『VIVANT』第1シーズンの公式期間平均世帯視聴率は14.1%で、14.3%は各話公表値の単純平均です。
どちらも計算上の根拠はありますが、同じ「平均視聴率」という言葉で扱うと意味が変わります。本記事では、全10話の推移と算出方法を整理し、数字の違いを分かりやすく検証します。
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『VIVANT』第1シーズンの公式平均視聴率は14.1%
2023年7月16日から9月17日まで放送された『VIVANT』第1シーズンについて、ビデオリサーチが掲載している期間平均世帯視聴率は14.1%です。
同じ資料には、期間平均個人視聴率が9.1%、最高世帯視聴率が最終回の19.6%、最高個人視聴率が同じく最終回の12.9%と記載されています。いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区の数値です。
一方、インターネット上では「『VIVANT』の全話平均視聴率は14.3%」という数字も多く見られます。
この14.3%は、各話について報道された小数第1位までの世帯視聴率をすべて足し、全10話で割った単純平均です。
まず、二つの数字の違いを整理します。
指標 数値 算出方法 適切な扱い
ビデオリサーチの期間平均世帯視聴率 14.1% 全放送回の毎分視聴率を総放送分数で平均 公式の平均視聴率
各話公表値の単純平均 約14.3% 各話の公表値を合計して10話で割る 独自の参考計算
全10話の中央値 14.15% 10個の視聴率の中央にある2値を平均 シリーズの中心的水準を見る参考値
最終回を除く9話の単純平均 約13.7% 第1話から第9話までを単純平均 最終回への依存度を見る参考値
したがって、「ビデオリサーチ公式の『VIVANT』平均視聴率は何%か」と聞かれた場合、答えは14.1%です。
「公表された各話視聴率を同じ重さで平均すると何%か」という質問なら、答えは約14.3%になります。
二つの数字は競合する答えではありません。
測っているものが違うのです。
数字は同じ景色を映しているようで、立っている場所が少し違います。そのわずかな立ち位置の差が、14.1%と14.3%を分けています。

公式14.1%と単純平均14.3%はなぜ違う?
ビデオリサーチの期間平均視聴率は、各話の番組平均視聴率を足して放送回数で割った数字ではありません。
全放送回の毎分視聴率を合計し、シリーズ全体の総放送分数で割ることで算出されます。
ビデオリサーチも、連続ドラマの平均を求める際に各話の番組平均視聴率を足して放送回数で割ると、正式な期間平均とは異なる数字になる場合があると解説しています。
違いが生まれる主な理由は、次の二つです。
- 各話の放送時間が同じとは限らない
- 報道される各話視聴率は小数第1位に丸められている
『VIVANT』では通常回だけでなく、初回や最終回などに放送時間の拡大がありました。
単純平均では、放送時間の長い回も短い回も「1話」として同じ重さで扱われます。
一方、公式の期間平均では、放送された一分一分が計算の対象です。放送時間が長い回ほど、シリーズ全体の期間平均に与える影響も大きくなります。
さらに、僕たちがニュースで確認できる11.5%や13.8%という数字は、小数第1位までに丸められた番組平均視聴率です。
丸められる前の数値が11.46%なのか11.54%なのかは、公表された11.5%だけでは分かりません。
そのため、各話の公表値を足した142.6%も、ビデオリサーチが保有する元データを正確に合計した数値ではありません。
計算式は次の通りです。
(11.5+11.9+13.8+13.4+14.2+14.3+14.1+14.9+14.9+19.6)÷10=14.26
小数第1位に丸めると14.3%ですが、正確には「各話について公表された小数第1位の数値を用いた単純平均が14.26%」と表現する必要があります。
「正確な全話平均が14.26%」と断定するのは適切ではありません。
ここは視聴率記事で最も間違えやすいところです。
14.3%という計算自体が無意味なのではありません。各話を一つの作品単位として均等に比較し、典型的な放送回の水準を調べる目的では役立ちます。
ただし、公式記録として扱うときは14.1%、独自分析として使うときは約14.3%と、名前を分けなければなりません。
僕は、この0.2ポイントの差こそ視聴率を読む面白さだと感じます。
平均という言葉は一つでも、その中には「何を同じ重さで扱うのか」という編集者の視点が隠れているからです。
『VIVANT』全10話の視聴率推移は?
『VIVANT』第1シーズンは、初回11.5%でスタートし、2023年9月17日放送の最終回で19.6%を記録しました。
ORICON NEWSが報じた各話の世帯平均視聴率は、次の通りです。すべてビデオリサーチ調べ、関東地区のリアルタイム世帯視聴率です。
放送回 世帯視聴率
第1話 11.5%
第2話 11.9%
第3話 13.8%
第4話 13.4%
第5話 14.2%
第6話 14.3%
第7話 14.1%
第8話 14.9%
第9話 14.9%
第10話・最終回 19.6%
最も低かったのは第1話の11.5%、最も高かったのは最終回の19.6%です。
初回と最終回の差は、8.1ポイントに達しました。
第4話では13.8%から13.4%へ一度下がり、第7話でも14.3%から14.1%へわずかに下がっています。そのため、厳密には毎週上昇したわけではありません。
それでも、全体の流れは明確です。
- 第1話から第2話は11%台
- 第3話から第4話は13%台
- 第5話から第9話は14%台
- 最終回は19.6%
第5話以降は、最終回まで一度も14%を下回っていません。
連続ドラマでは、初回に注目が集まり、第2話以降に視聴率を落とす作品もあります。『VIVANT』はその逆で、初回が全10話の最低値となり、物語が進むほど数字の土台を引き上げました。
全10話の中央値は、14.1%と14.2%の平均となる14.15%です。
各話公表値の単純平均14.26%との差は、わずか0.11ポイントしかありません。
さらに、最終回を除いた第1話から第9話までの単純平均は約13.67%です。
(11.5+11.9+13.8+13.4+14.2+14.3+14.1+14.9+14.9)÷9=約13.67
最終回の19.6%が単純平均を引き上げたことは確かですが、それだけで14%前後の水準になったわけではありません。
第5話から第9話までの安定した14%台が、作品全体の数字を支えています。
僕の胸に残ったのは、最終回の大きな数字よりも、その直前まで視聴者が離れなかったことです。
一夜だけ高く燃えた炎ではない。小さな謎が次の謎へ火を渡し、日曜日ごとに視聴者の輪を広げていった推移だったと考えます。

VIVANTの14.1%は日曜劇場でどの程度の数字?
『VIVANT』の期間平均世帯視聴率14.1%は、日曜劇場の歴代最高記録ではありません。
比較範囲を無制限に広げて「2020年代の日曜劇場でトップクラス」と断定すると、2024年以降の作品も含めた検証が必要になります。
ここでは範囲を2020年から『VIVANT』が放送された2023年までに限定し、ビデオリサーチ公式資料で確認できる代表作と比べます。
作品名 放送年 期間平均世帯視聴率
半沢直樹・シーズン2 2020年 24.7%
天国と地獄~サイコな2人~ 2021年 15.5%
VIVANT 2023年 14.1%
2020年版『半沢直樹』は期間平均世帯視聴率24.7%、最終回32.7%を記録しました。
『VIVANT』と同じ堺雅人さん主演、福澤克雄さんが演出に関わった日曜劇場ですが、リアルタイム世帯視聴率では『半沢直樹』が別格の成績です。
2021年放送の『天国と地獄~サイコな2人~』も、期間平均世帯視聴率15.5%を記録しています。
この比較だけでも、『VIVANT』を「2020年以降の日曜劇場で最高」と表現できないことが分かります。
一方で、14.1%を低い数字と見るのも適切ではありません。
『VIVANT』は福澤克雄さんが原作を手掛けた完全オリジナルストーリーです。放送前にはキャスト以外の情報がほとんど公開されず、二宮和也さんの出演も初回終盤まで伏せられていました。
『半沢直樹』のような人気原作や過去シリーズの視聴経験を入り口にできない状態で、初回11.5%から最終回19.6%まで上昇した点は重要です。
平均値だけを横に並べれば上には上がいます。
しかし、作品がどの位置から走り始め、どこまで視聴者を連れていったのかを見ると、『VIVANT』の強みは最初から巨大だったことではなく、放送中に期待を育てたことにあります。
視聴率の順位は作品の「標高」を示します。
初回から最終回までの推移は、その作品がどれほどの坂道を上ったのかを示しているのだと思います。

VIVANTはなぜ11.5%から19.6%まで伸びた?
視聴率上昇の原因を、作品の面白さやSNSの口コミだけに決めることはできません。
宣伝量、出演者の知名度、ニュース報道、家族や知人からの推薦、録画や配信で追いついた視聴者など、複数の要因が重なったと考えるべきです。
そのうえで、作品構造から見える特徴はあります。
一つ目は、放送前に物語の核心を明かさなかったことです。
第1話の放送前には、堺雅人さん演じる乃木憂助がどのような人物なのか、「VIVANT」が何を意味するのか、阿部寛さんや二階堂ふみさんがどのような立場で登場するのかも詳しく説明されていませんでした。
初回11.5%は、物語の正体がほとんど見えない状態で記録した数字です。ORICON NEWSも第1話を「事前情報なし」の作品として報じています。
二つ目は、謎が一つ解けるたびに、さらに大きな疑問が生まれる構造です。
誤送金事件から始まった物語は、乃木の別人格、自衛隊の秘密部隊「別班」、国際テロ組織「テント」、ノゴーン・ベキと乃木の親子関係へと広がりました。
一話の事件が完結して翌週にリセットされる作品ではありません。
前の放送回を見ていることが次の回を楽しむ条件になりやすく、「途中で離れにくい」「次の放送までに追いつきたい」という視聴行動につながった可能性があります。
三つ目は、俳優の演技そのものが考察材料になったことです。
堺雅人さん、阿部寛さん、二階堂ふみさん、松坂桃李さん、役所広司さん、二宮和也さんらは、台詞だけでなく視線や沈黙でも人物の秘密を表現しました。
誰が味方で、誰が敵なのか。
表情のわずかな変化まで疑いたくなる演出が、放送後の会話を生みやすくしたと考えられます。
そして見逃せないのが、リアルタイム視聴率だけでは捉えられない視聴です。
最終回はリアルタイム世帯視聴率19.6%に加え、タイムシフト世帯視聴率13.8%、重複視聴を除いた総合世帯視聴率29.8%を記録しました。
つまり、『VIVANT』は放送時刻に集まった世帯だけでなく、録画で追いかけた視聴者にも強かった作品です。
僕は、この作品の最大の特徴は「見たくなる物語」だけでなく、見たあとに誰かと答え合わせをしたくなる物語だったことだと考えています。
ドラマが終わっても、人物の行動や伏線は視聴者の中で走り続ける。
その一週間の余韻が次の日曜日につながり、11.5%から19.6%へ伸びる道を作ったのではないでしょうか。
第2シーズン初回18.8%と参考計算14.7%はどう扱う?
2026年7月26日に放送された第11話、第2シーズン初回の世帯視聴率は18.8%、個人視聴率は12.1%でした。
第1シーズン最終回の世帯19.6%、個人12.9%に近い高水準でのスタートです。いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区の数値としてORICON NEWSが報じています。
TBSは第2シーズンについて、2026年7月26日から2クール連続で放送し、前作のラストシーンから直結する物語だと案内しています。
ここで、第1シーズン各話公表値の合計142.6%に第11話の18.8%を加え、11話で割ると次の数字になります。
(142.6+18.8)÷11=約14.67
小数第1位に丸めると約14.7%です。
ただし、この14.7%はビデオリサーチ公式の期間平均ではありません。
さらに、第1シーズン10話と第2シーズン初回を混ぜた独自計算であり、第2シーズンの平均視聴率でもありません。
公式期間平均14.1%と、この参考計算14.7%を横に並べて「シリーズ平均が0.6ポイント上がった」と比較することもできません。
14.1%は毎分データを総放送分数で平均した公式値であり、14.7%は丸められた各話公表値を放送回数で割った単純平均だからです。
計算方法も対象期間も違います。
異なる物差しで測った数字を比べれば、結論もゆがみます。
第2シーズンの平均を評価できるのは、放送終了後に同シーズンを対象とした公式の期間平均が示されてからです。
第11話の18.8%が意味するのは、前作が残した期待と視聴習慣が、3年後の初回にも強く引き継がれたということです。
一方、2クール作品では長い期間にわたって視聴者の関心を保つ必要があります。
僕は、第2シーズンの本当の勝負は初回の高さではなく、中盤以降も乃木憂助の選択に必然性を持たせられるかだと考えています。
高い場所から始まる物語には、上る難しさとは別の怖さがあります。
期待という追い風を受けながら、その風に流されず物語の進路を守れるか。18.8%は成功の証明ではなく、大きな信頼を預かった数字なのでしょう。

まとめ
『VIVANT』第1シーズンの公式期間平均世帯視聴率は14.1%です。
ビデオリサーチは、全放送回の毎分視聴率を合計し、シリーズ全体の総放送分数で割って期間平均を算出しています。
一方、各話について公表された11.5%から19.6%までの数字を足し、全10話で割ると14.26%になります。
小数第1位では約14.3%ですが、これは公式値ではなく、各放送回を同じ重さで扱った単純平均です。
- 公式の期間平均世帯視聴率は14.1%
- 各話公表値の単純平均は約14.3%
- 初回は11.5%
- 最終回は19.6%
- 初回から最終回までの上昇幅は8.1ポイント
- 全10話の中央値は14.15%
- 最終回を除く9話の単純平均は約13.7%
『VIVANT』の視聴率を紹介するときは、14.1%と14.3%のどちらかを消す必要はありません。
数字の名前と算出方法を明記して、二つを使い分けることが大切です。
また、第11話の18.8%を加えて計算した約14.7%は、公式の期間平均でも第2シーズン平均でもありません。異なるシーズンを含めた独自の参考計算として、限定的に扱う必要があります。
数字は、物語の価値をすべて語ってはくれません。
それでも、正体を伏せたオリジナルドラマが初回11.5%から最終回19.6%へ視聴者を増やした軌跡には、確かな意味があります。
『VIVANT』が残した本当の強さは、14.1%か14.3%かという小数点の争いだけではありません。
次の日曜日まで謎を持ち帰り、再びテレビの前に戻ってきた視聴者の厚みです。
ドラマが終わったあとも、その数字の奥では、物語の余韻が静かに走り続けているのだと思います。
よくある質問
VIVANT第1シーズンの平均視聴率は14.1%と14.3%のどちらですか?
ビデオリサーチ公式の期間平均世帯視聴率は14.1%です。14.3%は、各話について公表された小数第1位の視聴率を合計し、全10話で割った単純平均です。
VIVANT第1シーズンの最高視聴率は何%ですか?
2023年9月17日に放送された第10話・最終回の世帯視聴率19.6%です。個人視聴率は12.9%、総合世帯視聴率は29.8%でした。
VIVANT第2シーズンの平均視聴率は何%ですか?
第2シーズンは2026年7月26日に始まったばかりで、期間平均は確定していません。第11話の世帯視聴率は18.8%ですが、第1シーズンと混ぜて計算した約14.7%は公式平均ではありません。
参照した主な資料:株式会社ビデオリサーチ「2026年最新版 堺雅人 歴代ドラマ視聴率まとめ」「視聴率の種類」、TBSテレビ『VIVANT』公式情報、ORICON NEWS。数値・公開状況は2026年7月28日に確認しました。
――岸本 湊人(ドラマ評論家/ブログ戦略家)
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