『豊臣兄弟!』の最新放送は、2026年8月16日の第31回「これで、お別れにございます」です。
清須会議後、秀吉と柴田勝家の対立は決定的となり、市の再婚、三法師をめぐる争い、信長の葬儀が新たな政治戦の焦点になりました。次回第32回「賤ケ岳の決闘」は8月23日放送予定で、8月19日時点ではまだ未放送です。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア+1
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『豊臣兄弟!』最新話は第31回|8月19日時点で何が起きている?
まず、最新話までの現在地を整理します。
項目 2026年8月19日時点
最新放送 第31回「これで、お別れにございます」
放送日 2026年8月16日
主な状況 秀吉と柴田勝家の対立が激化
市 柴田勝家と結婚
三法師 信孝が岐阜へ連れていく
次回 第32回「賤ケ岳の決闘」
次回放送予定 2026年8月23日
第32回の扱い 未放送。公式予告の内容のみ判明
第31回では、清須会議後に存在感を強めた秀吉に対し、市が柴田勝家へ嫁ぐという大きな決断を下します。
さらに織田信孝が、幼い織田家当主・三法師を岐阜へ連れていったことで、織田家の主導権争いは一気に緊迫しました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
小一郎は三法師を取り戻そうと織田家の重臣たちへ協力を求めます。
しかし簡単には味方を得られず、そこで浮上するのが、信長の葬儀を大々的に行い、関係者を一堂に集めるという策でした。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
ここが、第31回の重要なところです。
戦いの舞台が「敵の城を落とすこと」から、誰が信長の後継者として振る舞い、誰が織田家の主導権を握るのかという政治の世界へ変わっています。
『豊臣兄弟!』は2026年のNHK大河ドラマ第65作。1月4日に第1回が放送され、仲野太賀さん演じる小一郎、のちの豊臣秀長を主人公に、池松壮亮さん演じる兄・秀吉との下剋上が描かれています。脚本は八津弘幸さんです。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
僕が第31回まで見てきて強く感じるのは、本能寺の変がこの物語の終着点ではなかったことです。
むしろ信長がいなくなった瞬間から、兄弟は「命令された天下取り」ではなく、自分たちの意思で進む天下取りを始めました。
その変化を頭に置いて第1回から振り返ると、小一郎の成長が一本の線として見えてきます。
『豊臣兄弟!』第1回~第10回ネタバレ|百姓から信長の天下へ
第1回「二匹の猿」
物語の出発点は尾張・中村です。
百姓として暮らしていた小一郎の村が野盗に襲われ、直が連れ去られそうになったところへ、8年前に村を出た兄・藤吉郎が帰ってきます。織田信長に仕えていた藤吉郎は、小一郎にも自分の家来にならないかと持ちかけました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
小一郎は最初から天下を欲しがっていたわけではありません。
「目の前の人を守りたい」という小さな思いから始まった男が、やがて天下を支える存在になる。この距離こそ、『豊臣兄弟!』の面白さです。
第2回「願いの鐘」
直の縁談が決まり、小一郎の心は大きく揺れます。
一方、信長は尾張統一を目指して岩倉方との戦いを進めていました。直の祝言の日にも思いがけない出来事が起こり、小一郎が村だけを見て生きる未来は崩れ始めます。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第3回「決戦前夜」
小一郎、藤吉郎、直が清須へ向かう一方、今川義元の大軍が尾張へ進軍します。
直は寧々の侍女となり、兄弟の生活圏も村から清須へ拡大。小一郎は、侍になることが「戦を見る側」から「戦の結果を背負う側」へ移ることだと知っていきます。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第4回「桶狭間!」
信長は今川義元を迎え撃つため出陣します。
藤吉郎と小一郎も善照寺砦へ向かい、兄弟にとって桶狭間は天下の情勢だけでなく、父の死に関わる因縁とも向き合う戦いとなりました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
歴史上の桶狭間は信長飛躍の大事件です。
しかし小一郎の物語として見ると、「帰るはずだった普通の日常」から完全に離れてしまった瞬間にも見えます。
第5回「嘘から出た実」
信長が催した相撲で、藤吉郎と前田利家が競うことになります。
その一方で兄弟には、鵜沼の小沢次郎左衛門を味方へ引き入れるという仕事も与えられました。武勇だけではなく、相手を読み、動かす能力が求められ始めます。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
小一郎は最強の剣豪ではありません。
だからこそ、人を見る力や交渉力が「武器」として育っていく。この主人公設計が、一般的な戦国英雄譚との大きな違いです。
第6回「兄弟の絆」
小沢次郎左衛門に信長暗殺の疑いがかかり、その影響で藤吉郎の命まで危うくなります。
小一郎は兄の無実を証明するため奔走し、市にも力を借りながら、最後には信長を前に思い切った行動へ出ました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
ここで兄を支えることは、単なる出世戦略ではなくなります。
藤吉郎が前へ出るなら、小一郎はその背後に生まれる危険を引き受ける。後の羽柴兄弟を形作る関係が、はっきり見え始めた回でした。
第7回「決死の築城作戦」
藤吉郎と寧々が祝言を挙げる一方、信長の美濃攻略を進めるため、兄弟は墨俣での築城という難題に挑みます。
作戦を実現するには川並衆の力が必要となり、蜂須賀正勝や前野長康らを巻き込んでいく展開となりました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第8回「墨俣一夜城」
墨俣では、兄弟が短期間で砦を築こうと知恵を絞ります。
ただし「秀吉が一夜で巨大な城を完成させた」という有名な逸話は、史料を検討すると後世に物語が膨らんだ可能性が指摘されています。NHK財団の歴史解説でも、後世の『太閤記』などを含めて伝承の成立過程が整理されています。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
僕は、この史実との違いを知るほどドラマが面白くなると思っています。
重要なのは魔法のように城を出現させることではなく、木材、人足、輸送、水運、協力者を組み合わせる段取りの力だからです。

第9回「竹中半兵衛という男」
兄弟の前に、竹中半兵衛が現れます。
藤吉郎と小一郎は半兵衛を味方へ引き入れようとしますが、相手は簡単には動きません。信長による稲葉山城攻略も迫り、兄弟は「優秀な人物をどう味方につけるか」という新しい課題に向き合います。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第10回「信長上洛」
美濃攻略後、竹中半兵衛は藤吉郎の家臣となります。
明智光秀は足利義昭の使者として信長に上洛を求め、市と浅井長政の婚姻も進行。兄弟が関わる政治は尾張・美濃から京へと拡大しました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第1回から第10回までで、小一郎の世界は中村の村から天下へ通じる道まで広がります。
ただし小一郎自身の本質は変わっていません。前へ出るより、人と人の間に立つ。その力が少しずつ大きな舞台で必要とされるようになったのです。
『豊臣兄弟!』第11回~第20回ネタバレ|金ヶ崎・姉川・長浜へ
第11回「本圀寺の変」
信長から堺の商人への矢銭徴収を命じられた兄弟は、今井宗久らとの交渉に苦戦します。
そのころ京では三好三人衆が足利義昭のいる本圀寺を襲撃。刀や槍だけではなく、商人、金、政治を動かす能力が兄弟に求められ始めました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第12回「小谷城の再会」
足利義昭は信長の真意を疑い始めます。
藤吉郎は京の奉行を務めるようになり、兄弟は信長とともに、市が暮らす小谷城へ。織田家と浅井家を結んだ婚姻の裏側で、不穏な空気が強まっていきました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第13回「疑惑の花嫁」
小一郎は信長の意向もあり、安藤守就の娘・慶と結婚します。
しかし慶にはよくない噂があり、織田家を恨む事情も抱えていました。同じころ信長は朝倉攻めを決断し、浅井長政も難しい選択を迫られます。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
小一郎にとって、ここから「仕事」と「家庭」をきれいに分けることはできなくなります。
戦国では、誰と結婚するかさえ政治です。天下が近づくほど、私生活まで戦の地図に書き込まれていく怖さがあります。
第14回「絶体絶命!」
浅井長政の離反で、信長軍は危機に陥ります。
撤退戦の中、藤吉郎は殿を担い、小一郎にも極めて危険な役割が与えられました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第15回「姉川大合戦」
信長は足利義昭や徳川家康にも協力を求め、浅井・朝倉との決戦へ向かいます。
藤吉郎と小一郎は市を救おうとしますが、市は浅井長政と生きることを選択。やがて両軍は姉川を挟んで激突しました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
ここで僕の胸に残るのは、「味方を増やせば勝てる」という単純な話ではないことです。
敵にも家族がいる。勝てば誰かが救われ、同時に誰かがすべてを失う。その矛盾を小一郎は何度も見せつけられます。
第16回「覚悟の比叡山」
藤吉郎は宮部継潤を味方に引き入れるため動きますが、その条件として人質の問題が持ち上がります。
一方、浅井・朝倉と信長の対立は続き、比叡山延暦寺をめぐっても緊張が高まりました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
戦に勝つには冷酷な決断も必要なのか。
その問いを、小一郎が信長の近くへ行けば行くほど避けられなくなっていきます。
第17回「小谷落城」
武田信玄の死によって情勢が変化し、信長は浅井・朝倉への攻勢を強めます。
足利義昭も京を追われ、室町幕府は事実上終焉へ。織田勢力が拡大するなか、小谷城も落城へ向かいました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
歴史年表なら数行で終わる出来事です。
しかし市や浅井家の人々を通して描くと、「勢力図の塗り替え」の中に、家族が引き裂かれる痛みがあることが見えてきます。
第18回「羽柴兄弟!」
藤吉郎は織田家の家老格へ出世し、北近江を与えられ、長浜を拠点とする城持ちへ成長します。
兄弟は「羽柴」の姓を名乗り、小一郎は城下の運営にも深く関わるようになります。石田三成や藤堂高虎ら、後の羽柴家を支える人物も家臣候補として姿を見せます。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
ここは大きな転換点でした。
二人で策を考えればよかった兄弟が、今度は家臣、領民、兵糧、金、城下町まで背負うことになるからです。
第19回「過去からの刺客」
信長は家督を信忠へ譲り、安土城の建設を進めます。
秀吉は柴田勝家のもとで上杉攻めに加わりますが勝家と衝突。一方、小一郎の妻・慶には他国の武将とのつながりを疑われる問題が起こり、小一郎は彼女の過去を知ることになります。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第20回「本物の平蜘蛛」
戦線を離脱した秀吉は信長の怒りを買い、厳しい立場へ追い込まれます。
そんな中で松永久秀が再び反旗を翻し、兄弟は名物・平蜘蛛を差し出せば助命するという条件を携えて交渉へ向かいますが、久秀は応じません。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
僕が第11回から第20回までで感じるのは、小一郎の成長が「強い武将になること」として描かれていない点です。
商人と話す。
人質問題を調整する。
家族と政治の間で悩む。
領地を運営する。
敵とも交渉する。
小一郎が磨いているのは、戦を始める能力より、戦国社会を壊さずに動かす能力です。
『豊臣兄弟!』第21回~第31回ネタバレ|播磨・本能寺・清須会議
第21回「風雲!竹田城」
羽柴兄弟は荒木村重に代わって播磨方面の攻略を進めます。
黒田官兵衛の働きで播磨の国衆を味方につけながら、竹中半兵衛はさらに西へ進むことを提案。小一郎には但馬・竹田城攻略の総大将という大役が任されました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
これは見逃せない成長です。
兄の補助として戦場へ出ていた小一郎が、自ら軍を預かる段階へ進んだからです。第32回の賤ケ岳へつながる伏線としても重要に見えます。
第22回「播磨大誤算」
一度は羽柴側についた播磨の国衆が相次いで反発し、毛利・宇喜多勢の動きもあって戦況は悪化します。
秀吉は味方を残したまま撤退せざるを得ず、その罪悪感に苦しんだ末に倒れ、記憶まで失ってしまいます。小一郎は兄の記憶を取り戻そうと奔走しました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
成功する兄を支えるより、崩れた兄を支えるほうが難しい。
この回は「天下一の補佐役」が華々しい作戦だけで生まれるのではないことを、かなり痛い形で描いた回でした。
第23回「さらば半兵衛」
荒木村重が信長に反旗を翻し、説得に向かった黒田官兵衛も捕らえられます。
官兵衛に裏切りの疑いがかかると、信長は長浜にいる官兵衛の子への厳しい処置を命令。竹中半兵衛はその命を救おうと、自ら行動を起こします。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
半兵衛が残したものは、軍略だけではなかったと僕は感じます。
目先の疑いだけで人を切らず、未来に必要な人間を残す。その姿勢は、小一郎の補佐役像にも深くつながっているように見えました。
第24回「軍師官兵衛!」
幽閉が長期化した黒田官兵衛をめぐり、羽柴側は苦しい戦いを続けます。
小一郎は有岡城への補給路を断つ作戦を進め、荒木村重の妻・だしも夫へ降伏を働きかけます。事態は収束へ向かうかに見えましたが、予想どおりには進みません。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
策が正しくても、人は計算どおりに動かない。
小一郎が学んでいるのは、戦術そのもの以上に「人間を扱うことの難しさ」なのだと思います。
第25回「変事の予兆」
安土城が完成し、信長の権力が頂点へ向かう一方、家中には不穏な空気が漂い始めます。
相撲をきっかけに若い森蘭丸と古参家臣たちが対照的に描かれ、林秀貞、佐久間信盛、安藤守就らが信長から遠ざけられていく展開となりました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
合理的に不要な人間を切り続ければ、組織は一時的に強くなるかもしれません。
しかし「次は自分ではないか」という恐怖が広がった瞬間、強さは脆さにも変わります。本能寺へ向かう空気が、ここから冷たくなったように僕には感じられました。
第26回「信長を笑わせろ!」
信長は四国の長宗我部元親をめぐる方針を変更し、仲介していた明智光秀は厳しい立場に置かれます。
さらに信長は甥・信澄にも疑いを向けます。一方、羽柴家では長浜へ信長や市を招き、張り詰めた信長を何とか笑わせようとする計画が進みました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
本能寺の原因を何か一つの出来事だけで説明するのは危険です。
ドラマもまた、光秀の心を一撃で変えるのではなく、小さな亀裂を積み重ねていく構成になっています。
第27回「本能寺の変」
武田氏を破った信長は、次の戦略を進めます。
秀吉は備中で毛利方と対峙し、小一郎に信長を呼ぶ役目を頼みます。一方、安土で徳川家康をもてなす中、毒物をめぐる騒動から信長と光秀の関係はさらに悪化し、物語はついに本能寺の変へ突入しました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
信長が消えた瞬間、秀吉と小一郎は自由になった。
そう言いたくなりますが、僕にはむしろ逆に見えました。
それまでなら、最後に決断するのは信長でした。
しかしここから兄弟は、自分で選んだ道の結果を、自分で引き受けなくてはならない。
天下が近づいたのではなく、「言い訳のできない場所」に立たされたのです。
第28回「急げ!秀吉」
本能寺の変後、明智光秀側は小一郎の身柄も狙います。
小一郎は京都で身を隠しながら秀吉や長浜へ情報を送り、周辺勢力が光秀側へ流れるのを防ごうと動きました。一方、秀吉は信長の死をすぐには受け止められないまま毛利方との講和を急ぎ、畿内へ戻ることになります。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
ここで有名な「中国大返し」へ入ります。
ところが歴史研究の視点から見ると、単に大軍が超人的な速度で走り続けた、という話ではありません。
NHK財団の歴史解説では、信長自身の中国出陣に備えて街道や兵糧、馬などの準備が進んでいたこと、秀吉が移動中にも周辺武将へ働きかけて味方を増やしていたことなどが紹介されています。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
僕はここに、小一郎を主人公にする意味が凝縮されていると思います。
歴史を「秀吉がものすごく速く走った」で終わらせれば、主人公の弟は脇役になってしまう。
けれど大軍を動かすために道、食料、伝令、交渉、味方、情報が必要だったと考えれば、人と物を整える補佐役の存在が突然、歴史の中心へ浮かび上がるのです。
第29回「天下への道」
織田信孝から明智光秀討伐を任された秀吉は、山崎へ向かいます。
ただし秀吉は単に光秀を討てばよいとは考えず、話し合う余地まで模索します。その一方で、小一郎の身近な人物にも戦の犠牲が生まれ、与一郎の死は小一郎に重い罪悪感を残しました。放送後の仲野太賀さんのインタビューでも、小一郎が「自分が侍にならなければ」という思いを抱えるほど深く傷ついていることが語られています。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア+1
勝って天下へ近づくほど、小一郎の心には失った人の重さが積もっていく。
この逆方向の動きが、『豊臣兄弟!』を単純な出世物語にしない部分です。
第30回「清須会議」
8月2日の放送休止を挟み、第30回は8月9日に放送されました。cinemacafe.net
秀吉は天下を意識するようになり、小一郎とともに清須へ向かいます。
信長亡き織田家を誰が代表するのか。柴田勝家ら有力者の思惑が交錯するなか、小一郎は各武将の考えを探り、秀吉は会議前から主導権を握ろうと動きました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
ここで戦場の武器が、槍から言葉へ変わります。
誰を先に説得するか。
誰と席を囲むか。
誰の正統性を認めるか。
政治は静かです。
けれど、一つの判断で何万もの兵の行き先が変わるという意味では、戦場より怖い場所かもしれません。
第31回「これで、お別れにございます」
2026年8月16日に放送された、8月19日時点の最新話です。
清須会議後に秀吉の存在感が強まるなか、市は秀吉に対抗するため柴田勝家へ嫁ぎます。さらに信孝は、幼い当主・三法師を岐阜へ連れていきました。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
小一郎は三法師を取り戻すため重臣たちへ協力を求めますが、思うような支持は得られません。
そこで「信長の葬儀」を名目に関係者を集めるという発想が出てきます。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
この葬儀を、単なるお別れの儀式だと思うと第31回の面白さを半分しか味わえません。
実際の歴史でも、秀吉は1582年10月、大徳寺で信長の大規模な追善法会を実施しました。信長の遺体が見つからなかったため木像を棺に納め、秀吉の養子・秀勝が喪主を務めたとされています。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
一方で三法師、信雄、信孝、柴田勝家は法会に姿を見せませんでした。
誰がその場にいるのか、誰がいないのか。それ自体が、信長亡きあとの勢力関係を目に見える形にする政治的な意味を帯びます。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
さらに興味深いのが、ドラマと史実の小一郎の違いです。
ドラマでは小一郎が葬儀を利用して人を集める方向へ動きますが、歴史解説によれば、史実の小一郎は法会直前まで中国方面にいて、法会では警備責任者を担いました。蓮台野の火葬場から大徳寺までを大軍で警備したとされています。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
ここは僕が今回、最も注目したいポイントです。
小一郎の仕事は、戦場の軍略だけではなく、「大勢の人間が同じ秩序の中で動ける場所」を作ることだった。
墨俣では工事。
長浜では統治。
中国大返しでは兵站と連携。
信長の法会では警備と秩序。
扱うものは違っても、必要なのはいつも組織を壊さず動かす力です。
第31回のタイトル「これで、お別れにございます」は、市と誰かの別れだけを指しているようには僕には思えません。
信長がすべてを決めていた時代そのものとの別れ。
その意味まで含んでいるからこそ、静かなタイトルなのに重く響くのでしょう。
『豊臣兄弟!』第32回「賤ケ岳の決闘」はどうなる?公式予告を解説
第32回「賤ケ岳の決闘」は、2026年8月23日に放送予定です。
ここから先は8月19日時点ではまだ放送されていません。したがって、実際の放送内容のネタバレではなく、公開済みの公式あらすじの範囲で紹介します。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
公式予告では、秀吉は織田信雄を味方につけ、信孝との戦いに勝利。
信孝が連れていた三法師を取り戻します。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
一方、柴田勝家は雪解けを待ちながら秀吉との決戦を準備します。
前田利家のもとには思いがけない人物が訪れることも予告されており、秀吉、勝家の双方と関係の深い利家がどのように動くのかも焦点になります。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
やがて春を迎え、羽柴軍と柴田軍は賤ケ岳で対峙。
ところが、その最中に信孝が岐阜で再び挙兵したという知らせが届きます。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
秀吉は岐阜へ向かわなければならなくなります。
そして、賤ケ岳の戦線を小一郎に任せるのです。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
僕は、第32回最大の見どころは勝敗そのものより、ここにあると思っています。
第1回の小一郎は、兄に誘われなければ侍になることさえなかった百姓でした。
第21回では竹田城攻略の総大将を任されました。
そして第32回では、天下をめぐる重要な戦場で、兄がいない間の羽柴軍を預かろうとしています。
「兄についていく弟」から、「兄がいなくても家を支えられる弟」へ。
31回をかけて積み上げてきた成長が、ここで形になるわけです。

そして僕は、もう一つ先の問題も見ています。
秀吉が天下へ近づくほど、小一郎の役目は難しくなるはずです。
これまでは「兄を助ける」だけでもよかった。
しかし力を持った秀吉が判断を誤った時、同じように支え続けることが本当に補佐なのでしょうか。
小一郎は信長の近くで、圧倒的な力を持つ人間が周囲の声を聞かなくなる怖さを見てきました。
だから今後の兄弟関係で僕が見たいのは、仲の良さだけではありません。
大切な兄だからこそ、必要な時に「違う」と言えるのか。
そこまでできた時、小一郎は初めて「天下一の補佐役」になるのではないかと考えています。
秀吉がアクセルなら、小一郎は単なるブレーキではありません。
路面を読み、燃料を確かめ、乗っている人間を見ながら、車を目的地まで壊さず走らせるナビゲーターです。
墨俣一夜城も、中国大返しも、表面だけ見れば「秀吉の速さ」を象徴する物語です。
しかし史料を踏まえれば、そこには人員、物資、道路、情報、交渉といった地味な準備が存在します。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア+1
だからこそ僕は、『豊臣兄弟!』が秀吉ではなく秀長を主人公にした意味を感じます。
天下は一人の天才だけで動くのではない。
前を走る人間が歴史に名前を残すなら、その人を走らせ続けた無数の調整もまた、歴史そのものなのです。
賤ケ岳は、それが最も分かりやすく試される場所になるでしょう。
まとめ|『豊臣兄弟!』第31回は信長の時代との別れ
『豊臣兄弟!』は、尾張・中村で百姓として暮らしていた小一郎が、兄・藤吉郎とともに織田信長のもとへ入り、のちの豊臣秀長へ成長していく物語です。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
桶狭間、美濃攻略、墨俣、金ヶ崎、姉川、小谷、長浜、播磨、本能寺、中国大返し、山崎、清須会議。
そのたびに小一郎が身につけてきたものは、誰より多く敵を倒す力ではありませんでした。
人の事情を聞く。
物資を整える。
異なる意見をつなぐ。
兄が崩れれば支える。
戦う前に、別の道を探す。
その積み重ねによって、小一郎が扱う世界は「村」から「天下」まで広がっています。
2026年8月19日時点の最新放送は、8月16日の第31回「これで、お別れにございます」。
市は柴田勝家へ嫁ぎ、信孝は三法師を岐阜へ連れていき、小一郎たちは信長の葬儀を利用して状況を動かそうとします。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
次回第32回「賤ケ岳の決闘」は8月23日放送予定です。
公式予告では、信孝との争いを経て三法師を奪還した秀吉と柴田勝家が賤ケ岳で対峙。そこへ信孝再挙兵の知らせが入り、秀吉は小一郎に戦線を任せて岐阜へ向かいます。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
第1回から見ていると、この「小一郎に任せる」という展開の重さがよく分かります。
兄に誘われて侍になった男が、ついに兄のいない場所で大軍を支える。
ただ、本当の試練はその先でしょう。
秀吉がさらに強くなった時、小一郎は何を守るのか。
兄を守るのか。
羽柴家を守るのか。
それとも、兄が作ろうとしている天下で生きる人々を守るのか。
天下という山は、麓から眺めている時よりも、頂上へ近づいた時のほうが足元が険しくなります。
僕は賤ケ岳を、秀吉が天下人へ近づく戦いとしてだけではなく、小一郎が「兄の弟」から「天下を支える一人の武将」へ変わる交差点として見届けたいと思っています。
よくある質問
『豊臣兄弟!』の最新話は第何回ですか?
2026年8月19日時点の最新放送は、8月16日に放送された第31回「これで、お別れにございます」です。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
清須会議後の秀吉と柴田勝家らの対立、市の再婚、信孝と三法師をめぐる争い、信長の葬儀が物語の中心となっています。
第32回「賤ケ岳の決闘」はいつ放送されますか?
2026年8月23日放送予定です。
8月19日時点では未放送ですが、公式予告では羽柴軍と柴田軍が賤ケ岳で対峙し、信孝の再挙兵を受けた秀吉が岐阜へ向かい、小一郎に戦線を任せることが明らかになっています。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
『豊臣兄弟!』の主人公は秀吉ではなく秀長ですか?
はい。主人公は仲野太賀さんが演じる小一郎、のちの豊臣秀長です。
兄・秀吉は池松壮亮さんが演じ、天下人本人ではなく、その隣で兄を支えた「天下一の補佐役」の視点から戦国時代を描くことが作品の大きな特徴です。ステラnet | NHK財団が運営するネットメディア
ドラマが始まったころ、小一郎が見ていた世界は尾張の小さな村でした。
いま、その視線の先には天下があります。
けれど僕の胸に残るのは、見える景色が広くなっても、小一郎が最後まで「人」を見ようとしていることです。
城の前に、そこで暮らす人を見る。
軍勢の前に、そこから帰る家族を見る。
天下の前に、隣を走る兄を見る。
人生のステアリングは、速く切ればいいわけではありません。
どれほど速く走っても、向かう場所を見失えば意味がない。
賤ケ岳という大きな交差点で、小一郎は兄のいない前線を預かろうとしています。
その先で兄弟が見る天下は、信長が見た景色と同じなのか。
それとも、小一郎が隣にいるからこそ生まれる、別の天下なのか。
僕はその答えが見える瞬間まで、この兄弟の心の走行距離を見届けたいと思います。
――岸本 湊人
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