『Tokyo middle 30』最大の伏線は、麻紀・遥・薫子が「誰かに用意された人生」ではなく、自分で選んだ居場所を取り戻せるかです。
2026年8月31日時点では第6話「人生は騙し騙し」まで放送済み。第7話「嘘と秘密と隠し事」は9月2日22時から放送予定で、麻紀の復職、遥の高級マンション生活、薫子の猫を巡る夫婦衝突がさらに動き出します。フジテレビ+1
第1話から第6話までを振り返ると、僕の胸に強く残るのは「誰と結ばれるのか」という恋愛の答えだけではありません。
佐倉麻紀(仲里依紗)は、妻と母という役割の中で失いかけた仕事を取り戻そうとする。
山地遥(のん)は、藤川晃之助(朝井大智)との恋によって、自分では手にできなかった暮らしへ一気に足を踏み入れる。
永野薫子(深川麻衣)は、清水義孝(風間俊介)との結婚後、「結婚すればうまくいく」という人生設計そのものに疑問を持ち始める。
3人の状況は違います。
けれど、同じ問いが流れています。
「この人生は、本当に私が選んだものなのか?」
そして僕は、もう一つ気になる共通点を見つけました。
それは「家」です。
麻紀は、宗司が理想とする家庭の中で働く自由を失っていた。
遥は、晃之助が用意する高級マンションへ入ろうとしている。
薫子の家には義孝の魚が何匹も暮らしている一方、薫子が幼い頃から願っていた猫には居場所がありません。
つまり後半戦で問われているのは、恋愛や結婚だけではない。
「私は、誰の人生の中に住んでいるのか」
ここが『Tokyo middle 30』最終回を考えるうえで、かなり重要な伏線だと僕は考えています。
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『Tokyo middle 30』の伏線とは?「自分の人生を選び直す」が軸
結論から言えば、『Tokyo middle 30』の伏線は、麻紀・遥・薫子が「あの頃思い描いた理想」からも「誰かに決められた現在」からも離れ、自分の意思で人生を選び直す流れに集約されます。
フジテレビ公式によると、本作は中国ドラマ『Nothing But Thirty(30女の思うこと~上海女子物語~)』を原作とする日本版オリジナルリメイク。地方都市の高校で同級生だった3人が東京で35歳になり、恋、仕事、家庭に揺れながら自分らしい人生を探す物語です。脚本は北川亜矢子が担当しています。フジテレビ+1
第1話では、3人が高校時代から約20年を経て、宗司が経営する美容クリニックで偶然再会します。
ただし、3人が20年間まったく会っていなかったという意味ではありません。公式イントロダクションでは、生活に追われて疎遠になっていた3人が5年ぶりに再会したと説明されています。ここは時系列を整理しておきたいところです。フジテレビ+1
3人の現在を整理すると、物語が何を崩そうとしているのかが見えてきます。
人物 35歳の現在 失いかけているもの 第6話までの大きな伏線
佐倉麻紀 専業主婦・5歳児の母 社会とつながる自分 復職、宗司との対立、互いの秘密
山地遥 アパレル店長・独身 自分で未来を作る感覚 晃之助との恋、経済的不安、高級マンション
永野薫子 小学校教師・義孝と結婚 自分の希望を言葉にする力 流産、魚と猫、郁、夫婦の価値観
3人の友情 5年ぶりに再会 比較せず安心できる居場所 グループトーク、励まし、時に厳しい助言
麻紀は「バリキャリになる未来」。
遥は「ミュージシャンになる未来」。
薫子は「大学卒業後に結婚し、子ども2人と猫と世田谷で暮らす未来」。
高校時代の3人には、それぞれ完成予想図がありました。
しかし35歳の現在、その通りになった人は一人もいません。
僕はここが大事だと思います。
このドラマは、「夢を諦めるな」という物語ではない。
むしろ、昔の自分が作った理想の人生に、今の自分まで縛られなくていいという物語なのではないでしょうか。
人生のナビは便利です。
けれど、20年前に入力した目的地へ、35歳になった今も向かい続ける必要はありません。
道の途中で行きたい場所が変わったなら、目的地を入れ直していい。
『Tokyo middle 30』は、その再設定を描いているように見えます。
第1話〜第6話の伏線は?「我慢」から「秘密」へ変わった
第6話までの大きな変化は、3人が「違和感を我慢する側」から「自分のために動く側」へ移ったことです。
ただし、その行動はまだ完成された自立ではありません。
麻紀は宗司に隠れて働く。
薫子は義孝と十分に話し合う前に、自分の希望を通そうとする。
遥は生活不安から抜けられる一方、晃之助が用意する環境へ飛び込もうとする。
動き始めた。でも、まだ自分の足だけでは立っていない。
この中途半端さこそ、後半の物語を動かす燃料になっています。
薫子の流産は「予定通りの人生」を崩す転換点
薫子は、高校時代から人生をかなり具体的に設計してきました。
大学を卒業する。
結婚する。
子どもは2人。
猫を飼う。
世田谷のマンションで暮らす。
公式人物紹介でも、この完璧な人生設計が薫子という人物の核として示されています。フジテレビ
第2話では、妊娠検査薬で陽性となったにもかかわらず、仕事を優先する義孝に妊娠をなかなか伝えられませんでした。フジテレビ
その後、義孝は家族になる決意を固めます。
第4話では両家顔合わせを経て入籍。
ようやく薫子の予定表に「結婚」というチェックが入った直後、状況は急変します。
第5話で薫子と義孝は、医師から流産を告げられました。フジテレビ+1
この展開を僕は、単に視聴者を泣かせるための悲劇とは見ていません。
薫子は「予定通りに進むこと」と「幸せになること」を、どこかで同じ意味として扱っていました。
だからこそ予定が崩れた瞬間、「私は本当はどうしたいのか」という問いが初めて前面に出てくる。
第5話で薫子がたどり着いたのは、誰かと生きることは、自分の思いや生き方を捨てることではないという感覚でした。
その言葉は麻紀と遥にも刺さります。公式あらすじでも、ここが3人の人生が動き始める重要な場面として描かれています。フジテレビ
僕には、この場面がドラマ全体の折り返し地点に見えます。
「どうすれば理想通りになるか」から、
「私は何を望んでいるのか」へ。
問いそのものが変わったのです。

麻紀と宗司は第6話で「同時に秘密を持つ夫婦」になった
麻紀は第5話で、以前の仕事仲間・絹川早苗(菊池亜希子)からの誘いを受け、復職したいと宗司へ相談します。
しかし宗司は反対します。
麻紀にとって仕事は、単なる収入源ではありません。
息子・宗太(天野優)を妊娠したことで手放した「社会とつながる自分」を取り戻す行為でもあります。
一方、宗司にも家庭像へのこだわりがあります。
公式人物紹介では、「温かい家庭」や「家族の絆」を何より重視する一方、面倒な問題から目をそらして逃げようとする弱さを持つ人物とされています。フジテレビ
だから僕は、宗司を単純な悪役として見ると、この夫婦の本当の問題を見落とすと思っています。
麻紀には、キャリアを手放した痛みがある。
宗司には、自分が信じる家庭を壊したくない恐れがある。
どちらも家族を守ろうとしている。
ただし、守りたい「家族の形」が違うのです。
そして第6話「人生は騙し騙し」で、そのズレが決定的になります。
麻紀は宗司に内緒で早苗の会社で働き始めました。
一方の宗司は、医療メーカーの営業・白岩凪子(北村優衣)と私的に会い、連絡を取るようになります。フジテレビ+1
ここで重要なのは、夫婦の片方だけが秘密を持ったのではないことです。
麻紀だけなら「妻の復職問題」。
宗司だけなら「夫と別の女性の問題」。
しかし第6話では、夫婦双方が相手に言えないことを抱えます。
だから本当のテーマは、
「働くか、働かないか」
でも、
「浮気するか、しないか」
だけでもありません。
「この夫婦は、本音を置ける場所であり続けられるのか」
という問いへ変わったのだと思います。
しかも第6話は「人生は騙し騙し」。
続く第7話は「嘘と秘密と隠し事」。
第7話では、麻紀の仕事が宗司に発覚。最終的に宗司は就労を受け入れるものの、凪子に夫婦の愚痴をこぼし、麻紀は宗司のクリニックで凪子と遭遇する予定です。フジテレビ
「騙し騙し」では走れた人生が、「秘密」として相手の目の前へ現れる。
タイトルの連続性まで含めて、後半戦のギアが一段上がったと僕は感じます。
麻紀・遥・薫子の結末は?「家」の伏線が3人をつないでいる
第6話までで僕が最も注目している新しい視点が、3人すべての物語に「家を誰が決めるのか」という問題があることです。
家は本来、一番安心できる場所です。
ところが3人にとって、その家が自分らしさを失う場所になりかけています。
これは偶然ではないように思えます。
麻紀は離婚する?問題は凪子より「家庭の標準設定」
麻紀の家には、すでに宗司が考える「理想の家庭」の標準設定があります。
妻が家庭を守る。
子どもを優先する。
家族で温かく過ごす。
決して悪い価値観ではありません。
しかし、それを麻紀自身も望んでいるかは別問題です。
第4話では、宗太が知的な遅れのないADHDと軽度のASDと診断され、療育の問題も家庭に加わりました。宗司も少しずつ協力するものの、麻紀はまだ温度差を感じています。フジテレビ
仕事。
育児。
療育。
夫婦関係。
麻紀に必要なのは、どれか一つを捨てる答えではないはずです。
「母親なんだから諦める」
でも、
「自立するため離婚する」
でもない。
自分も一人の人間として存在できる家庭へ、ルールを書き換えられるか。
そこが最終課題でしょう。
凪子についても、2026年8月31日時点では宗司との不倫が確定したわけではありません。
ただ、第7話では宗司が凪子へ家庭の愚痴をこぼし、麻紀と凪子がクリニックで遭遇するところまで公式に明かされています。フジテレビ
僕は、凪子が夫婦をゼロから壊す存在というより、もともと夫婦の間にあった「言えない本音」を可視化する存在になると見ています。
その意味では、最大の敵は第三者ではありません。
麻紀と宗司が長い間、「相手なら分かってくれるはず」と対話を省いてきたことです。
遥と晃之助は結婚する?高級マンションは「幸せ」と「依存」の境界線
遥の恋は、第6話までを見ると3人の中で最も華やかです。
晃之助はシンガポール在住で、アジアを中心にレストランチェーンを経営する裕福な男性。
公式人物紹介でも、すべてを兼ね備えた「白馬の王子」のような存在として設定されています。フジテレビ
第6話で遥は、なかなか長い時間を一緒に過ごせない関係に不安を募らせながらも、最終的に晃之助から正式に交際を申し込まれます。Apple TV
普通の恋愛ドラマなら、ここから結婚へ一直線でもおかしくありません。
しかし『Tokyo middle 30』では、幸福に見える瞬間ほど「本当にそれでいい?」という問いが忍び込みます。

第7話で遥は、ちょうど現在のマンションの更新時期を迎え、支払いが厳しかったこともあって、晃之助の提案する高級マンションへ引っ越します。
ところが晃之助が泊まりに来るのは月に2、3回という想定。
薫子はその暮らし方に強い不安を示し、麻紀も晃之助本人に会おうと提案します。フジテレビ
ここで僕が気になるのは、「遥の家なのに、遥が作った家ではない」という点です。
遥は第1話から経済的不安を抱えています。
ミュージシャンになる夢はかなわず、流れで始めたアパレル販売の仕事を続け、店長になってもお金はなかなか貯まらない。フジテレビ
そんな遥の前に、
恋人。
経済的余裕。
高級マンション。
新しい世界。
そのすべてを同時に持ってくる晃之助が現れました。
だから危ういのです。
遥が好きなのは晃之助なのか。
晃之助と一緒にいる自分なのか。
晃之助が見せてくれる「別の人生」なのか。
恋をしていると、この境界線は簡単にぼやけます。
僕は、高級マンションが遥にとって一度は幸福の象徴になり、その後「ここは本当に私の居場所なのか」と問い直す装置になると予想しています。
遥のゴールは、晃之助と別れることではないでしょう。
晃之助がいても、いなくても、自分で明日を選べること。
その状態でなお2人が一緒にいたいなら、恋は「救済」から「パートナーシップ」に変わります。
薫子と義孝は離婚する?魚と猫が映す夫婦の力関係
3人の中で最も分かりやすく「家の所有権」が描かれているのが薫子です。
第6話で薫子は、子どもの頃から猫を飼いたかったと義孝へ話します。
しかし義孝は、家には多くの魚がいるから猫は無理だと拒否。
公式あらすじでも、この会話が平行線になる様子が明記されています。フジテレビ
僕は、この魚と猫を単なるペット問題とは見ていません。
家の中には義孝が好きな魚の居場所がある。
薫子がずっと望んでいた猫には居場所がない。
つまり、
「結婚後の家で、誰の希望が標準設定になっているのか」
が小物で表現されているように見えるのです。
しかも第6話では、薫子と義孝がマッチングアプリで出会った関係であり、もともと趣味や価値観が違う2人だったことが改めて意識されます。
薫子の公式人物設定にも、義孝とは趣味や価値観が違いながら、「結婚したらきっとうまくいく」という期待を持っていたことが記されています。フジテレビ
ここが怖いところです。
薫子は、
「義孝と結婚したかった」のか。
それとも、
「結婚した35歳の自分になりたかった」のか。
結婚した後になって、この違いと向き合い始めています。

第7話では、義孝が出張中の魚の世話を薫子へ依頼。
薫子は反発するように、同僚の長野郁(中島颯太)と保護猫の譲渡会へ行き、「おもち」と名付けた猫を家へ迎える予定です。フジテレビ
ここで麻紀との共通点が見えてきます。
麻紀は夫に黙って働く。
薫子は夫への反発から猫を迎える。
どちらも、自分を取り戻す行動です。
しかし同時に、相手との対話を飛ばしています。
だから僕は、これを「自立完成」とは思いません。
むしろ後半で問われるのは、
我慢しないことと、自分勝手に振る舞うことの間にある“対話できる自立”
ではないでしょうか。
誰かと生きるとは、全部譲ることではない。
でも、全部一人で決めることでもない。
自分の希望を消さず、相手の希望も聞き、その間に新しい答えを作ること。
薫子と義孝は、その難しさを一番露骨に見せてくれそうです。
中国版『Nothing But Thirty』の結末は?日本版との違いを考察
『Tokyo middle 30』の最終回を考えるとき、中国版原作『Nothing But Thirty』の結末は大きなヒントになります。
ただし、日本版は「オリジナルリメイク」なので、原作通りの結末になるとは限りません。 フジテレビも日本版を35歳の女性たちの物語として再構成しています。フジテレビ
中国版では、3人の女性がそれぞれ異なる形で人生を選び直します。
グー・ジアは夫の裏切りなどを経て離婚し、その後は息子らとともに茶業の再建へ向かいます。
ワン・マンニーは裕福な男性との恋を人生のゴールにはせず、自分自身の可能性を広げるため海外留学を選びます。
ジョン・シャオチンは夫と一度離婚し、年下男性との恋を経験した後、元夫と関係を作り直して再婚。自身の執筆活動でも成功していきます。中国版の結末については研究論文でも、シャオチンの再婚と作家としての経済的自立、マンニーの海外留学が整理されています。Atlantis Press+1
特に日本版の薫子と義孝には、中国版のシャオチン夫妻を連想させる要素があります。
夫婦のすれ違い。
流産。
魚。
年下男性。
一度壊れた関係をどうするのかという問い。
だから薫子が一度義孝との関係を壊し、それでも改めて義孝を選ぶ展開は十分考えられます。
ただし僕は、日本版が原作をそのままなぞるだけなら少し物足りないと思っています。
中国版の主人公たちは30歳。
日本版は35歳です。
この5年は小さくありません。
30歳なら「これから新しい人生を始める」という物語が成立しやすい。
35歳では、すでに積み上げた仕事、結婚、子育て、人間関係、生活基盤があります。
すべてを捨ててゼロへ戻るより、
今ある人生をどう修正するか。
日本版は、こちらへ重点を置いているように感じます。
だから麻紀も、単純に離婚して仕事へ戻れば完成ではない。
遥も、晃之助と別れて一人になれば完成ではない。
薫子も、義孝を捨てて郁を選べば完成ではない。
「誰といるか」より先に、
「その場所にいる自分を、自分で選んでいるか」
が問われている。
ここが日本版ならではの最終回につながると考えています。
『Tokyo middle 30』最終回結末予想|3人が最後に選ぶ「居場所」は?
ここからは、2026年8月31日までに放送された第1話〜第6話と、9月2日放送予定の第7話公式情報を踏まえた僕の考察です。
結論として、3人とも「高校時代に思い描いた理想の人生」を完全に手に入れる結末にはならないと予想します。
むしろ一度理想を壊して、
「完璧ではない。でも、これは私が選んだ人生だ」
と言える場所まで進むのではないでしょうか。
麻紀の最終回予想:宗司と夫婦を「再契約」する
麻紀と宗司は、一度かなり深刻な危機を迎える可能性が高いでしょう。
仕事を隠した麻紀。
凪子との距離を麻紀へ話さない宗司。
2人とも「相手のため」「家庭のため」と思いながら、本音を外へ追いやっています。
僕の本命予想は、すぐ離婚成立ではありません。
一度、別居に近いほど距離を取るか、夫婦関係の土台が崩れる展開を経て、生活を再設計すると見ています。
ポイントは宗司が麻紀の仕事を認めるだけでは足りないことです。
家事は誰がするのか。
育児は誰が担うのか。
宗太の療育とどう向き合うのか。
麻紀が仕事をする時間を、夫婦でどう作るのか。
宗司自身が家庭で何を引き受けるのか。
ここまで変わって初めて、麻紀の復職は「夫に許された仕事」から「自分で選んだ人生」になります。
ステアリングを握り直すというのは、相手を助手席から降ろすことではありません。
同じ車に乗るなら、どこへ向かうのかを2人でもう一度決めることです。
遥の最終回予想:晃之助と別れるより「自分の夢」を作り直す
遥については、晃之助が実は悪人だった、という結末を現時点で断定できる材料はありません。
むしろ問題は、晃之助の人柄より遥自身が彼の用意した人生へ寄りかかり始めることでしょう。
高級マンションへ移れば、お金の不安は一時的に薄れます。
しかし「販売員としてこの先どうするのか」「自分は何がしたいのか」という第1話からの問題は解決していません。
だから後半では、高級マンションという華やかな部屋の中で、むしろ遥の空白が強調される可能性があります。
僕の予想では、遥は晃之助と別れるかどうかを決める前に、自分の仕事や夢をもう一度考えるでしょう。
高校時代のミュージシャンに戻る必要はありません。
昔の夢を拾い直すのではなく、35歳の今から新しい夢を作ればいい。
そのうえで晃之助と一緒にいたいなら、一緒にいればいい。
僕はむしろ、日本版にはそこまで描いてほしい。
「恋を選ぶ=依存」「一人で生きる=自立」という単純な二択を越えてほしいのです。
薫子の最終回予想:一度離れてから義孝を「選び直す」が本命
薫子については、3人の中でもっとも離婚・別居の可能性が高いと僕は考えています。
流産。
魚と猫。
言葉のすれ違い。
義孝を好きになった理由を改めて問われる状況。
年下の郁。
そして「結婚すればうまくいく」と考えていた薫子自身の思い込み。
ここまで材料が揃うと、一度夫婦の形を壊さなければ先へ進めないでしょう。
ただ、僕は郁との新しい恋で終わる展開を本命にはしていません。
公式人物紹介で郁は、薫子の小さな変化にも気づく、距離感近めの「子犬系男子」とされています。フジテレビ
義孝が気づかないことに、郁は気づく。
義孝が聞かないことを、郁は聞く。
この対比は明確です。
でも郁の役目は「義孝よりいい男として薫子を奪うこと」ではなく、薫子自身へ問いを返すことではないでしょうか。
何が好き?
どんな家に住みたい?
猫を飼いたい?
誰と暮らしたい?
何を我慢したくない?
薫子はこれまで、人生を予定表から逆算してきました。
郁は、その予定表を一度白紙にする存在なのかもしれません。
そのあと、予定表がなくても義孝と一緒にいたいと思えるのか。
もしそこで再び義孝を選ぶなら、第4話の結婚とは意味がまったく違います。
最初は「結婚したかったから選んだ相手」。
次は「この人と生きたいから選ぶ相手」。
僕は、この違いを描けたら非常に美しい結末になると思います。
最大の伏線は3人の「ズッ友」かもしれない
そして、最後に残るのが麻紀・遥・薫子の友情です。
第1話で5年ぶりに再会した3人。
それぞれの生活を見れば、羨ましいところがあります。
遥から見れば、家庭と経済的安定がある麻紀が眩しい。
薫子から見れば、結婚して母親になっている麻紀が理想に近い。
麻紀から見れば、自分の仕事を持っている遥と薫子が眩しい。
このドラマが面白いのは、「親友だから嫉妬しない」というきれいごとにしないことです。
フジテレビ公式も、3人の関係を「優しさとうらやましさが隣り合う」ものとして紹介しています。フジテレビ
それでも薫子が流産したとき、麻紀と遥は退院の日に迎えに行く。
麻紀が仕事を始めれば、遥と薫子は心配する。
遥が晃之助との生活へ飛び込めば、薫子は遠慮せず疑問を投げ、麻紀も相手の男性に会おうとする。
いいことだけ言うのが親友ではありません。
羨ましい。
心配になる。
時には腹も立つ。
それでも、本当に危ないときには隣へ行く。
この3人にとって最も自分で選んだ「居場所」は、恋人の家でも夫婦の家でもなく、3人の友情なのかもしれません。

『Tokyo middle 30』は、第1話では「あの頃の未来に立てなかった3人」の物語として始まりました。
でも僕は、最終回で高校時代の夢へ戻る必要はないと思っています。
麻紀はバリキャリになれなかった。
遥はミュージシャンになれなかった。
薫子は計画通りに結婚・出産へ進めなかった。
それでいい。
人生は、昔立てた計画を正確に実行できた人が勝つゲームではありません。
今の自分が行きたい方向へ、途中でハンドルを切り直せること。
それこそが、このドラマの「再出発」なのでしょう。
麻紀は、宗司の理想の家庭から「2人で作る家庭」へ移れるのか。
遥は、晃之助が用意した部屋の中でも「自分の人生」を持てるのか。
薫子は、義孝の魚だけが居場所を持つ家から、自分の希望も存在できる家へ変えられるのか。
僕が最終回で見たいのは、3人が勝者になる姿ではありません。
離婚しなかったから成功。
結婚したから成功。
仕事を手に入れたから成功。
そんな単純な答えではないはずです。
迷って、間違えて、ときには誰かを羨ましく思いながら、それでも最後に、
「これは私が選んだ人生だ」
と言えること。
35歳は人生の答え合わせではありません。
予定していた道から外れた自分へ、もう一度ステアリングを返してやる年なのかもしれません。
第6話「人生は騙し騙し」から、第7話「嘘と秘密と隠し事」へ。
ごまかしながら保ってきた家、恋、結婚、仕事は、いよいよ「本当に欲しいもの」を隠せない段階へ入ります。
恋を手放すかもしれない。
結婚を手放すかもしれない。
昔の夢を手放すかもしれない。
けれど最後まで手放してはいけないものがある。
自分の人生を、自分で選ぶ権利です。
東京という街は、夢をすべてかなえてくれる場所ではありません。
かなわなかった夢も、選び損ねた道も、誰かを羨んだ夜も抱えたまま、それでも次の交差点へ進んでいく場所です。
麻紀、遥、薫子が最終回で違う道を選んだとしても、僕の胸に残ってほしいのは「正解へたどり着いた3人」ではありません。
迷った末、自分の居場所を自分で選び直した3人です。
ドラマが終わったあとも、その選択の余韻だけは、東京の窓明かりのように静かに残り続ける気がしています。
よくある質問
『Tokyo middle 30』は第何話まで放送されていますか?
2026年8月31日時点では、第6話「人生は騙し騙し」まで放送済みです。第6話は8月26日に放送されました。フジテレビ+1
第7話「嘘と秘密と隠し事」は、9月2日22時からフジテレビ系で放送予定です。TNC テレビ西日本
『Tokyo middle 30』の原作は何ですか?
原作は中国ドラマ『Nothing But Thirty(30女の思うこと~上海女子物語~)』です。
日本版は主人公を35歳の麻紀・遥・薫子として再構成したオリジナルリメイクで、脚本は北川亜矢子が担当しています。フジテレビ+1
『Tokyo middle 30』で薫子と義孝は離婚しますか?
2026年8月31日時点では、離婚すると確定した公式情報はありません。
ただし、第6話までに流産後のすれ違い、魚と猫を巡る価値観の違い、義孝との関係への迷い、長野郁の存在が描かれ、第7話では薫子が義孝の出張中に猫を家へ迎える展開が予定されています。フジテレビ+1
中国版には、一度離婚した夫婦がそれぞれ成長した後に関係を作り直す展開があります。そのため、日本版でも「一度離れてから相手を選び直す」という結末は、有力な考察の一つだと僕は見ています。Atlantis Press
文=岸本 湊人
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