VIVANTロング予告を1カットずつ分析|隠された伏線を読み解く

月明かりの差す寝室と、遠い荒野に浮かぶ城塞のシルエットが二重写しになった夜の風景 未分類

VIVANT19話で予告から回収されたのは、和田の処刑と「奇跡の子」につながるプリシャ・ママドフの存在だった。

一方で、スーツ姿の乃木と、眠る薫の口をふさぐ手のカットは本編に登場せず、20話以降に持ち越された。

10月4日に放送された日曜劇場「VIVANT」第19話(第2シーズン9話)は、アジア大会愛知・名古屋の中継を挟んで3週間ぶりの放送だった。この記事では、予告のどのカットが本編で答えを得て、どれが宿題として残ったのかを、ネタバレありで整理する。

この記事を読むとわかること

  • VIVANT19話の予告カットのうち、回収されたものと持ち越されたもの!
  • 19話のネタバレあらすじ(和田の処刑、家族を狙う計画の失敗、プリシャ・ママドフ)
  • スーツ姿の乃木と「薫を襲う手」を、19話の事実からどう読み直すか

筆者の岸本湊人は、2023年の第1シーズンから「VIVANT」を全話リアルタイムで見届け、放送翌朝にレビューを書いている。この記事も、放送を見終えた翌朝に書いた。

  1. VIVANT19話の予告はどこまで回収された?答え合わせの結論
    1. 予告カットと19話本編の対応表
    2. 放送前の予想はどこまで当たったか
  2. VIVANT19話ネタバレあらすじ|和田の処刑と、家族を狙ったハンの誤算
    1. 前回までの流れを3行で
    2. 家族を狙う計画と、特殊作戦群の先回り
    3. 和田の処刑と、異例の注意テロップ
    4. リュウの単独行動と、タイランのもとへ
  3. プリシャ・ママドフとは誰?ジャミーンとの関係と「奇跡の子」の正体
    1. タイランが語った7年前の事件
    2. ジャミーン=プリシャと見るのが自然な理由
    3. 仮にアディエルが実父でないとすれば
  4. 予告のスーツ姿の乃木と、薫を襲う手は何を意味する?
    1. スーツ姿の乃木は、19話の時間軸に収まらない
    2. 「薫を襲う手」は、警備の内側の人物か
    3. 「守る手」か「奪う手」か、現時点の読み
  5. VIVANT19話の反響は?視聴率と見逃し配信も確認
    1. SNSの反応は「重さ」と「つながった」の二つ
    2. 視聴率と見逃し配信
  6. VIVANT20話以降はどうなる?予告の伏線と最終回までの見通し
    1. 本作の予告は「先の回の映像」を混ぜてくる
    2. 「味方の中の敵」から「敵の中の味方」へ
    3. 20話で何が描かれれば、僕の読みは確定するか
  7. VIVANT19話の予告と本編、答え合わせのまとめ
  8. よくある質問
    1. プリシャ・ママドフとは誰?
    2. 19話で処刑された和田を演じたのは誰?
    3. VIVANT19話を見逃したらどこで見られる?
  9. 参考

VIVANT19話の予告はどこまで回収された?答え合わせの結論

結論から言うと、19話は予告の「前半」しか描いていない。

予告がもっとも強く煽った2つのカット、つまりスーツ姿の乃木と、寝室で口をふさがれる薫は、本編では確認できなかった。あのロング予告は1話分の予告というより、後半戦の入り口をまとめた映像だったのだと思う。

予告カットと19話本編の対応表

予告と本編を見比べた結果を、表にまとめておく。

予告のカット19話本編での扱い判定
拷問を受け、やつれた別班員たち拷問に耐え、口を割らない5人として描写回収
別班奪還作戦の開始準備から突入直前までを描写一部回収
シャキ城内部での戦闘突入前で19話が終了持ち越し
「救世主 奇跡の子の正体」とジャミーンエリシャの娘プリシャ・ママドフの存在が判明大きく前進
スーツ姿の乃木「奴らの狙いは――」本編に該当シーンなし(筆者視聴確認)持ち越し
眠る薫とジャミーンの口をふさぐ手本編に該当シーンなし(筆者視聴確認)持ち越し

並べてみると、予告で一番ざわついた2つのカットが、そのまま次回以降の宿題になっている。

制作側は後半戦の最大の山場を19話で使い切らないよう、予告に「先の回の映像」を混ぜたのだと僕は考えている。

放送前の予想はどこまで当たったか

放送前の僕は、2つの予想を立てていた。

ひとつは、18話の訓練で壁になった赤外線センサーが、本番の突入で鍵になるというものだ。18話では、シャキ城侵入のための訓練で赤外線をなかなか突破できず、チョッキーの身体能力が作戦に欠かせないものになっていた。ただ19話は突入前で終わったので、この予想はまだ検証できない。

もうひとつは、スーツ姿の乃木は渡航前の場面で、日本の家族の危機を事前に察知していたというものだ。これも19話には登場せず、答えは保留になった。

予告から本編を当てにいくのは、半分は外れる前提で楽しむものだ。正直に言えば、今回は「外れた」というより「まだ答え合わせさせてもらえなかった」という感覚に近い。

VIVANT19話ネタバレあらすじ|和田の処刑と、家族を狙ったハンの誤算

19話をひと言でまとめると、家族を狙うシンシーと、先回りする別班の頭脳戦だ。そして、その代償として別班員の命が奪われた回でもあった。

前回までの流れを3行で

18話で、櫻井司令(キムラ緑子)から奪還断念を告げられた乃木(堺雅人)は、長野専務(小日向文世)の叱咤で立ち直り、弟ノコル(二宮和也)に協力を求めた。

ノコルはテントの全勢力で兄を支えると即答し、新庄やチョッキーも加わった最強チームでゴルバドのシャキ城へ向かう。

囚われているのは、第11話で入院先の病院から姿を消した高田明敏(市川笑三郎)、和田貢(平山祐介)、廣瀬瑞樹(珠城りょう)、熊谷一輝(西山潤)、そして黒須駿(松坂桃李)の5人だ。

家族を狙う計画と、特殊作戦群の先回り

別班員たちは激しい拷問や仲間の処刑を受けても口を割らず、シンシーは親族を狙おうとしたが、別班が事前に手を回して阻止した。

この阻止の場面で、西垣匠がエリート部隊「特殊作戦群」の隊員役でサプライズ登場し、シンシーを返り討ちにしたことも、放送直後から話題になった。

日本パートでは、岐阜に本部を置くスーパー「バロー」が映り込み、これまでも岐阜県内のロケが多い本作らしいと、場所を特定する声がXに上がった。

僕がここで感じたのは、別班という組織の底知れなさだ。18話で非情な断念を告げた櫻井司令が、裏ではしっかり家族を守る手を打っていた。冷たさと周到さが同じ人物の中にあるところが、この組織の怖さでもあり、頼もしさでもある。

和田の処刑と、異例の注意テロップ

家族を盾にする作戦が失敗したことで、シンシーの矛先は囚われた5人に向かう。

放送の冒頭には、暴力的な描写を含むことへの注意を促すテロップが出た。実際に、和田貢(平山祐介)の腹に刃物が刺される影が壁に映るシーンが何度も描かれた。

直接の描写を避けて影で見せる演出だったが、それでも十分に重かった。残る4人が目をそらさずにその光景を見つめていたことが、別班員としての覚悟を何より雄弁に語っていた。

なお、第11話では、バルカで黒須が襲撃された際に応戦に使った「乃木家の守り刀」を、工作員のリーダー格が持ち去っている。処刑に使われた刃物がこの守り刀なのかどうかは、本編の映像だけでは断定できない。もしそうなら、家を守るための刀が仲間の命を奪う道具に変わるという、残酷な反転になる。

※画像はAIによるイメージ

リュウの単独行動と、タイランのもとへ

もうひとつ見逃せないのが、リュウ・ミンシュエン(堺雅人)の動きだ。

19話の序盤、リュウは監視カメラも音声も切ったうえで、野崎(阿部寛)と2人きりで話していた。その後、ハンに対して「野崎からテントの情報を引き出せるのは自分だけ」と訴え、核融合チームの責任者の座を求めている。

そしてしびれを切らした樊林杏(ハン・リンシン/宮下今日子)は、リュウを連れて、核融合技術を見いだした研究者エリシャをかくまう情報ブローカー、タイランのもとを訪れた。ここから19話は一気に核心へ踏み込んでいく。

プリシャ・ママドフとは誰?ジャミーンとの関係と「奇跡の子」の正体

予告の中で、19話が最も大きく答えに近づいたのがこのテーマだ。結論を言えば、シンシーがジャミーンを追う理由が、ほぼ見えた。

タイランが語った7年前の事件

タイランによると、エリシャは妻の命を奪われても核融合技術について口を割らなかった。そして7年前、エリシャの娘プリシャがテントに連れ去られていたことが明かされた。

事件が起きたのは、トルコにあったアジトだったという。それ以来エリシャは、娘に会えない限り何も話さないと言い続けている。

プリシャは当時2歳で、今は9歳。連れ去ったのは年配の侍と若い侍の2人で、侍の刀にはテントの印があった。それを聞いた野崎は、テントの指導者ノゴーン・ベキだと答えた。

ジャミーン=プリシャと見るのが自然な理由

本編はまだ「ジャミーンこそプリシャだ」とは言っていない。ただ、状況証拠はそろいつつある。

  • プリシャは7年前に当時2歳で連れ去られ、今は9歳
  • 連れ去ったのは、ベキとみられる「侍」
  • ジャミーンの誕生日は2014年1月13日とされ、プリシャと同じ年齢にあたる
  • 第1シーズン第1話でアディエルが自爆テロに巻き込まれて亡くなった際、ベキが「(ジャミーンを)また1人にしてしまった」と口にしていた

この「また」という言葉が、3年越しに重みを増した。SNSでも、3年越しの伏線回収ではないかという声や、髪型がジャミーンにそっくりだという声が寄せられた。

仮にアディエルが実父でないとすれば

ここからは、あくまで仮定の話として書く。

第1シーズンでは、アディエルはジャミーンの父として描かれてきた。もし仮に、アディエルが実の父ではなく、ベキのもとで連れ去られた少女を育てていたのだとすれば、第1シーズンから続く疑問が一本の線でつながる。

僕がこの展開で唸ったのは、「救世主」という言葉の向きだ。シンシーにとってのジャミーンは、核融合技術を手に入れるための鍵、つまり彼らにとっての救世主になってしまう。守られるべき少女が、世界の覇権争いの中心に置かれる。その構図に、背筋が冷えた。

※画像はAIによるイメージ

予告のスーツ姿の乃木と、薫を襲う手は何を意味する?

ここからは、19話でまだ答えが出ていない2つのカットを、本編の事実を踏まえて読み直す。ここから先は私見だ。

スーツ姿の乃木は、19話の時間軸に収まらない

予告の締めくくりで「奴らの狙いは――」と口を開く乃木は、僕の目にはダークスーツにネクタイ姿に見えた。

一方、19話本編の乃木は、奪還チームとともにゴルバドで作戦を進めている。荒野の作戦地でネクタイを締める理由はないので、このカットは少なくとも19話の時間軸には入らない映像だと判断している。

興味深いのは、19話の放送前に公開された先行カットでは、ノコル(二宮和也)がスーツ姿で写っていたことだ。19話で「スーツ」を着ていたのはノコルの側だった。それだけに、乃木のスーツ姿は「作戦後」か「作戦前」のどちらかに属する映像だと考えるほうが自然だろう。

19話で家族の安全が別班の組織として守られていたことを踏まえると、乃木が顔をこわばらせて語る「奴らの狙い」は、家族全体ではなくプリシャにつながるジャミーン一人に絞られている可能性が高いと僕は見ている。

「薫を襲う手」は、警備の内側の人物か

18話の放送後に流れた予告では、乃木が留守にしている自宅で、薫とジャミーンが就寝中に何者かに襲われているような映像が流れていた。

19話で示されたのは、別班が家族を狙う動きを事前に読み、特殊作戦群で守っていたという事実だ。乃木邸にも同じような守りが敷かれているなら、寝室まで入り込める「手」は、力ずくの侵入者とは考えにくい。

警備の内側にいる人物か、警備側が通してしまう人物か。僕はこの二択に絞られたと考えている。

「守る手」か「奪う手」か、現時点の読み

警備が通してしまう人物の筆頭は、家主の乃木本人だ。そして、乃木と瓜二つの顔を持つリュウも、この条件に当てはまってしまう。

ひとつの読みは、帰国した乃木が、気配を悟られないよう2人の口をふさいで連れ出す「救出」の場面だというもの。もうひとつは、乃木の顔をしたリュウが守りを欺いて2人を連れ去る「拉致」の場面だというものだ。

19話でリュウが核融合チームの責任者の座を求めたことを考えると、プリシャを手にした者がエリシャとの交渉を握る以上、リュウには動機がある。現時点では後者をやや重く見ているが、断定はできない。

阿部寛が「1人3役に挑む堺雅人」のリュウ役について語ったように、同じ顔が複数いること自体が、この作品の最大の仕掛けでもある。

※画像はAIによるイメージ

VIVANT19話の反響は?視聴率と見逃し配信も確認

SNSの反応は「重さ」と「つながった」の二つ

19話への反応は、大きく二つに分かれた。

ひとつは描写の重さへの戸惑いだ。冒頭の注意テロップと拷問シーンの連続に、Xでは戦慄したという声が広がった。

もうひとつは、伏線がつながったことへの興奮だ。テントとここでつながるのか、点と点がつながった、という声が上がった。

演出面では声のサプライズも話題になった。19話では、若本規夫がタイラン・グリエワ、山路和弘がシャキ城の村長、緒方恵美が村長の夫人アイカ、森川智之と浪川大輔が田代久美子のエージェントであるロマルとナティクの声を担当した。

視聴率と見逃し配信

視聴率の面でも、第2シーズンは強い。第1話から18話まで、世帯視聴率は18.8%、16.4%、15.1%、16.6%、15.2%、15.0%、17.1%、15.0%と推移している。19話の数字は、この記事を書いている時点ではまだ発表されていない。

見逃した人は、U-NEXTで毎週日曜の地上波放送終了直後から独占見放題配信されているので、そちらで確認できる。配信の条件や料金は変わる可能性があるので、最新情報は公式で確かめてほしい。

※画像はAIによるイメージ

VIVANT20話以降はどうなる?予告の伏線と最終回までの見通し

ここからは、私見としての見通しをまとめる。

本作の予告は「先の回の映像」を混ぜてくる

「予告に先の回の映像が混ざっている」という読みには、実例がある。

18話の放送後、薫とジャミーンが襲われるような映像が19話の予告として流れた。ところが19話本編には、その場面がなかった。つまりこの作品の予告は、少なくとも今回、1話先ではなく2話以上先の映像を含めていたことになる。

だからこそ、予告の一場面だけを見て「次回で決着する」と考えるのは危うい。僕自身、今回の答え合わせでそれを思い知らされた。

「味方の中の敵」から「敵の中の味方」へ

VIVANTはこれまで、味方の顔をした敵を何度も描いてきた。第1シーズンでは、乃木の同僚だった山本がテントの協力者だった。第2シーズンでは、野崎が別班員をシンシーに売り渡したと見せて、実は潜入捜査を続けていた。

19話で見えてきた構図は、少し違う。シンシーの家族狙いは別班に読まれ、リュウは組織の目を盗んで野崎と密談していた。今回は敵の中に味方の目が入り込んでいる構図なのだ。

この逆転があるからこそ、乃木邸の守りを抜けた「手」が、別班側の誰かが仕組んだ一手である可能性も捨てきれない。

20話で何が描かれれば、僕の読みは確定するか

20話は10月11日に放送され、最終回の24話は11月8日に放送される。19話放送時点で、残りは5回だ。

僕の読みが確定、または否定される条件は、次の3つだと考えている。

  • スーツ姿の乃木が、帰国後の場面として登場すれば「作戦後」説が確定する
  • 寝室の「手」の持ち主が乃木本人なら救出説、リュウなら拉致説が確定する
  • ジャミーンの過去写真や出生記録が示されれば、プリシャ説は確定に近づく

もうひとつ気になる言葉がある。第2シーズンの初回となった第11話のあらすじには、「世界中を巻き込む大きな渦」という言葉が置かれていた。放送当日には、堺雅人の発言を受けて「渦」が今後のキーワードとして注目され、考察が加速していた。

7年前に連れ去られた2歳の少女が、その渦の中心にいるのかもしれない。後半戦の答えは、案外、最初の一話の中に眠っている気がしてならない。

※画像はAIによるイメージ

VIVANT19話の予告と本編、答え合わせのまとめ

VIVANT19話は、予告の前半だけを描き、もっとも強い2つのカットを次回以降へ残した回だった。

  • 19話(第2シーズン第9話)は10月4日放送。3週間ぶりで、シャキ城突入の直前で終了
  • シンシーの家族狙いは、別班の先回りと特殊作戦群に阻まれた
  • 別班員の和田貢が処刑され、冒頭には暴力描写への注意テロップが出た
  • 7年前、テントに連れ去られたエリシャの娘プリシャ・ママドフの存在が判明
  • スーツ姿の乃木と、薫の口をふさぐ手は本編に登場せず、持ち越し
  • 最終回は11月8日。19話時点で残り5回

予告は、物語の扉の鍵穴から差し込む細い光のようなものだ。19話で、その扉は半分だけ開いた。

残り半分の景色が見えるまで、僕の心にはまだ、静かな余韻の炎が灯り続けている。

よくある質問

プリシャ・ママドフとは誰?

核融合技術を見いだした研究者エリシャ・ママドフの娘で、19話で存在が明かされた。7年前、当時2歳のときにテントに連れ去られ、今は9歳とされる。ジャミーンと同一人物ではないかという見方が広がっているが、本編ではまだ明言されていない。

19話で処刑された和田を演じたのは誰?

別班員の和田貢を演じているのは平山祐介。第1シーズンでテント潜入作戦のために乃木から銃弾を受けた別班員の一人で、第2シーズンでは黒須らとともにシンシーに囚われていた。

VIVANT19話を見逃したらどこで見られる?

第2シーズンは、U-NEXTで毎週日曜の地上波放送終了直後から独占見放題配信されている。配信条件は変わることがあるので、最新の情報は公式サイトで確認してほしい。

ドラマ見届け人・湊の部屋 岸本湊人
(ドラマ評論家。「VIVANT」は2023年の第1シーズンから全話をリアルタイム視聴し、放送翌朝にレビューを執筆)

参考

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