2023年の『VIVANT』第1シーズンは、関東地区の世帯視聴率が初回11.5%から最終回19.6%へ上昇しました。
公表された全10話の小数第1位までの数値を筆者が単純平均すると14.26%です。序盤で上昇し、中盤は14%台を維持、最終回で4.7ポイント跳ねた「階段型」の推移でした。
数字の線を追っていくと、そこには単なる人気の増減ではなく、物語への信用が一段ずつ積み上がっていく足跡が見えてきます。
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『VIVANT』視聴率推移は?全10話の放送日と数値一覧
『VIVANT』第1シーズンは、2023年7月16日から9月17日まで、TBS系「日曜劇場」で全10話が放送されました。
主演は堺雅人さん。阿部寛さん、二階堂ふみさん、松坂桃李さん、二宮和也さん、役所広司さんらが出演しています。
物語は、丸菱商事で起きた1億ドルの誤送金事件から始まりました。
しかし、主人公・乃木憂助がバルカ共和国へ渡ったことで、企業ドラマの枠を飛び出し、公安、自衛隊の非公認部隊「別班」、国際テロ組織「テント」が交差する壮大なサスペンスへ発展します。
各話の関東地区における世帯平均視聴率は、次の通りです。
放送回 放送日 世帯視聴率 前回との差
第1話 2023年7月16日 11.5% ―
第2話 2023年7月23日 11.9% +0.4
第3話 2023年7月30日 13.8% +1.9
第4話 2023年8月6日 13.4% -0.4
第5話 2023年8月13日 14.2% +0.8
第6話 2023年8月20日 14.3% +0.1
第7話 2023年8月27日 14.1% -0.2
第8話 2023年9月3日 14.9% +0.8
第9話 2023年9月10日 14.9% ±0.0
最終回 2023年9月17日 19.6% +4.7
数値はビデオリサーチ調べ、関東地区の世帯平均視聴率です。
なお、この記事で示す「全話平均14.3%」は、番組側が公式平均として発表した数字ではありません。
各話について公表された小数第1位までの数値を合計し、筆者が単純平均した結果です。
142.6÷10=14.26%
小数第1位に丸めると、筆者計算による全10話の平均は約14.3%となります。

初回11.5%と最終回19.6%の差は、8.1ポイントです。
数値上では最終回が初回の約1.70倍に達しています。ただし、世帯視聴率は実際の視聴人数そのものではないため、「視聴者が1.7倍になった」とは言い切れません。
正確には、最終回の世帯視聴率の水準が、初回を大幅に上回ったと表現するのが適切です。
『VIVANT』は、初回に最大値を記録して徐々に下がった作品ではありません。
放送を重ねるごとに視聴率の水準を引き上げ、結末でシリーズ最高値を記録した点に、推移の大きな特徴があります。
『VIVANT』の視聴率はどの回で上がった?
『VIVANT』の視聴率推移は、毎週一直線に上がったわけではありません。
数字の動きを整理すると、次の4段階に分けられます。
- 第1話から第3話までの上昇
- 第4話での小幅な調整
- 第5話から第9話までの14%台定着
- 最終回での4.7ポイント急上昇
注目したいのは、第4話と第7話で下がりながらも、その後に大きく崩れなかった点です。
一度獲得した視聴率の水準をおおむね保ちながら、次の上昇へ進んでいます。
第1話から第3話は11.5%から13.8%へ上昇
第1話は11.5%、第2話は11.9%、第3話は13.8%でした。
第1話から第3話までの上昇幅は2.3ポイントです。特に第2話から第3話にかけては、1.9ポイント上がりました。
放送前の『VIVANT』は、豪華キャストや大規模な海外ロケが発表されていた一方、物語の内容や登場人物の役柄はほとんど明かされていませんでした。
初回で描かれたのは、乃木が誤送金された1億ドルを回収するため、バルカ共和国へ向かう物語です。
ところが、逃亡劇のなかに公安警察や謎の人格「F」が入り込み、視聴者が想像していた企業ドラマとは異なる景色が次々に広がっていきました。
初回の個人視聴率は7.4%、第3話は8.9%です。
世帯視聴率と個人視聴率の双方が上がっており、序盤の上昇が世帯指標だけに見られた動きではなかったことが分かります。
確認できるデータは、第3話までに世帯視聴率が2.3ポイント上昇したことです。
僕の解釈では、正体を隠した宣伝だけでなく、放送後に「次は何が明かされるのか」という会話が広がったことが、次週への関心を押し上げた可能性があります。
一方で、豪華キャストや海外ロケへの注目、夏休み期の在宅状況など、物語以外の要因も考えられます。
視聴率の上昇を、脚本の力だけで説明することはできません。
第4話13.4%は失速ではなく定着を確かめる回
第4話は13.4%で、第3話の13.8%から0.4ポイント下がりました。
ただし、初回の11.5%と比べれば1.9ポイント高い水準です。
連続ドラマでは、放送前の宣伝や主演俳優への期待から初回が高くなり、その後に数字が下がる「初回ピーク型」も珍しくありません。
『VIVANT』は初回直後に大きく落ちず、第3話まで上昇した後に初めて小幅な下落が入りました。
このため僕は、第4話を明確な失速ではなく、序盤で上がった視聴率がどの水準に落ち着くかを確かめる「踊り場」と捉えています。
階段を上るとき、人は一段ごとに足場を確かめます。
『VIVANT』の第4話も、次の上昇へ向かう前に、視聴率の足場を固めた回だったのではないでしょうか。
第5話から第9話は5週連続で14%台
第5話から第9話までの世帯視聴率は、14.2%、14.3%、14.1%、14.9%、14.9%でした。
この5話の単純平均は、筆者計算で14.48%です。
最も低い第7話の14.1%と、最も高い第8話・第9話の14.9%との差は0.8ポイントに収まっています。
つまり中盤から最終回直前までは、毎週大幅に上昇したのではありません。
14%台という高い水準を5週連続で維持したことが重要です。
物語では、乃木が別班の一員であることや、テントを率いるノゴーン・ベキが乃木の父であることが明らかになりました。
その一方で、乃木は本当に仲間を裏切ったのか、テントは単なるテロ組織なのか、ベキは倒すべき敵なのかという新たな疑問が残されます。
『VIVANT』の脚本は、答えを見せるたびに次の問いを置いていきました。
扉を開けた先に、また別の扉がある。その連続が、視聴者を疲れさせるのではなく、翌週まで物語を持ち帰らせたのだと僕は感じます。

最終回は前週から4.7ポイント上昇
最も大きく数字が動いたのは、2023年9月17日に79分スペシャルで放送された最終回です。
第9話の14.9%から最終回の19.6%へ、4.7ポイント上昇しました。
最終回の個人視聴率は12.9%です。
瞬間最高世帯視聴率は20.8%、瞬間最高個人視聴率は13.7%に達しました。
最終回を除く第1話から第9話までの世帯視聴率を単純平均すると、筆者計算で約13.67%です。
最終回を加えることで全10話平均は14.26%となり、最後の1話がシリーズ平均を約0.59ポイント押し上げた計算になります。
これは、最終回が単に全話で最も高かったというだけではありません。
シリーズ全体の平均値と、視聴率グラフの形そのものを大きく変えた回でした。
最終回19.6%は2023年夏ドラマでどれほど高かった?
『VIVANT』最終回の世帯視聴率19.6%は、2023年夏ドラマのなかでも突出した数字でした。
ただし、ランキングを確認するときは、何の視聴率を基準に順位を付けたのかを分けて考える必要があります。
ビデオリサーチが公表した2023年夏ドラマのリアルタイム視聴ランキングは、個人全体の視聴率を基準に並べられています。
その公式掲載順では、上位4番組は次の順番でした。
1. 『VIVANT』最終回
2. 『どうする家康』
3. 『ミステリと言う勿れ特別編』
4. 『ハヤブサ消防団』最終回
一方、世帯視聴率だけを見ると、確認できる主な番組の数値は次の通りです。
番組 世帯リアルタイム視聴率
『VIVANT』最終回 19.6%
『どうする家康』 12.7%
『ハヤブサ消防団』最終回 10.6%
この表は、公式の個人視聴率ランキングをそのまま再現したものではありません。
世帯視聴率という同じ指標だけを抜き出して比較した表です。
『VIVANT』は『どうする家康』を6.9ポイント、『ハヤブサ消防団』最終回を9.0ポイント上回っています。
ただし、放送枠、放送時間、作品ジャンル、拡大放送の有無が異なるため、数字の差だけで作品の優劣を決めることはできません。
それでも、同じ夏クールの主要ドラマと比べて、19.6%が非常に高い水準だったことは確かです。
さらに『VIVANT』最終回は、録画視聴を示す世帯タイムシフト視聴率でも13.8%を記録しました。
リアルタイム視聴とタイムシフト視聴の重複を除いて合算した総合視聴率は、世帯29.8%、個人20.0%です。
視聴指標 『VIVANT』最終回
世帯リアルタイム視聴率 19.6%
世帯タイムシフト視聴率 13.8%
世帯総合視聴率 29.8%
個人総合視聴率 20.0%
世帯総合視聴率の2位だった『ハヤブサ消防団』最終回は20.2%で、『VIVANT』との差は9.6ポイントでした。

ここで見落としたくないのは、『VIVANT』がリアルタイム視聴だけに強かったわけではない点です。
録画でも高い数字を残し、重複を除いた総合視聴率でも2023年夏ドラマの首位となりました。
放送時間に結末を見届けた人だけでなく、録画で情報を確認した人にも広く選ばれた作品だったと評価できます。
視聴率は作品の価値を一つの数字に閉じ込めるものではありません。
しかし、リアルタイム、タイムシフト、総合という異なる指標で強さを示した事実は、『VIVANT』の視聴行動が一つの方法に偏っていなかったことを物語っています。
『VIVANT』視聴率推移が階段型になった理由は?
僕は『VIVANT』の全10話推移を、単純な右肩上がりではなく「階段型」と考えています。
序盤で一段上がり、中盤で足場を固め、最終回で大きく跳ぶ形です。
その背景には、少なくとも3つの要素があったと考えられます。
無料配信で途中から追いつける環境があった
TBSは2023年9月13日、第1話から第9話までのTVerとTBS FREEにおける累計無料配信総再生数が、4000万回を突破したと発表しました。
最終回放送前の時点で、TBSドラマ史上最速の4000万回突破とされています。
ここで注意したいのは、4000万回が4000万人を意味するわけではないことです。
同じ利用者による複数回の再生や、場面を戻して見た再生などが含まれる可能性があり、リアルタイム視聴者数との単純比較はできません。
確認できるデータは、第9話までに無料配信が累計4000万回を超えたことです。
僕の解釈では、第1話を見逃した人が途中から追いつき、次回以降はリアルタイムで見るという移動が起きた可能性があります。
また、伏線を確認するための再視聴が、作品について語る時間を次の放送まで持続させたとも考えられます。
一方で、配信視聴が視聴率を何ポイント押し上げたのかを示す公表データはありません。
無料配信4000万回と最終回の上昇に関係があったとしても、直接的な因果関係までは断定できません。
中盤の14%台が最終回上昇の土台になった
最終回19.6%の華やかさに目を奪われますが、僕がより重要だと感じるのは、第5話から第9話までの安定です。
この5話はすべて14%台で、単純平均は14.48%でした。
初回だけ高く、その後に視聴率が下がる作品では、最終回前に視聴習慣そのものが弱くなってしまいます。
『VIVANT』は中盤で大幅に崩れず、14%台の水準を保ちました。
確認できるデータは、第5話から第9話までの変動幅が0.8ポイントに収まったことです。
僕の解釈では、この安定した土台があったからこそ、普段は録画や配信で見ていた層、途中から評判を聞いて追いついた層が、最終回の夜に合流しやすかったのでしょう。
ただし、最終回の4.7ポイント上昇には、79分の拡大放送、番宣、SNS上の盛り上がりなど、複数の要素が影響した可能性があります。
中盤の安定だけを唯一の理由とすることはできません。
結末を放送後まで知らずに見たい作品だった
『VIVANT』には、乃木の正体、別班の作戦、テントの目的、ベキとの親子関係など、結末を知ることで視聴体験が大きく変わる謎が積み上げられていました。
最終回では、乃木が別班を裏切っていなかったことや、撃たれた別班員が生存していたことなど、重要な真相が次々に明かされます。
こうした作品では、放送後にニュースやSNSで結末を知ってしまう前に、自分の目で確かめたいという心理が働きやすくなります。
確認できるデータは、最終回が前週から4.7ポイント上昇したことです。
僕の解釈では、普段は録画や配信を利用していた人の一部が、最終回だけリアルタイム視聴へ移った可能性があります。
一方で、実際に何人が視聴方法を変えたのかを示す資料は公表されていません。
したがって、これは作品構造と視聴率推移を照らし合わせた筆者の考察です。
一般的な「初回ピーク型」は、放送前の期待が数字の頂点になりやすい形です。
それに対して『VIVANT』は、初回11.5%よりも中盤が高く、さらに最終回で最高値を記録しました。
宣伝によって最初の一段を上らせるだけでは、この形にはなりません。
毎週の物語が次の一段を上る理由を作り、視聴者がその足場から降りなかった。僕には、その積み重ねが19.6%という頂上につながったように見えます。
第2シーズン初回18.8%との違いは?
『VIVANT』第2シーズンは、2026年7月26日に通算第11話としてスタートしました。
関東地区の世帯平均視聴率は18.8%です。
比較する回 世帯視聴率
第1シーズン第1話 11.5%
第1シーズン最終回 19.6%
第2シーズン初回 18.8%
第2シーズン初回は、第1シーズン最終回の19.6%に0.8ポイント届かなかったものの、第1シーズン初回の11.5%を7.3ポイント上回りました。

第1シーズンは、物語の正体が分からない状態から視聴率の水準を上げていく立場でした。
第2シーズンは、乃木、別班、テントという作品世界を知っている視聴者の期待を受け、初回から18.8%という高い位置でスタートしています。
そのため、第2話以降に多少下がったとしても、単週の増減だけで失速と判断するのは早いでしょう。
見るべきなのは、中盤でどの水準に定着するのか、録画や配信を含む視聴がどこまで維持されるのか、そして最終回で初回18.8%を再び超えられるのかという点です。
第1シーズンでは、「乃木は何者なのか」が大きな推進力になりました。
しかし、第2シーズンの視聴者は、すでに乃木が別班であることを知っています。
前作と同じ驚きを繰り返すだけでは、初見の衝撃は更新できません。
第2シーズンの視聴率推移は、前作が積み上げた信用を借りるだけでなく、新しい物語によってその信用を更新できるかを映す数字になりそうです。
まとめ
『VIVANT』第1シーズンの関東地区における世帯平均視聴率は、第1話11.5%から最終回19.6%へ8.1ポイント上昇しました。
公表された全10話の小数第1位までの数値を筆者が単純平均すると14.26%で、小数第1位に丸めると約14.3%です。
この14.3%は公式発表されたシリーズ平均ではなく、各話の公表値に基づく筆者計算です。
視聴率は毎週上がったわけではありません。
第4話で0.4ポイント、第7話で0.2ポイント下がりましたが、第5話から第9話までは5週連続で14%台を維持しています。
そして最終回は、前週の14.9%から19.6%へ4.7ポイント上昇しました。
世帯タイムシフト視聴率は13.8%、世帯総合視聴率は29.8%、個人総合視聴率は20.0%です。
さらに最終回前には、第1話から第9話までの累計無料配信総再生数が4000万回を突破しました。
これらの数字から見えるのは、テレビの放送時間だけで人気を広げた作品ではないということです。
リアルタイム、録画、無料配信を行き来できる環境のなかで作品への関心が維持され、結末の夜に大きな注目が集まりました。
視聴率は、物語の価値をすべて説明する数字ではありません。
それでも、11.5%から19.6%へ伸びた線には、毎週一段ずつ物語への信用を積み上げた『VIVANT』らしい走行軌跡が刻まれています。
よくある質問
『VIVANT』第1シーズンで最も視聴率が高かったのは何話?
最終回の第10話です。
関東地区の世帯平均視聴率は19.6%、個人視聴率は12.9%を記録しました。瞬間最高世帯視聴率は20.8%です。
『VIVANT』全10話の平均視聴率は何%?
各話で公表された小数第1位までの世帯視聴率を筆者が単純平均すると14.26%です。
小数第1位に丸めると約14.3%ですが、番組側が公式平均として発表した数値ではありません。
『VIVANT』の視聴率は毎週上がった?
毎週上がったわけではありません。
第4話は前週から0.4ポイント、第7話は0.2ポイント下がり、第8話と第9話は14.9%で横ばいでした。
ただし、全体では初回11.5%から最終回19.6%へ8.1ポイント上昇しています。
岸本 湊人(ドラマ見届け人・湊の部屋)
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