6月5日から再び行われており、放送から約3年後にも新規視聴と再視聴が発生していたことが分かります。
受賞歴では、「東京ドラマアウォード2024」の連続ドラマ部門でグランプリを受賞しました。
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