ジョン万次郎の大河ドラマ誘致は2012年に始まり、24万71人の署名を集めながら約14年続き、2026年4月9日の大河「ジョン万」発表を迎えました。
ただし、署名や要望活動がNHKの作品選定を直接決めたと確認できる公表資料はありません。正確には、高知で長年の誘致活動が続くなか、2028年大河ドラマ第67作として「ジョン万」の制作が決まったと捉えるのが適切です。
現在は誘致の物語が終わったのではなく、土佐清水市の「ジョン万EXPO」と高知県全体の観光博覧会へ舞台が移っています。14年間で何が積み上がり、2028年の放送後に何を残そうとしているのかまで追います。
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ジョン万次郎の大河ドラマ誘致14年とは?2012年から2026年までの流れ
出発点は2012年の土佐清水実行委員会設立です。翌2013年には署名やNHKへの要望が本格化し、目標年を過ぎても活動をやめず、2026年の「ジョン万」制作発表まで続きました。
日本商工会議所が2026年7月に紹介した土佐清水商工会議所の記録によると、2012年、同商工会議所は土佐清水市長らと「土佐清水実行委員会」を設立しました。
目的は単なるテレビ出演ではありません。
ジョン万次郎の全国的な認知度を高め、高知県全体の地域活性化につなげること。その精神や功績を伝え、子どもたちにも勇気や行動力を受け継いでもらうことが掲げられていました。
同年12月22日には、高知県の公式記録にも知事が「ジョン万次郎NHK大河ドラマ化実現高知県実行委員会」へ出席したことが残っています。
つまり、土佐清水で生まれた運動が2012年のうちに県レベルへ広がったことが確認できます。
2013年になると活動はさらに具体化します。
同年の県への要望書には、前年末に高知県実行委員会が発足し、高知県全域や姉妹都市、全国のジョン万次郎関係団体などを巻き込み、署名活動と要望活動が本格的に始まったことが記されています。
10月31日には、土佐清水商工会議所の廣田会頭ら実行委員会のメンバーがNHK高知放送局を訪問しました。
土佐清水市議会の会議録には、ドラマ化実現を求めて要請し、その後は東京のNHK本部にも働きかける予定だったことまで記録されています。
長い誘致の主な節目を整理すると、次のようになります。
年 主な動き
2012年 土佐清水商工会議所と市長らが土佐清水実行委員会を設立。12月には県実行委員会の活動も確認される
2013年 署名・要望活動が本格化。10月31日にNHK高知放送局へ要請
2015年 土佐清水市の広報で市民へ大河ドラマ化署名への協力を呼びかけ
2018年 当初の大きな目標だった明治維新150年を迎えるが実現せず。7月3日に東京のNHK本部へ再要望
2019年 清水高校同窓会関東支部から5,004人分の署名が寄せられる
2023年 高知県が地域と連携して粘り強く要望活動を続ける方針を明記
2026年3月末 全国からの署名が24万71人に到達
2026年4月9日 2028年大河ドラマ第67作「ジョン万」の制作と山﨑賢人さんの主演が発表
2015年2月の土佐清水市広報では、市民の声をNHKへ強く届けるため署名活動を進めているとして、署名への協力を呼びかけていました。
しかし、長期誘致の本当の性格が見えるのは2018年です。
地元は明治維新150年にあたる2018年の大河ドラマ化を大きな節目として目指していました。
ところが2018年は「西郷どん」、2019年は「いだてん~東京オリムピック噺~」、2020年は「麒麟がくる」に決まり、ジョン万次郎の大河化は実現しませんでした。
普通なら、ここが運動の終点になっても不思議ではありません。
それでも2018年7月3日、実行委員会は高知県選出の国会議員らと東京のNHK本部を訪れ、改めて要望書を提出しました。
土佐清水市は、目標年を逃した後も官民一体で活動を継続する方針を明確にしています。
私は、ここに「14年」という数字の意味があると思います。
一直線に採用へ近づいた14年ではありません。
一度決めたゴールが過ぎても、次の機会へ物語をつなぎ直した14年だったのです。

24万71人の署名はどう集まった?高知が続けたのは署名だけではない
2026年3月末までに全国から24万71人の署名が集まりました。ただし誘致活動は署名だけでなく、NHKへの要望、地域イベント、人物顕彰、県外や海外との交流を組み合わせた長期的なものでした。
高知さんさんテレビは2026年4月9日、土佐清水市で2012年に実行委員会が発足し、同年から続いた活動で全国から24万71人の署名が集まったと報じています。
24万人という数字は、ニュースとして非常に分かりやすい。
しかし、この数字だけを見ていると誘致運動の輪郭を小さくしてしまいます。
例えば2019年には、清水高校同窓会関東支部から5,004人分の署名が土佐清水市へ届けられました。
地元の学校を卒業し、故郷を離れて関東で生活している人たちまで運動の担い手になっていたことが分かります。
2016年末には、市が翌年の生誕190年や米国との姉妹都市交流30年を見据え、アメリカでも署名活動を展開する方針を示していました。
一方で、人物そのものを伝える取り組みも途切れていません。
資料館の整備や生家復元、ジョン万次郎フェスティバル、ジョン万サミット、フェアヘーブンやニューベッドフォードとの交流などです。2017年にはジョン万次郎資料館とニューベッドフォードの捕鯨博物館との連携も進められました。
さらに2023年2月、高知県は土佐清水市経済団体連絡協議会への回答で、県がこれまで実行委員会に参画して要望活動を行ってきたことを説明しています。
そのうえで、地域と連携しながら引き続き「粘り強く」活動を続ける方針を示していました。
2018年に最初の大きな目標年を逃しても、2019年、2023年と記録が続いている。
私は、この「空白にならなかった時間」こそ重要だと思います。
署名には「何筆集めれば大河ドラマになる」という当選ラインがあるわけではありません。
一人に署名してもらうには、なぜジョン万次郎なのかを説明する必要があります。
その説明を聞いて初めて人物を知る人がいる。
その人が家族や友人へ話す。
故郷を離れた人が関東で署名を集める。
資料館を訪れた人が、太平洋を渡った一人の少年の人生を持ち帰る。
そう考えると、24万71人は単なる合計値ではありません。
ジョン万次郎の物語に触れた接点の蓄積として読むことができます。

なぜジョン万次郎は長く大河ドラマの主人公に望まれたのか?
14歳の漁師の少年が漂流し、米国で学び、航海士となり、日本へ帰る人生そのものに強い物語性があります。さらに幕末を「海外を実際に知る庶民」の視点から描けることも大きな特徴です。
中濱万次郎は1827年、現在の高知県土佐清水市中浜に生まれました。
1841年、14歳で仲間と漁へ出た際に遭難。鳥島へ漂着し、143日間の無人島生活を経て、米国の捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助されました。
漂流仲間と別れた万次郎は、船長ウィリアム・ホイットフィールドと米国へ渡ります。
マサチューセッツ州フェアヘーブンで英語、数学、測量、航海術、造船などを学び、その後は捕鯨船に乗って世界の海を航海しました。
1851年には仲間と琉球へ上陸。
薩摩や長崎などで取り調べを受けた後、土佐へ戻ります。
この人生をドラマの構造として眺めると、主人公を動かす力が非常に明快です。
故郷から切り離される「漂流」。
価値観を揺さぶる「異文化との出会い」。
未知の技術を身につける「学び」。
世界を巡る「航海」。
そして、生まれ故郷へ向かう「帰還」。
しかも始まりは、政治の中心にいる武士でも藩主でもありません。
一人の漁師の少年です。
私は映像制作の現場で物語の構造を見てきた立場から、この入口の強さは大河ドラマの主人公として大きな魅力だと感じます。
幕末のドラマでは、江戸、京都、薩摩、長州、土佐など国内政治の視点が中心になりやすい。
しかしジョン万次郎は、太平洋の向こう側から日本を見ることができます。
米国は彼にとって、噂でしか知らない「異国」ではありません。
自分を救ってくれた人が暮らし、自ら学校へ通い、働き、船乗りとして生活した現実の世界でした。
その経験を持った人物が鎖国期の日本へ帰ってくる。
この構造によって、幕末を単なる国内の政争ではなく、「世界と出会った日本」の物語として描けるわけです。
2026年4月9日に発表された2028年大河ドラマ第67作「ジョン万」は、19世紀の日米と太平洋を舞台に中濱万次郎の人生を描きます。
主演は大河ドラマ初出演・初主演となる山﨑賢人さん。脚本は連続テレビ小説「ちりとてちん」「カムカムエヴリバディ」、大河ドラマ「平清盛」などを手がけた藤本有紀さんで、2028年1月からの放送が予定されています。
誘致側が長く訴えてきた「物語にしたい人物」と、制作側が選んだ「太平洋を越える主人公」には確かに重なる部分があります。
ただし、ここでも線を引く必要があります。
人物として大河向きだったことと、地域の誘致活動がNHKの選定を直接決めたことは別問題です。
その因果関係を示す公表資料は、現時点では確認できません。
だからこそ「24万人の署名で大河を勝ち取った」と単純化するよりも、「長年地域が語り続けてきた人物が、2028年の大河主人公として選ばれた」と表現するほうが、事実にも14年間の重みにも誠実だと思います。

大河「ジョン万」決定後、土佐清水市では何が変わった?
2026年4月の発表直後からジョン万次郎資料館の来館者が増え、市役所には専用の推進室が設置されました。地域の仕事は「大河にしてほしい」から「訪れる人をどう迎えるか」へ変わっています。
変化は、制作発表から1か月もたたないうちに数字に表れました。
ジョン万次郎資料館では2026年4月29日から5月4日までの6日間に1,709人が来館しました。
前年同時期は507人で、3倍を超えています。
テレビ高知も、同年のゴールデンウイークには資料館を2,350人が訪れたと報じました。
高知県知事も5月15日の記者会見で、前年と2026年では大型連休の日数や曜日条件が異なることに注意を促しつつ、ジョン万次郎資料館の1日平均入館者数が前年のおよそ4倍だったと説明しています。
ここで注目したいのは、まだ大河ドラマが放送されていないことです。
ロケ地がテレビに映り、「あの景色を見たい」と人が動いたわけではありません。
制作決定そのものが、主人公の故郷を訪ねる動機になったのです。
行政側の体制も変わりました。
土佐清水市は5月1日、観光商工課内に「大河ドラマ『ジョン万』推進室」を設置しました。
その業務にはPRだけでなく、ゆかりの地の整備、案内板、観光ルート、受け入れ環境、おもてなし、特産品や土産品の開発などが含まれています。
さらに市は、2027年1月16日から2年間の「ジョン万EXPO」を計画しています。
公式情報では令和9年1月から令和11年1月までを開催期間としており、生誕200年祭が行われる2027年1月16日にオープニングイベントを実施する予定です。
ここで14年間の誘致が別の意味を持ち始めます。
大河が決まってから初めてジョン万次郎を知り、ゼロから地域資源を探しているわけではありません。
資料館がある。
生家やゆかりの地がある。
人物を顕彰してきた人がいる。
日米交流の歴史がある。
市民、経済団体、行政を結ぶネットワークもある。
私はこれを、「誘致資産が受け入れ資産へ転換した」と見ています。
放送を求めるためにつくった人と人のつながりが、今度は全国から来る人を迎えるためのつながりへ役割を変えた。
14年間の成果を考えるなら、制作決定そのものと同じくらい、この転換が重要です。

高知県は「ジョン万」をどう生かす?127団体で県内周遊へ
2026年9月現在、高知県は土佐清水だけに観光客を集めるのではなく、ジョン万次郎を入口に県内各地を巡ってもらう「周遊型」の観光戦略を進めています。
高知県は2026年7月10日、「大河ドラマを生かした博覧会推進協議会」の設立総会を開きました。
県は「ジョン万」を観光振興へ最大限に生かすため、県全体で博覧会を開催し、官民一体で進める方針を示しています。
そして9月16日、第2回総会が開かれました。
協議会は県内市町村や観光・経済関係団体など127団体で構成されています。
そこで発表された博覧会の名称が、「高知県観光博覧会 どっぷり高知旅博~ジョン万のふるさとを巡る旅~」です。
2027年12月上旬から1年あまりの開催が予定され、ジョン万次郎資料館など5つのメイン会場に加え、宿毛歴史館や龍馬の生まれたまち記念館など県内14施設で、万次郎や幕末の人物に関連した企画を行う計画が示されています。
2012年の出発点から見ると、景色はかなり変わりました。
土佐清水の商工会議所と市から始まった誘致が県レベルへ広がり、作品決定後には127団体が関わる観光戦略になったのです。
高知県が掲げる目標の一つが、県外観光客数500万人です。
高知県では連続テレビ小説「らんまん」が放送された2023年に約472万人を記録し、2025年も約457万人と過去2番目の水準でした。
「ジョン万」が放送される2028年には500万人を目指す方針が示されています。
ただ、私は500万人という総数だけでは成果を測りきれないと思います。
大河ドラマには、全国的な知名度を短期間で高める力があります。
一方で、放送が終われば作品そのものへの関心が落ち着く可能性もあります。
そこで重要になるのが「周遊」です。
土佐清水で少年時代を知る。
出漁に関わる場所へ移動する。
幕末史の施設を訪れる。
地域の食を味わう。
一泊して翌日は別の地域へ向かう。
こうして一つの施設を見るだけの「点」の観光が、複数地域を結ぶ「線」の旅へ変われば、一つの大河作品が県全体へ波及する可能性が生まれます。
2012年の誘致開始時から掲げられていた目的の一つは、ジョン万次郎の知名度向上を県下全域の地域活性化につなげることでした。
14年前には理念だった言葉が、県内周遊という具体策へ変わりつつある。
ここは、今回の誘致を単なる「悲願達成物語」で終わらせないための大切な視点です。

ジョン万次郎の大河誘致は成功した?放送後に見るべき4つの指標
私見では、2026年4月9日の制作決定だけで誘致の成否を確定させるのは早く、2028年の放送後に「何が地域へ残ったか」まで見て初めて14年間の価値を評価できます。
まず、事実関係は明確に分けておきたいところです。
24万71人の署名が集まった。
自治体や経済団体がNHKへの要望を続けた。
2028年大河ドラマに「ジョン万」が決まった。
この三つは、それぞれ確認できる事実です。
一方、「24万71人の署名があったからNHKが『ジョン万』を選んだ」と証明する公表資料は確認できません。
署名の多さを軽く見る必要はありません。
ただし因果関係を確認できないものまで断定しないことが、長く活動した人々への敬意にもつながると私は考えます。
そのうえで見ると、14年間の活動はすでに一つの成果を残しています。
地域に「ジョン万次郎を説明できる人」がいる。
資料を伝える場所がある。
市外・県外・海外とつながるネットワークがある。
イベントを動かした経験がある。
行政と民間が連携してきた履歴がある。
これらは、大河制作決定の瞬間には数字になりにくいものです。
しかし全国から旅行者を迎える段階に入れば、急にはつくれない資産になります。
さらに2027年は、1827年生まれのジョン万次郎にとって生誕200年の節目です。
2027年1月には土佐清水市のジョン万EXPOが始まり、同年5月には高知県で「日米草の根交流サミット」の開催も予定されています。
12月上旬からは県全体の観光博覧会が始まり、その先の2028年1月に大河ドラマ「ジョン万」の放送が控えています。
つまり高知には、放送開始日に突然スタートするのではなく、
生誕200年→ジョン万EXPO→県観光博覧会→大河放送
という形で、関心を段階的に高める時間があります。
私は、この「放送前の一年」をどう使うかが非常に重要だと考えています。
では、放送後に何を見れば地域振興につながったと言えるのでしょうか。
少なくとも、次の4つは追う価値があります。
- 宿泊:県外客数だけでなく、土佐清水市や高知県内で泊まる人がどれだけ増えたか
- 周遊:ジョン万次郎資料館だけで終わらず、県内の複数地域・施設へ移動したか
- 再訪:2028年の一度きりではなく、2029年以降にも高知を再び訪れる人がいるか
- 地域への定着:市民ガイド、学校教育、資料館利用などを通じ、地域の人が放送後もジョン万次郎を語り続けられるか
特に私は、宿泊と周遊を重視したいと思います。
例えば500万人を達成しても、多くの人が有名施設一カ所だけを訪れて県外へ戻れば、地域全体への波及には限界があります。
逆に総数が目標へ届かなかったとしても、一人あたりの滞在が長くなり、土佐清水から幡多地域、高知市、土佐市などへ旅が広がれば、地域に落ちる時間と消費は深くなる可能性があります。
もう一つ、数字では測りにくいものがあります。
地域の人自身が、ジョン万次郎を自分の言葉で語れる状態が残るかどうかです。
9月16日の博覧会推進協議会では、土佐清水市観光協会の二宮眞弓会長が、市民にもジョン万次郎資料館を訪れてもらい、市民全体で来訪者を迎えられるような取り組みを進めたいという考えを示しました。
私は、この発想に14年間の誘致の「次の章」が見える気がします。
観光キャンペーンには終了日があります。
ドラマにも最終回があります。
けれど、土地に暮らす人が「万次郎という人はね」と誰かに語れる状態は、その後も残せます。
ジョン万次郎自身も14歳の時、自分が歴史上の人物になるなど知るはずもなく海へ出ました。
遭難し、見知らぬ世界へ運ばれ、学び、働き、航海し、故郷へ帰った。
もちろん、一人の人生と地域の誘致運動を同じものとして語ることはできません。
それでも、目的地が見えない時間にも、その時できることを続けるという点には、どこか響き合うものがあります。
私はそこに、ジョン万次郎という人物が約14年にわたり「大河ドラマの主人公に」と願われ続けた理由の一端を見るのです。
まとめ|ジョン万次郎の大河ドラマ誘致は「決定」で終わらない
ジョン万次郎の大河ドラマ誘致は、2012年の土佐清水実行委員会設立を大きな起点として始まりました。
同年末には高知県実行委員会へ広がり、2013年には署名とNHKへの要望活動が本格化しました。
当初大きな節目としていた2018年の大河化は実現しませんでしたが、活動は終わりません。
2018年7月には東京のNHK本部へ改めて要望書を届け、2019年には清水高校同窓会関東支部から5,004人分の署名が寄せられました。
2023年にも高知県は地域と連携して粘り強く要望活動を続ける方針を示しています。
そして2026年3月末、全国から集まった署名は24万71人に到達。
同年4月9日、2028年大河ドラマ第67作「ジョン万」と、主演・山﨑賢人さん、脚本・藤本有紀さんが発表されました。
ただし、大切なのは「24万人の署名で大河を勝ち取った」と単純化しないことです。
署名や要望活動が作品選定を直接決めたと確認できる公表資料はありません。
一方で、約14年間の活動によって、人、組織、資料館、顕彰活動、県外や米国との交流など、ジョン万次郎を語るための基盤が積み上がったことも確かです。
そして制作決定後、その基盤は「誘致するためのもの」から「迎えるためのもの」へ変わり始めました。
2027年1月16日からは土佐清水市のジョン万EXPO。
同年12月上旬からは「高知県観光博覧会 どっぷり高知旅博~ジョン万のふるさとを巡る旅~」。
そして2028年1月には大河ドラマ「ジョン万」の放送が予定されています。
2012年から続いた誘致を、本当に評価できるのはその先でしょう。
放送後も資料館を訪れる人がいるのか。
土佐清水だけでなく高知県内を巡り、泊まり、再び訪れる人が増えるのか。
地域の子どもたちや大人が、ジョン万次郎を自分の言葉で語り続けるのか。
そこまで残ったとき、14年間の活動は「一本の大河ドラマを呼ぶための運動」だけではなくなります。
一人の郷土の人物を、次の世代へ渡すための長い文化活動だった。
そんな評価へ変わっていくのではないでしょうか。
よくある質問
ジョン万次郎の大河ドラマ誘致はいつ始まった?
大きな起点は2012年です。土佐清水商工会議所と土佐清水市長らによる実行委員会が設立され、同年12月には県レベルの実行委員会の活動も確認できます。2013年には署名やNHKへの要望活動が本格化しました。
ジョン万次郎の大河ドラマ誘致では署名が何人集まった?
2026年3月末時点で、全国から24万71人の署名が集まったと報じられています。
大河ドラマ「ジョン万」はいつ放送される?
NHK大河ドラマ第67作「ジョン万」は2028年1月から放送予定です。山﨑賢人さんが中濱万次郎役で主演し、藤本有紀さんが脚本を担当します。
文・岸本湊人
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