ドラマ『面影(おもかげ)』キャスト・登場人物まとめ

深夜の地下鉄の車内、定年の日の花束を膝に置いたスーツ姿の初老の男性が、窓に映る自分の顔を静かに見つめている情景 面影(おもかげ)

ドラマ『おもかげ』は、浅田次郎さんの小説を中村雅俊さん主演で映像化した作品で、2026年10月3日(土)午後10時からNHK総合「土曜ドラマ」枠で全3回放送されます。

2023年にBSで生まれた119分の特集ドラマを、43分×3回に再編集した版です。夜更けの集中治療室から始まるこの物語が、ようやく地上波の土曜の夜に降りてくる。その知らせを聞いたとき、僕の胸には小さな灯がともりました。

この記事では、放送日時と配信、キャストと相関関係、原作と放送の経緯、関係者のコメント、そして同名ドラマ『日本の面影』との違いまで、2026年9月28日時点で確認できた情報をもとに整理します。

ドラマ「おもかげ」はいつ放送?NHK総合の放送日時と見逃し配信

本放送は10月3日・10日・17日の毎週土曜、午後10時〜10時43分(NHK総合)です。

放送予定を、分かりやすく並べます。

  • 本放送:10月3日・10日・17日(土)午後10時〜10時43分/NHK総合
  • 再放送:10月7日・14日・21日(水)午前0時35分〜1時18分(火曜の深夜)
  • 例外:第2回の再放送(10月14日)のみ、午前2時45分からの予定
  • 1話の長さ:43分×全3回

放送予定は編成の都合で変わることがあります。直前にNHKの番組表で確認してください。

見逃したときの選択肢は、大きく2つです。

  • NHK ONE:NHKの総合テレビの番組は、NHK ONE(旧NHKプラス)で同時配信・見逃し配信の対象になるものが多くあります。受信契約のある世帯なら追加負担なしで使えますが、本作が対象かどうかは番組ページで確認してください。
  • NHKオンデマンド(有料):2023年版を含む『おもかげ』は、すでにNHKオンデマンドで配信されています。U-NEXTやAmazon Prime Videoのチャンネル経由でも視聴できます。料金や配信状況は変わるため、最新情報は各公式サイトで確認を。

つまり「放送を待たずに観たい人」には配信という道がすでにあり、「土曜の夜に腰を据えて観たい人」には今回の地上波がある。同じ物語に、二つの入口が用意されたと僕は受け止めています。

ドラマ「おもかげ」のキャスト一覧と役柄

主要キャストは10名。NHKの人物紹介と各社の報道をもとに、役柄を1行ずつにまとめました。

役名俳優正一との関係
竹脇正一中村雅俊主人公。65歳で定年を迎えた商社マン
竹脇節子浅田美代子妻。聞きたかったことを聞けずにいる
堀田憲雄宅麻伸同期入社で、社長まで上りつめた男
永山徹モロ師岡同じ児童養護施設で育った幼なじみ
大野茜前田亜季ひとり娘。3人目の子を妊娠中
大野和志板橋駿谷茜の夫。永山のもとで働く大工
榊原勝男不破万作病院で隣のベッドに横たわる老人
マダム・ネージュ三田佳子雪の夜に正一を連れ出す謎の女性
入江静余貴美子過去へ導く2人目の謎の女性
峰子さとうほなみ過去へ導く3人目の謎の女性

スタッフは、原作が浅田次郎さん、脚本が吉田康弘さん、音楽が富貴晴美さん、演出が小林聖太郎さんです。

制作統括には、盛夏子さん(アミューズ)、神林伸太郎さん(NHKエンタープライズ)、小林大児さん(NHK)が名を連ねています。撮影は2023年の1〜2月、首都圏近郊で行われたと報じられました。

公式の人物紹介で僕が目を留めたのは、娘婿・和志が親のいない青年として描かれている点です。

孤児として育った正一が、同じように親を知らない青年を娘の夫として迎え入れている。これは物語の核にある正一の出自と、静かに響き合う設定だと僕は読みました。

※画像はAIによるイメージ

登場人物の相関関係は?正一を中心にした「現在」と「過去」

『おもかげ』の人間関係は、正一の病室に集まる「現在の人々」と、正一を病院の外へ連れ出す「過去への案内人」の二重構造になっています。

まず、正一を中心にした「現在」のつながりです。

  • 節子(妻):長年連れ添った妻。夫に聞きたかったことを胸にしまったまま、枕元に座る
  • 堀田(社長):同期入社で若いころは親しかったが、出世とともに距離ができたことを気にかけている
  • 永山(幼なじみ):同じ養護施設で育った、正一の出自を知る数少ない人物
  • 和志(娘婿):永山の弟子として働く大工。親のいない自分と茜の結婚を許してくれた義父に感謝している
  • 茜(娘):生まれてくる3人目の子の名前を、父に相談したいと願っている

つまり、永山が「施設時代」と「今の家族」をつなぐ結節点になっているわけです。正一の孤独な過去と、彼が築いた家族が、ひとりの大工を通して一本の線で結ばれている。この配置は、とてもよく考えられていると思います。

次に「過去への案内人」です。

  • マダム・ネージュ(三田佳子):雪の中、正一を病院から連れ出す
  • 入江静(余貴美子)、峰子(さとうほなみ):それぞれ正一を別の時代の記憶へ導く
  • 榊原勝男(不破万作):隣のベッドの老人。彼もまた正一を奇妙な旅へ誘う

意識の戻らない正一は、自分の体を抜け出し、彼らと思い出の場所をめぐります。そして、自分でも知らなかった過去と向き合うことになります。

番組紹介では、忘れようとしていた記憶と女性たちの言葉、そのすべての点がつながったときにクライマックスが訪れる、と説明されています。3人の女性の正体こそが物語の縦糸です。これから観る人のために、僕はここで答えを書きません。

ひとつだけ、個人的な記憶を添えさせてください。父を見送った病室で、僕は意識のない父に、ずっと言えずにいた言葉をぽつりと口にしました。返事がないと分かっていたからこそ言えたのだと思います。

節子が「ずっと聞きたかったこと」を抱えたまま夫の枕元に座る姿は、たぶんその裏返しです。聞けなかった人は、答えが返らなくなって初めて、自分の問いと向き合う。浅田美代子さんが演じる節子は、単なる「看病する妻」ではなく、この物語のもう一人の旅人なのだと僕は見ています。

原作・浅田次郎『おもかげ』とは?ドラマ化と放送の経緯

原作は、浅田次郎さんの長編小説『おもかげ』です。

  • 2016年12月13日〜2017年7月31日:毎日新聞朝刊で連載
  • 2017年12月:毎日新聞出版から単行本を刊行
  • 2020年11月:講談社文庫版を刊行

文庫化の際には、版元側から浅田次郎さんの「最高傑作」と銘打って紹介されました。新聞連載という、毎朝少しずつ読者の人生に寄り添う形で生まれた物語だったことも、この作品の手ざわりを考えるうえで大事な点だと思います。

原作のあらすじは、定年の日の送別会の帰りに地下鉄で倒れた正一のもとに、旧友や幼なじみ、家族が訪れて語りかける一方、正一自身は体を抜け出し、見知らぬ女性や隣のベッドの男に連れられて過去をさまよう、というものです。

ドラマ版の放送履歴は次のとおりです。

  • 2023年3月27日:NHK BS4Kで119分版を初放送
  • 2023年5月20日:BSプレミアムとBS4Kで放送
  • 2025年3月7日・14日・21日:43分×全3回に再編集し、BSプレミアム4Kで放送
  • 2026年10月3日〜:全3回版をNHK総合「土曜ドラマ」枠で放送

これまでの放送はいずれもBSでした。筆者が番組情報と放送履歴を確認した範囲では、総合テレビ(地上波)で放送されるのは今回が初めてになります。

正直に書いておくと、僕は2023年の119分版も2025年の3回版も、まだ観ていません。今回の地上波放送が、僕にとっての初見です。

だからこそ、1話ごとの区切り方や余韻については、放送を観たあとに自分の言葉で書き足すつもりです。放送前の今は、確認できた事実と、そこから読み取れることだけを書きます。

※画像はAIによるイメージ

中村雅俊・浅田次郎のコメントから見える「おもかげ」の難しさ

ドラマ化が発表された2023年1月、原作者の浅田次郎さんは、映像化を意識して書いた小説ではないと前置きしたうえで、この作品が脚本・演出・演者のいずれにとっても難しいものだとコメントしました。

理由として挙げたのは、生と死の対峙という主題が観念的であること、現実の場面が集中治療室しかないこと、そして物語の大半が記憶と妄想で組み立てられていることです。それでも浅田さんは、「難しいからこそすばらしいドラマになりうる」と期待を寄せています。

さらに浅田さんは、主人公の竹脇正一、演じる中村雅俊さん、そして自分自身が、同じ昭和26年(1951年)生まれだと明かしました。

主演の中村雅俊さんは、キャリア半世紀を目前にした作品として、「大変な山をいくつも越えることになりました」と振り返っています。映像化の難しさに加え、撮影そのものも大変の連続だったものの、充実感と達成感を味わえた、と語りました。

別のインタビューでは、脚本を読んだあとに原作を読んだこと、脚本には原作を膨らませた部分と、原作にありながら描かない部分の両方があったことも明かしています。

僕がこの一連のコメントで一番大事だと思うのは、原作者・主人公・主演俳優が同じ年に生まれているという一点です。

昭和26年生まれの3人は、戦後の復興期に子ども時代を過ごし、高度成長とともに大人になった世代です。正一の人生は、作者と俳優自身が生きてきた時代そのもの。浅田さんが「語り合わずとも理解できる」と表現したのは、たぶんそういうことなのだと思います。

2023年の初放送時の反応は?視聴者の評価

BSでの放送後、『おもかげ』は大きな話題作ではないものの、観た人の間で静かに評価されてきました。

2026年9月28日に筆者が確認した時点で、Amazon Prime Videoの作品ページでは5点満点中4.3、レビューサイトのFilmarksでは55件のレビューで平均3.5点でした(いずれも変動します)。

Filmarksのレビューを筆者が読んだ範囲では、中村雅俊さんの哀感ある演技、昭和と現代のギャップ、最後に点と点がつながる構成を評価する声が目立ちました。一方で、物語が長く感じたという声もあります。

NHK自身は本作を、働いてきた人、支えてきた妻、その背中を見て育った子どもたちの心をやさしくほぐす物語だと紹介しています。

「泣かせる」より「ほぐす」ドラマ。119分を43分×3回に分けたことで、「長さ」への不満が和らぎ、一晩ずつ余韻を持ち帰れる形になった。これが再編集版の最大の利点だと、僕は考えています。

※画像はAIによるイメージ

同名ドラマ「日本の面影」との違いは?

「おもかげ ドラマ」で検索すると、1984年にNHKで放送された『日本の面影』も一緒に見つかります。まったくの別作品なので、違いだけを簡単に整理します。

作品名放送原作・脚本主演物語の軸
おもかげ2023年BS初放送→2026年10月NHK総合原作:浅田次郎/脚本:吉田康弘中村雅俊定年の日に倒れた男が、知らなかった過去をたどる
日本の面影1984年 NHK総合脚本:山田太一ジョージ・チャキリス小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の日本での日々

『日本の面影』は、明治の日本に面影を見た異邦人の物語。『おもかげ』は、自分の知らない過去に母や家族の面影を探す男の物語です。国の記憶と、一人の人間の記憶。題名は似ていても、見つめている対象はまったく違います。

2025年秋からの連続テレビ小説『ばけばけ』で小泉八雲の妻・セツへの関心が高まったこともあり、しばらくは二つの作品を行き来する検索が続くと思われます。

ドラマ「おもかげ」初の地上波放送の意味【考察】

ここからは、僕の私見です。

まず押さえておきたいのは、BSで生まれたドラマを再編集して総合テレビに届け直すのは、NHKにとって新しい試みではないということです。

たとえば「土曜ドラマ」枠では、1994年にBS2で放送した全4回のドラマを再編集して放送した例があります。2017年には、放送予定だった作品が主演俳優の不祥事で中止になった際、BSプレミアムで放送済みのドラマを一部再編集して代わりに放送しました。

金曜夜の「ドラマ10」枠でも、BSプレミアムの日曜ドラマを再構成した作品が2012年度から放送されてきましたし、BS4Kで放送した作品の再構成版が組まれたこともあります。時代劇では、2018年度以降、総合の土曜夕方の枠でBS時代劇の再編集版が放送されてきました。

こうした流れを並べると、『おもかげ』の地上波放送は、BSや4Kでつくった良質な作品を、より多くの視聴者へ届け直すNHKの定番の手法の延長線上にあると考えられます。

ただ、僕が注目したいのは、今回が「穴埋め」ではなく、秋の土曜ドラマ枠に正面から置かれたように見える点です。一度BSで評価を得た作品を、夜10時の大人向け枠にあえて据える。そこには、この物語を「広く届けたい」という意思が読み取れます。

次に、キャスティングの仕掛けです。

三田佳子さん、余貴美子さん、さとうほなみさんは、世代がはっきり異なる3人です。正一の人生のそれぞれの時代に、それぞれの女性がいる。年齢の違う3人を並べたこと自体が、時間を旅する物語の地図になっているのではないかと僕は見ています。

そして、中村雅俊さんのコメントにあった「原作にはあるけれど描かない部分」。原作ファンにとっては、何が削られ、何が映像で膨らまされたのかを確かめる楽しみがあります。原作未読の人にとっては、放送後に小説を手に取る理由になるはずです。

個人的には、今回の地上波放送は、浅田次郎さんの原作に新しい読者を呼ぶきっかけになると予想しています。同じ昭和26年生まれの原作者と主演俳優が、同世代の主人公に託した人生の物語。それを、子や孫の世代が土曜の夜にテレビで観る。その光景そのものが、とても「おもかげ」らしいと思うのです。

ステアリングを切る角度が人生の選択に似ているように、人が最後に振り返る景色も、たぶん自分では選べない。正一がどんな景色の前で立ち止まるのか、僕は放送を待ちながら、その問いを胸の中で温めています。

※画像はAIによるイメージ

まとめ

  • ドラマ『おもかげ』は、浅田次郎原作・中村雅俊主演。2026年10月3日・10日・17日(土)午後10時からNHK総合「土曜ドラマ」枠で全3回放送
  • 共演は浅田美代子、宅麻伸、モロ師岡、前田亜季、板橋駿谷、不破万作、そして謎の女性役の三田佳子、余貴美子、さとうほなみ
  • 2023年にBSで119分版が初放送され、2025年の全3回版を経て、今回が確認できた範囲で初の地上波放送
  • 原作者・主人公・主演俳優は、いずれも昭和26年生まれ
  • 見逃し配信はNHK ONEの対象かを番組ページで確認。過去版はNHKオンデマンドで配信中
  • 同名の『日本の面影』(1984年)とは別作品

返事のない人にこそ届けたい言葉が、誰の胸にもひとつはある。10月の土曜の夜、その言葉の置き場所を探すように、僕も一人の視聴者として正一の旅を見届けたいと思います。

よくある質問

原作を読んでいなくても楽しめる?

楽しめます。ドラマは吉田康弘さんの脚本で、原作を膨らませた部分と、あえて描かない部分があると中村雅俊さん自身が語っています。ドラマで物語の骨格をつかんでから原作を読むと、違いをじっくり味わえます。

BSで放送された版と内容は同じ?

NHK総合で放送されるのは、2025年3月にBSプレミアム4Kで放送された全3回版です。2023年の119分版を再編集したもので、物語の大筋は同じですが、1話43分ずつに区切られています。

見逃したらどこで観られる?

NHK総合の番組はNHK ONEで同時・見逃し配信されるものが多いですが、本作が対象かは番組ページで確認してください。有料のNHKオンデマンド(U-NEXTやAmazon Prime Videoのチャンネル経由を含む)でも配信されています。最新の配信状況は各公式サイトで確認を。

(文・岸本湊人/『ドラマ見届け人・湊の部屋』)

参考

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